大谷をどうリリーフ起用するか 外野での出場もありえる?

October 31st, 2025

ドジャースは敗退の危機に直面し、第6戦は総力戦で挑む。大谷翔平(31)もリリーフ登板が可能だが、二刀流の性質上、起用法はやや複雑になる。

二刀流ルールは先発投手とリリーフ投手では適用が異なる。大谷が先発投手として出場し、その後交代した場合、DHとして試合に出場し続けることができる。しかし、もし大谷がDHとして先発出場し、その後リリーフ投手として登板した場合、大谷の登板終了時点でドジャースはDHを解除しなければならない。

ドジャースにとって、これは緻密な計算が求められる決断だ。大谷をマウンドに送り出すには、試合を最後まで投げきれると確信する必要がある。別の選択肢としては、今年初めに投手復帰を果たした際に担っていた役割に似た、オープナーとして起用するという方法がある。

しかし、山本由伸(27)が第6戦に先発する以上、オープナー起用は第7戦がある場合のみ現実的になるだろう。第7戦にはタイラー・グラスナウが先発予定だ。

チームはこれらの可能性に加え、リリーフ登板後に大谷を外野に回す可能性も検討している。外野手に回れば、大谷を打線にとどめることができる。実現の可能性は低いが、ドジャースのシーズンを延ばすためにあらゆる可能性が検討されている。

「何がベストなのか、じっくり話し合うつもりだ。もしそうなったら、どうなるか見てみよう。でも、彼が明日は外野を守らないことは分かっている。でも、もし第7戦まで持ち込めたら、全てについてしっかり話し合うことになるだろう」と、デーブ・ロバーツ監督は語る。

ロバーツ監督と大谷は、ワールドシリーズの残りの試合で登板できるかどうかについてまだ詳細を話し合っていないが、ワールドシリーズで初めてマウンドに立った直後から、大谷は次にいつマウンドに立てるかを考えていた。第4戦の試合後会見で大谷は「もちろん全試合、必要であれば準備したいですし、きのうみたいに延長戦に入ってなかなか決まらない試合もあると思うのでいつでもいけるように準備したいです」と語っている。

大谷はメジャーリーガーとしてリリーフ投手を務めた経験はない。しかし、2023年ワールドベースボールクラシック(WBC)でマイク・トラウトから三振を奪い、日本代表を優勝に導いたことは記憶に新しい。そのため、慣れない役割ではあるが、大一番での経験を積んでいると言えるだろう。

レギュラーシーズンでも懸念されていたブルペン陣は、ポストシーズンでも不安定なパフォーマンスに終始。佐々木朗希(23)のみが唯一安定した投球を続けているが、そこへの橋渡しが課題となっている。

第3戦では2イニングを無失点に抑えたエドガード・エンリケスを、第5戦ではピンチの場面で投入したが、エンリケスは3人の打者を1人も打ち取れなかった。一方で、3試合連続で不安定だったブレイク・トライネンは無失点で抑えるなど、ブルペン陣のパフォーマンスは予測できない。

いずれにせよ、ワールドシリーズはトロントの第6、7戦で決着する。大谷は先発登板をすることはないだろう。ただ、状況が許す限り、大谷のリリーフ登板はメリットしかない。

ロバーツ監督は言う。

「もちろん、敗退の危機に直面しているなら、そういう話し合いは必要だ。だから、明日勝つために何でもするつもりだ。失点阻止の面でも、そして得点を生み出す面でも、全力を尽くすつもりだ」