ジャイアンツとのシリーズ第2戦で、大谷翔平に待望の一発が飛び出した。
「大谷、スランプか」
二刀流の打撃を不安視する声も出始めていた中、この試合では本塁打に加えて単打も放ち、復調の兆しを感じさせた。
とはいえ、シーズン全体の数字を見れば、まだ本来の状態とは言い難い。5月12日終了時点での成績は打率.233、6本塁打、OPS.767(リーグ 71位)で、リーグのトップ層と比べると差は明確だ。ア・リーグMVPのアーロン・ジャッジは16本塁打、OPS1.035と圧倒的な数字を残している。またドジャースではマックス・マンシーがOPS.943で大谷を大きく上回る。
特に直近15日の数字は、打率.143、長打率.238、OPS.532と低迷。本塁打こそ飛び出したものの、完全復調と断言するには、まだ材料が足りない状況だ。
不振の原因について、MLB.comのデビッド・アドラー記者は「以前よりも、ストライクゾーンの高め・内角寄りの速球をかなり振らなくなっている。振らないこと自体は悪くないが、ゾーン内のスイングも減っていて、結果的にそこを打てていない。昨年はその“インハイの速球”で大きなダメージを与えていた。そこは明らかに修正ポイントだと思う」と分析する。
実際、今季はフォーシームへの対応に苦しんでいる。打率.178、長打率.267と、昨季の打率.259、長打率.602から大きく数字を落としている。勝負を避けられているわけではない。昨季なら積極的に仕留めていた高めの速球を見逃す場面が増えている。
速球に加えて、カーブへの対応も苦戦している。昨季は打率.304、長打率.580と得意にしていたが、今季は打率.133、長打率.133まで低下している。
さらにアドラー記者は、もう一つの変化を指摘する。
「全体的にかなりスイング数が減っている。高めのボールを追いかけなくなったことが大きいと思う。でも、それが理由で振れていないのかは分からない。変化球を強く意識しすぎて、速球への対応が遅れているのかもしれない」
アドラー記者が指摘するように、今季は全体的にスイング数が減少している。昨季13.7%だったストライクの見逃し率は今季16.5%まで上昇。ボール球への反応が減った一方で、昨季なら積極的に振っていたストライクゾーン内の球まで見送る場面が目立っている。
スイング数の減少や、昨季は得意としていた高め速球を捉え切れていない理由は分からない。変化球への意識、投手側の攻め方の変化、あるいは打席内でのわずかなタイミングのズレ。複数の要素が重なっている可能性がある。
それでも、大谷はこれまでも修正を繰り返しながら結果を残してきた。この日の一発をきっかけに、本来の打撃を取り戻せるか。復調への兆しとなるか注目だ。