佐々木朗希、メジャーで直面する課題とは?

May 13th, 2025

まさに青天井の可能性を持つ佐々木朗希は、大きな期待と共にドジャースに迎え入れられた。しかし同時に、その期待の高さゆえに「発展途上」の選手であるという見方もされている。実際、今季ここまでの投球内容はまさにその評価通りのものと言えるだろう。

開幕から8登板を終えた時点で、成績は1勝1敗、防御率4.72、投球回34回1/3で奪三振24、与四球22。とりわけ、連覇を狙う成熟したチームにおいて、佐々木の荒削りな部分はより際立って見えてしまう。

直近では、金曜日のダイヤモンドバックス戦で、自己最多となる5失点を喫し、メジャーで最も苦しい登板となった。それでも、翌日にデーブ・ロバーツ監督は佐々木をマイナーに落とす考えはなく、メジャーの舞台で学ばせる方針を明確にした。

「実際に経験すること以上に意味のある学びはない。今、彼は試練の最中にいる。メジャーリーガーの打者たちは、どこを修正すべきかを明確に教えてくれる。コーチも助言できるし、彼自身も考えているだろう。ただ、本当に必要な修正は、実戦の中で相手打者の反応を見てこそ可能となる。だからこそ、ここ(メジャー)でプレーすることに意味があるし、現時点でマイナー落ちは全く考えていない」と述べた。

この数週間での最大の教訓の一つは佐々木の持ち球についてだ。代名詞であるスプリットは依然として強力であり、スライダーも意外な収穫として一定の評価を得ている。しかし、これらを最大限に活かすには、ストレートの質が不可欠であり、今のところそれがここまでの課題となっている。ここからは、その速球について分析していこう。

球速の低下

新天地を探す際に、佐々木が各球団に求めていたのは「2024年に球速が落ちた理由」と「それをどのように防ぐか」という二つの課題に対して長期的にどのような対策を講じるかということだった。

今季の平均球速は154.5キロ。MLB全体で上位80%に入る数字ではあるが、日本時代のような160キロ超えの球は影を潜めている。

「今も原因を探っている段階で、コーチと話しながら分析を続けている。まだ特定の理由を見つけることはできていない」と、佐々木は通訳のウィル・アイアトンを通じて語った。

空振り率の低さ

球速と球のキレが落ちれば、当然ながら打者にとっては打ちやすくなる。実際、佐々木の空振り率は20.4%(MLB全体で下位18%)、ストレート単体の空振り率ではわずか10.1%と低迷中だ。

スライダーの比率を増やすようになったのはまさにこれが最大の理由。この変化は持ち球全体をバランスよく使うという点では前向きだが、ストレートが抱える根本的な課題は残されたままである。

しかし、監督によれば、彼の最大の課題は次の項目にあるという。

最大の課題、制球力

登板を重ねるごとに制球は改善傾向にあるが、佐々木本人によれば、それは球速を抑えている結果ではないとのこと。

しかし、事実として球速がNPB時代より落ちている以上、その精度はより一層重要になる。ストレートをゾーン内に安定して投げられなければ、スプリットやスライダーも有効に機能しない。

「150キロ前半台のストレートを投げるのであれば、正確なコントロールが不可欠になる。それが我々がチームとして取り組む課題だ」とロバーツ監督は語った。

「朗希もそれを理解している。彼にとっては初めてのシーズンでまだまだ学んでいる最中。焦らずに適応する時間が必要だ」

新たな環境で、課題に直面する佐々木。その壁は高いが、だからこそそれを乗り越えた際の彼の姿を想像すると今からワクワクしてしまう。

難しいブルペン事情を抱えるドジャースにとってはついつい彼の活躍を期待してしまうものだが、監督の言葉通り、焦らずに見守っていきたいところだ。