今オフ注目の7つのポイント:スクーバル争奪戦、村上に続く日本人スターは?

November 1st, 2026

ワールドシリーズの余韻もまだ冷めやらない中、野球界はすでにオフシーズンの戦いに入った。

今オフは、12月1日に期限を迎える労使協定(CBA)の行方も大きな注目を集めそうだ。5年前、前回のCBA失効が迫るなか、コーリー・シーガー、マックス・シャーザー、ケビン・ゴーズマンら大物FA選手が複数年契約を結んだ。今年も11月下旬に大型契約が相次ぐのか、注目される。

そんななか、これから本格化するストーブリーグで押さえておきたい7つのポイントを紹介しよう。

1. スクーバル争奪戦

今オフのFA市場で最大の注目選手といえば、タイガースとドジャースでプレーし、2026年も素晴らしいシーズンを送った2年連続ア・リーグのサイ・ヤング賞投手、タリック・スクーバルだ。

スクーバルは2023年に復帰以降、103試合に先発して50勝20敗、防御率2.47を記録。2022年に受けた肘の手術からシーズン途中に復帰した年以降、圧倒的な成績を残してきた。

今季は再び肘に問題を抱え、ナノスコープ手術という新しい術式による処置を受けたが、復帰後はすぐに本来の投球を取り戻している。

投手の史上最高額契約は、ドジャースと山本由伸が結んだ12年総額3億2500万ドル(約487億5000万円)。また、投手の平均年俸最高額は、シャーザーとジャスティン・バーランダーが記録した4333万ドル(約65億円)。スクーバルは総額で山本の記録を上回り、平均年俸でも最高記録に迫る契約を手にする可能性がある。

来年30歳を迎える左腕には、メッツ、ドジャース、タイガース、ブルージェイズ、カブスなどが獲得に乗り出すと予想されている。

2. クオリファイング・オファーの行方

今季のクオリファイング・オファー(QO)は、昨季の2202万5000ドルから引き上げられ、2315万ドル(約34億7250万円)に設定された。

シーズン中にトレードされた選手は対象外となるため、スクーバル、クレイ・ホームズ、フレディ・ペラルタ、ルイス・アラエスらには提示できない。一方、各球団はFAとなる選手にQOを提示するかどうか、判断を迫られる。

ランディ・アロザレーナと鈴木誠也は、提示されたQOを拒否する可能性が極めて高い。ライアン・ジェファーズ、ブランドン・ラウ、トレバー・ロジャース、エイドリアン・モレホン、デービッド・ベドナーについては、所属球団が慎重に検討することになりそうだ。

ジャズ・チザムJr.も判断が注目される選手の1人だが、ヤンキースはQOを提示しない方針だと報じられている。

なお、過去にQOを提示されたことがある選手には、再び提示することができない。マイケル・キング、ソニー・グレイ、ニック・マルティネス、グレイバー・トーレス、今永昇太、トレント・グリシャム、ブランドン・ウッドラフ、ザック・ギャレンらが該当する。

3. 選手オプション、球団オプションの決断

選手オプション、球団オプション、相互オプションは、いずれもワールドシリーズ終了から5日以内に行使するかどうかを決めなければならない。ホームズとキングは現行契約を破棄してFA市場に出ることを選択。一方、ボー・ビシェット、今井達也、コービン・バーンズ、ライアン・ヘルズリーは、現所属球団への残留を決断した。

相互オプションは両者が合意して行使する必要があるため、成立するケースは非常に少ない。2014年にカブスのアラミス・ラミレスが行使して残留して以来、両者が合意して残留した例はない。今オフはグレイやマイケル・ソロカらがFAとなる。

球団オプションでは、レイズがドリュー・ラスムッセンの2000万ドル(約30億円)、マーリンズがサンディ・アルカンタラの2100万ドル(約31億5000万円)のオプションを行使。ブレーブスもロナルド・アクーニャJr.(1700万ドル=約25億5000万円)とオジー・オルビーズ(700万ドル=約10億5000万円)のオプションを行使した。

一方、パドレスはニック・ピベッタの1400万ドル(約21億円)のオプションを破棄し、FAとなることが決まった。今後の判断が注目される球団オプションには、タイガースのドリュー・アンダーソン(1000万ドル=約15億円)やブルージェイズのマイルズ・ストロー(800万ドル=約12億円)もある。

4. 先発投手の補強に動く球団は?

