日本人右腕の今井達也がアストロズとの契約に合意したことを受け、MLBインサイダーのマーク・フェインサンド記者に、この動きが残りのフリーエージェント(FA)市場にどのような意味を持つのか解説を求めた。
今井の獲得競争に参加していた可能性があり、今後は他へ目を向けざるを得ないチームはどこか
数多くの球団が程度の差こそあれ今井に興味を示していた。アストロズに次いで最も積極的だったのはカブスのようだ。しかし、だからといってシカゴ(カブス)が他のトップFA先発投手にターゲットを切り替えるとは限らない。レンジャー・スアレスやフランバー・バルデスは、今井よりもかなり高額な契約になると見られる。今井は今後3シーズン、出来高のボーナス次第で各年1800万ドル(約26億1000万円)から2100万ドル(約30億4500万円)を稼ぐ見込みで、2026年と2027年の終了後にオプトアウトが可能な条項が付いている。
カブスが先発ローテーションの補強を目指すのであれば、ザック・ギャレンが適任かもしれない。一方で、ルーカス・ジオリト、クリス・バシット、ザック・リッテルもフリーエージェントとして市場に残っている。
ドジャース、メッツ、ヤンキースが今井の獲得に本腰を入れていなかったことは、多くの人にとって驚きだった。なぜか
ドジャースとヤンキースにとって、先発投手に資金を投じる必要性は単純に存在しない。ドジャースは山本由伸、ブレイク・スネル、タイラー・グラスノー、大谷翔平、佐々木朗希を擁するローテーションを誇る。一方、ヤンキースにはマックス・フリード、キャム・シュリットラーがいる。さらに、シーズン序盤にゲリット・コールとカルロス・ロドンがケガから復帰するまでの間、戦線を支えるウィル・ウォーレン、クラーク・シュミット、ルイス・ヒル、ライアン・ヤーブローも控えている。
メッツは依然として先発投手を必要としているが、関係者によると、球団は今井を主力級の先発投手として評価しきれていなかった。
デビッド・スターンズ編成本部長は、投手との3年を超える契約を避けてきた。もしスターンズが今井のメジャーへの順応力に強い自信を持っていたなら、今井は理想的なターゲットになっていただろう。
市場にいるトップクラスの先発投手、具体的にはバルデスとスアレスは、より長期の契約を求める可能性が高い。そのため、スターンズがそのうちの1人に全力を注ぐのか、それともトレード市場など他へ目を向けるのかは不透明だ。
今井の契約はバルデス、スアレス、ギャレンらの市場にどのような影響を与えるか
今井の契約が3人の先発投手に大きな影響を与えることはないだろう。
強いて言えば、バルデスのアストロズ復帰の可能性がなくなったという見方を決定づけるだけだ。バルデスについては、いずれにせよ新しいチームと契約すると予想されていた。
投手を求めていた球団は、補強を継続している。今井は日本から来る未知数の存在。今回の契約条件が、現在の市場価格を変えることはないだろう。
特に、この冬はすでにディラン・シースがブルージェイズと7年2億1000万ドル(約304億5000万円)、マイケル・キングがパドレスと3年7500万ドル(約108億7500万円)で契約している。これらを考慮すれば、なおさら影響はない。
今井獲得後のアストロズ、次の動きは
アストロズのオフシーズンの大仕事は完了した。今井、マイク・バロウズ、ネイト・ピアソン、ライアン・ワイスと、4人の先発候補を獲得した。これでローテーションの後半を任せられる選択肢が広がった。
アストロズに残る補強ポイントは、控え捕手とリリーフ投手。ダナ・ブラウンGMは今後数週間で、この2分野の補強に動く見込みだ。
今井と村上宗隆の去就が決まり、NPBの大物選手はあと2人残っている。岡本和真と高橋光成。両選手の契約期限は、米東部時間の1月4日午後5時(日本時間5日午前7時)。最新情報は
パワーヒッターのコーナー内野手で、NPBオールスターに6度選出された岡本は、12月下旬にロサンゼルスで獲得候補球団や代理人のスコット・ボラス氏と面談を行っていた。
パイレーツ、レッドソックス、パドレス、マリナーズ、エンゼルスが岡本と関連付けられている。岡本は年下の村上よりも守備が良いと評価されている。メジャーでも現実的に一塁や三塁を守れるため、検討できる球団の幅は広い。
高橋の状況はより興味深い。関係者によると、高橋には少なくとも1球団からメジャー契約のオファーが届いている。しかし、28歳の右腕をメジャーへ移籍させるには不十分な可能性がある。
高橋は2022年と2023年にそれぞれ防御率2.20、2.21と素晴らしい成績を残した。2024年は0勝11敗、防御率3.87と後退したが、2025年は防御率3.04を記録した。
今井と同様、高橋も西武ライオンズからポスティングされた。両投手がメジャーに移籍すれば、ライオンズは主力投手2人を失うことになる。
今井のアストロズ入りが決まった中、高橋は西武と新たな契約を結んで日本復帰を決断する可能性がある。契約にはオプトアウト(契約破棄)条項が含まれ、2026年オフはポスティングシステムではなく、制限のないフリーエージェントとして市場に戻ることが可能になる。
大規模なMLB球団からの駆け込みオファーがない限り、これが高橋にとって最も現実的なシナリオになり得る。2026年に好成績を残せば、1年後の高橋の価値は大幅に高まるからだ。
