ブルージェイズのオフの課題は、打線強化だ。
2026年のブルージェイズは79勝83敗でア・リーグ東地区最下位。打線は152本塁打、648得点と、いずれもリーグ最下位に終わった。今オフの補強を考えるうえで、打線の立て直しが最大のテーマになる。
ロス・アトキンスGMも「攻撃面では、最後まで勢いをつくれなかった。ボールをスタンドに運べなかった。四球も少なく、出塁も十分ではなかった」と振り返った。先発やブルペンの補強も必要になるが、打線そのものの方向性を変えるような補強が求められている。
FA市場では、カブスの鈴木誠也が有力候補の一人。マリナーズのランディ・アロザレーナ、パイレーツのブランドン・ロウらも候補に挙がる。さらに球団は日本市場にも目を向ける。昨オフに4年6000万ドル(95億円)で獲得した岡本和真は1年目ながらチーム最多の33本塁打を放った。球団は今オフも日本との関係をさらに深めるため、選手やスタッフを日本へ派遣する予定で、マーク・シャピロ球団社長兼CEO自身が訪日する可能性もある。
その日本市場で注目されるのが、阪神の佐藤輝明だ。27歳の強打者は2026年、NPBで38本塁打を記録し、WBCでは日本代表としてもプレーした。ただ、ブルージェイズの打線がどこまで補強を必要とするのか。その答えを握るのが、ブラディミール・ゲレーロJr.だ。
14年5億ドル(約787億円)の大型契約を2025年4月に結んだ主砲は、今季わずか9本塁打、OPS.688。球団史に残るスターとしては、あまりにも厳しいシーズンとなった。
アトキンスGMは「彼は非常に才能のあるアスリートで、打者としても極めて特殊な存在。だからこそ、これは本当に複雑な問題だ」と話した。
ゲレーロJr.はシーズン序盤にリズムとタイミングを崩し、それが自信にも影響したという。「自信を失うと、試合中やシーズン中の修正が非常に難しくなった」とアトキンスGMは説明した。
シャピロCEOもゲレーロJr.を「このゲーム、そして球団の歴史の中でも特別な打者の一人」と評価する。球団首脳が期待を寄せる一方で、主砲が本来の打撃を取り戻せるかどうかが、来季のブルージェイズを左右する重要なポイントになる。
シャピロCEOは、「スター選手のスランプは見てきたが、これほど長く続くことは通常ない。でも彼を信じているからこそ、これほど強い思いがある」とゲレーロJr.への期待を示した。
ポストシーズンを戦う他球団を横目に、ブルージェイズのフロントはゲレーロJr.の復調策を探りながら、チーム全体の見直しを進める。
球団はこれまでも有望株や元1巡目指名選手をトレードに出すなど、積極的に動いてきた。資金面にも余力はある。だからこそ、問われるのは「どこまで動くか」ではなく、「どう打線を変えるか」。
2027年、ブルージェイズに必要なのは、何よりも得点力だ。
