プレミア12王者の台湾代表 今大会でも躍進なるか

February 6th, 2026

前回2023年のワールドベースボールクラシック(以下、WBC)では、台湾代表の打撃コーチとしてチームを支えた曾豪駿氏が、今大会では指揮官として再び国際舞台に立つ。

「笑顔はあまり見せないようにしています。責任が増えた分、常にポーカーフェイスで臨んでいます」と、12月のMLBウィンターミーティングで曾豪駿氏は通訳の林健廷を通して語った。

新たな姿勢は、2024年11月のプレミア12大会で早くも成果を見せた。曾豪駿氏の指揮のもと、台湾代表はシニアレベルで初の金メダルを獲得。3月のWBCでも感情を表に出さず冷静に臨むことだろうが、チームは間違いなくこの勢いに乗って大会に挑む。

2023年の母国開催大会では惜しくも惜敗に終わった台湾だが、今回は高い期待を背に、強豪揃いのプール戦を勝ち抜き、2013年以来のプール突破を目指して東京へ向かう。

2023年大会のパフォーマンス

台湾代表は、母国のファンで埋め尽くされた熱狂のスタジアムで、波乱に満ちた2023年大会WBCを戦った。プールA初戦ではパナマに敗れたものの、続くイタリア戦では終盤に逆転勝利を収め、翌日のオランダ戦も制した。この勝利には、内野手で元メジャーリーガーの張育成の圧巻の活躍が大きく貢献した。

しかし、キューバ戦で大差の敗北を喫し、グループ戦を2勝2敗で終えることに。プール内の他チームと勝敗が並んだものの、タイブレーカーにより大会から姿を消した。

その結果、台湾は2026年WBC出場権を得るため、2025年の予選に臨む必要があった。世界野球ソフトボール連盟が世界2位と評価するチームにとっては意外な展開だったが、台湾は本線への切符を手に入れた。張育成は国際舞台で再び圧巻の活躍を見せ、打率.389、二塁打4本、本塁打1本の成績でチームを支え、2023年に届かなかった準々決勝進出へのチャンスを再びつかんだ。

2026年の大会日程

台湾代表の日程は2023年大会よりも格段に厳しくなる見込みだ。プールCには実力十分な韓国代表に加え、2023年WBCでMVPを獲得した大谷翔平を擁する王者・侍ジャパンも名を連ねる。そして全試合は日本・東京ドームでの開催となり、対戦相手にとっての“ホームアドバンテージ”も大きい。

それでも、曾豪駿監督とチームは、この挑戦を楽しみにしている。
「日本は世界トップクラスのナショナルチームです。侍ジャパンと対戦できる機会があること自体、本当にワクワクします。僕たちはただ、自分たちがプレーヤーとしてできることを全力でやるだけです」と指揮官は語る。

台湾代表のグループ戦は、3月5日ににWBSCランキング11位のオーストラリア戦で開幕。翌日には早くも侍ジャパンと対戦し、チェコ、そして韓国と対戦する。

歴代最高の大会成績

張育成は、2023年大会での圧倒的な活躍によって、次回WBCへの期待を大きく高めた。台湾代表としての出場機会を当初は辞退していたものの、いざ出場すると単なる消化試合ではないことを証明するかのように、打率.438、8打点、二塁打2本、本塁打2本をマーク。その中には、オランダ戦でチームの流れを一気に変えたグランドスラムも含まれる。この活躍で、張育成は所属グループのMVPに輝いた。

代表史に残るビッグゲーム(WBC/五輪/プレミア12)

今回、東京ドームで侍ジャパンとの対戦には、前向きな意味がある。台湾代表にとって最大の国際舞台での成功が、同じ相手、同じ会場で生まれた経験があることだ。

それまで、台湾代表の国際舞台での最高成績は、1992年オリンピックでの銀メダルだった。しかし、2024年11月24日のプレミア12大会・決勝戦で、連勝27試合中の侍ジャパンに挑んだ台湾は、予想を覆す大番狂わせを演じた。試合は4-0の完封勝利で、日本に2019年以来初の敗北を喫させ、ホームの観客を驚愕させた。

これまでプレミア12大会でメダルを獲得したこともなく、シニアレベルの国際大会で優勝したこともなかったが、この金メダル獲得で両方の偉業を達成している。

チームを支えるメジャーリーガー

ガーディアンズとマイナー契約を結んだばかりのスチュアート・フェアチャイルド、レイズに移籍した内野手の鄭宗哲、元ツインズ&レッドソックス外野手の林子偉が代表入り。

2022年ナ・リーグ新人王のコービン・キャロルにも招待を打診した。母親が台湾出身で縁のある選手だが、キャロルは最終的に辞退し、米国代表入りしている。

有望株のマイナーリーガー

将来有望なマイナーリーガーも名を連ねる。シカゴ・カブスの有望株第6位、ジョナサン・ロングはその一人。2023年ドラフト9巡目で指名されたロングは、昨年トリプルAアイオワで大きく成長し、打率.305、出塁率.404、長打率.479、ホームラン20本、二塁打23本、打点91を記録した。この活躍により、カブスのマイナーリーグ年間最優秀選手に選ばれている。

また、MLBパイプラインがタイガースの有望株第6位に挙げる李浩宇も名を連ねる。李浩宇はトリプルA初年度を終え、長打45本、打点61、OPS.748と好成績を残した。

注目のストーリー

台湾代表で注目すべきは、張育成が国際舞台で2023年大会の勢いを維持できるかどうかだ。大会屈指の強豪が揃うプールを突破するには、彼の活躍が不可欠となる。ただし、2023年のような母国ファンの後押しは期待できない中での戦いになる。

加えて、初めてWBCで指揮を執る曾豪駿監督が、高い期待を背負ったチームをどうまとめるかも大きな注目点だ。プレミア12での番狂わせ劇の後だけに、チームにかかるプレッシャーは大きい。しかし、指揮官はすでにチームを率いて金メダルという偉業を成し遂げており、その手腕は証明済みだ。

今大会の課題

台湾代表にとって最大の課題は、再び侍ジャパンに番狂わせを起こせるかどうかだ。プレミア12で日本を破ったチームには、2023年WBCのスター選手である大谷翔平や山本由伸は不在だったが、今回はリベンジに燃える日本との対戦となる。

さらに、2023年はプール突破をあと一歩で逃した台湾。今回は新監督の下で、結果を改善できるかが試される。ツェン監督にとって初のWBC指揮は大きな挑戦であり、13年ぶりのプール突破は容易ではない。

「このようなトップレベルの国際大会に関われることを本当にうれしく思います。私だけでなく、選手もコーチも全力で準備しています。世界中のファンに自分たちのベストを見せたいと思っています」と指揮官はまとめた。