FA市場にはスクーバル以外にも実績十分の先発投手がそろっている。

キングはパドレスとの契約に残っていた最後の2年間を破棄してFAに。ホームズ、ペラルタ、トレバー・ロジャース、グレイ、フォスター・グリフィン、マルティネス、今永、タイラー・マーリー、シェーン・ビーバー、ケーシー・マイズ、ロビー・レイらもFAとなる。

多くの球団が先発投手の補強を必要としているが、なかでも切実なのがカブスだ。今永、ホームズに加え、現役引退を示唆しているFAのゴーズマン、マシュー・ボイド、デービッド・ピーターソンを失う可能性がある。

ジャイアンツ、タイガース、メッツ、ブレーブス、パドレス、オリオールズ、ホワイトソックス、アスレチックスも先発投手の獲得に積極的に動くとみられる。

5. 村上に続く日本人スターは?

ホワイトソックスでメジャー1年目から存在感を示した村上宗隆に続き、今オフも日本のスター選手がメジャー移籍を目指す。

阪神の佐藤輝明は、2025年にセ・リーグMVPを獲得し、今季は同リーグの三冠王にも輝いた。阪神がポスティングシステムを利用してメジャー移籍を認めるとみられる。2027年シーズンに28歳を迎える佐藤は、三塁と右翼を守れる選手だが、メジャー球団が最も評価するのは打撃力だろう。

一方、懸念材料となるのは三振の多さだ。佐藤はNPB通算3313打席で909三振を喫している。ただし、昨オフにメジャー移籍した村上も、移籍前から三振の多さを指摘されていた。

今オフのFA市場は、打線の中軸を担える打者が比較的少ない。ポスティングが実現すれば、佐藤は注目を集める存在となりそうだ。

6. トレード市場にも注目

戦力を強化する方法はFAだけではない。11月9日から11日までラスベガスで開催されるGM会議では、各球団の幹部が集まり、活発なトレード交渉が行われると予想される。

昨オフは、メッツがブルワーズからペラルタを獲得したほか、レンジャーズとの間でブランドン・ニモとマーカス・セミエンの交換トレードが成立。パイレーツはブランドン・ラウを獲得し、レンジャーズはマッケンジー・ゴアを補強。レッドソックスはグレイとウィルソン・コントレラスを獲得し、カブスはエドワード・カブレラを加えた。オリオールズもシェーン・バズとテイラー・ウォードを獲得している。今オフも同様に、大型トレードが成立する可能性がある。

今夏のトレード期限前に名前が挙がったC.J.エイブラムズ、スティーブン・クワン、ジョー・ライアン、ザック・ネト、ジェレミー・ペーニャらは、再びトレード候補として注目されるかもしれない。

マリナーズは打線強化のため、ローガン・ギルバートら先発投手の1人をトレードに出す可能性があるのか。カブスは先発投手を獲得するためにマット・ショーを放出するのか。マーク・ビエントスやジャレン・デュランのように、環境を変えることで復活が期待される選手が新天地を求める可能性もある。

7. 救援投手の補強

試合終盤を任せられる救援投手を探している球団にとって、今オフのFA市場は選択肢が豊富だ。

デービッド・ベドナー、モレホン、ピート・フェアバンクス、ライセル・イグレシアス、ブライアン・アブレイユ、ジェイソン・アダム、ホセ・アルバラード、アレックス・ベシア、ジョジョ・ロメロ、スティーブン・オカートらがFAとなる。

実績のあるクローザーから、セットアッパーとして安定した投球を見せる投手まで、顔ぶれは多彩だ。救援陣の補強を必要とする球団にとって、今オフは絶好の機会となりそうだ。

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