スクーバルがキャンプ地へ帰還 代表での経験に感銘

March 11th, 2026

11日(日本時間12日)の朝、ジョーカーマーチャントスタジアムのクラブハウスはほぼ閑散としていた。タイガースは車で3時間離れたフォートマイヤーズで試合を行っており、遠征に参加していない選手たちは休養日だった。しかし、タリック・スクーバルにとっては仕事に戻る時間だった。

スクーバルはブルペンのためにバックグラウンドへ向かい、その後クラブハウスに戻った。7日(同8日)にはアメリカ代表としてイギリス戦に登板し、9日(同10日)のメキシコ戦をダグアウトで観戦した後、10日(同11日)にはスプリングトレーニングに戻り、アメリカがイタリアに敗れる様子を固唾を呑んで見守った。

「スプリングトレーニングのスケジュールに戻らないといけない。一日は朝6時から始まるから」と、スクーバルは言う。

しかし、タイガースのローテーションに復帰し、開幕に向けて準備を進める今、スクーバルはキャンプ地を去った時とは投手としても人間としても別人になっている。ワールドベースボールクラシックで得た経験は、スクーバルを永遠に変えたのだ。

「素晴らしい経験だった。あの部屋を覗き見していただけでも、私のキャリアに良い影響を与えただろう。様々な選手たちと会話を交わし、選手たちの準備やスカウティングの様子を見守ることができた。彼らの行動すべてが彼らを偉大にし、私自身もより良い自分になりたいという気持ちにさせてくれる。彼らを見るのは、本当に特別な経験だ。彼らの取り組み方、準備の仕方は、本当に素晴らしい」

「バスから降りて、もう午前1時なのにチームメートは翌日の先発投手の映像を見てる。それでもう僕は『最高だ。これが野球だ』と思う。全員に共通の目標がある。少なくとも、僕のキャリアに良い影響を与え、もっと模範を示していくのに役立つと思う。ワールドシリーズのようなことをここで達成しようとするなら、そういった姿勢が不可欠だし、素晴らしいことだと思う。こういった大好きだよ」

スクーバルはワールドベースボールクラシックに留まるために、ありとあらゆるアイデアを考えた。しかし、スクーバルとタイガースのAJ・ヒンチ監督がどんな解決策を思いついても、ワールドベースボールクラシック決勝から開幕戦まで9日間しかないという問題に帰着した。

「開幕まであと9日なのに、その決断で開幕戦を欠場することになったら、誰かを出場させるためにスケジュールを調整しなければならなくなり、チームにも影響が出てくる。たくさんの情報を調べて計画を立てようとするうちに、やりすぎだと感じた。この試合に出場したい、早く試合に出場したいという気持ちはあったが、最初からこれが計画だった。そして最終的に、キャンプに戻ってくることを決めたんだ…」

「開幕日までに1日追加しようとしたんだ。『(3月)25日って2回あってもいいかな?』って思って。それが今やろうとしていることなんだ。閏年みたいなもの。追加できる日があるかな?」

母国アメリカの代表としてチームUSAで投球した経験が、スクーバルに再び挑戦への意欲を抱かせた。2024年のポストシーズン中に熱烈なブーイングを浴びたヒューストンのダイキンパークのフィールドを歩き、ウォーミングアップを始めるために外野へ向かう際に自分の名前が叫ばれるのを聞いたことは、決して忘れられない思い出となるだろう。この経験全てが、機会があればもう一度挑戦したいという気持ちを抱かせている。特に、2028年にロサンゼルスで開催されるオリンピック野球競技にメジャーリーガーが参加することになれば、なおさらだ。

「もちろん。参加する。タイミングを見計らって、健康で体調も万全に整えれば、絶対に参加する」

それは野球選手としてのスクーバルを変えるだけではなく、他のスポーツの見方も変えた。

「冬季オリンピックを観ていると、『これがスポーツだなんてありえない』と思う。でも、誰かがそれをやっていて、人生を捧げている。本当に特別なんだ。感情が変わる。それをまだ理解していなかった。チームUSAのOBではなかったので、あの空間にいたことがなかった」

「『どこで練習するんだ?どんな準備をするんだ?』って思うような、マイナーなスポーツってあるよね。でも、その選手たちもそこに全てを捧げているし、そういう人たちに対しては尊敬しかない。僕もデトロイト・タイガースで同じことをしているしね。チームUSAでプレーできるって、本当に特別なことなんだ」

今は、14日(日本時間15日)にダニーデンでブルージェイズと対戦する準備を整えている。

「スプリングトレーニングの試合に出場するのに、特に問題を感じたことはあない。その点に関しては、全く問題ないと思う」

スクーバルは、元タイガースで同じく複数回サイ・ヤング賞に輝いたマックス・シャーザーとマッチアップすると聞いた時も、まったく問題を感じなかった。

「ああ、やってやろう」と、スクーバルは語った。