ワールドシリーズを争う4球団以外を応援しているファンなら、ポストシーズンを追いながら、すでに来春にも目を向けているだろう。いつもより少し遅くまでポストシーズンの試合を見届けた夜には、FA選手の獲得、現実離れした大型トレード、そして応援する球団の有望株が一斉に飛躍するシーズンを思い描いているかもしれない。
今後の動向を考える中で、匿名を条件に取材に応じた環太平洋地域担当のスカウトに話を聞いた。今オフにポスティングシステムを利用する可能性がある選手について、数人を評価してもらった。
(注:韓国の大物選手の多くは来オフ以降にメジャー移籍する可能性が高いため、今月後半に配信予定の別のニュースレターで注目選手を紹介する。筆者は第1子誕生に伴う育児休暇に入る予定だが、その期間もニュースレターは配信される予定だ)
注目したいNPBのスター4選手を紹介する。
三塁手/外野手 佐藤輝明(27)
2026年成績(NPB): 打率.306/出塁率.383/長打率.609、39本塁打、106打点、8盗塁、68四球、164三振
年齢(2026年シーズン時点): 27歳
打席: 左打ち
移籍先候補: 文字通りどの球団でも戦力になり得るが、候補を挙げるならメッツ、フィリーズ、ヤンキース、ドジャース、マリナーズ、ジャイアンツ
メジャー移籍時期の見込み: 2027年
2026年のセ・リーグMVPに輝いた佐藤は、その後も勢いを落とさなかった。ワールドベースボールクラシック(WBC)では10打数3安打、二塁打3本、2打点と活躍。阪神に戻ると打率、出塁率、長打率をいずれも前年から伸ばし、NPB史上9人目の三冠王に輝いた。
打率.306、出塁率.383、長打率.609という成績は、投高打低の環境を考えればさらに価値が高い。今季のセ・リーグは1試合平均3.4得点で、MLBの4.48得点を1点以上下回った。
今回取材したスカウトも佐藤を高く評価し、「長打力のある左打者」であり、「大事な場面でも打てる」と評した。守備位置については三塁や一塁より外野が最適とみている一方、「守備にはある程度の柔軟性がある」とした。
先発投手 平良海馬(26)
2026年成績(NPB): 12勝5敗、防御率1.36、146回、141三振、45四球
投打: 右投げ
移籍先候補: ヤンキース、カブス、マリナーズ、エンゼルス、タイガース
メジャー移籍時期の見込み: 2027年
ここ数年、平良はNPBの打者を圧倒してきた。2023年以来となる先発ローテーション復帰を果たした今季は、さらにレベルを上げた。今オフの市場では、タリク・スクーバル(29)を除けば、球威や変化球の質はトップクラスとみられる。もちろん、西武がポスティングシステムの利用を認めることが前提となる。
90マイル台半ば(約153キロ)のフォーシームを軸に、カットボール、スライダー、チェンジアップ、そしてスプリットまで多彩な変化球を操る。
「力のあるフォーシームがあり、変化球も多い。データ分析にも非常に熱心です」
今回取材に応じたスカウトはそう評価した。
身長5フィート8インチ(約173センチ)と小柄なため、先発よりリリーフ向きと考える関係者も多い。今回のスカウトも同じ見方だ。
「リリーフだった時期の方が球速も出ていて、フォーシームも良かったと思います」
実際、この身長で先発として長いイニングを投げた投手は多くない。5フィート8インチ以下でシーズン100回以上を投げた投手は、1979年のフレッド・ノーマン(84)以降では、マーカス・ストローマン(35)だけだ。
それでも先発投手の需要は高い。山本由伸(28)も、大柄な体格がなくても一級品の球を操り、メジャーで成功できると証明している。平良を先発ローテーションで起用したい球団も出てくるだろう。先発へのこだわりが強ければ、起用法が移籍先を決める重要な要素になる可能性もある。
先発投手 伊藤大海(28)
2026年成績(NPB): 10勝10敗、防御率3.18、172回2/3、159三振、34四球
投打: 右投げ
移籍先候補: ジャイアンツ、ブルージェイズ、ブレーブス、タイガース
メジャー移籍時期の見込み: 2027年
伊藤が米国で広く注目を集めたきっかけは、2023年のWBCだった。2回1/3を無失点に抑え、相手打線を圧倒。今春のWBCには、NPBでサイ・ヤング賞に相当する沢村賞の受賞者として臨んだ。
ただ、2026年は苦しい結果となった。WBCではベネズエラ戦でウィルヤー・アブレイユ(27)に勝ち越し本塁打を浴び、日本は敗退。ベネズエラが準決勝へ進んだ。NPBでも前年から成績を落とし、防御率3.18。キャリアで初めて、投球回を上回る被安打を許した。
伊藤は平良より身長が1インチ(約2.5センチ)高い一方、体重は40ポンド(約18キロ)軽く、メジャーではリリーフ起用となる可能性もある。
「先発では好不調の波が出るかもしれません。ただ、リリーフなら球速がさらに上がる可能性があります。前回のWBCではブルペンから登板し、94~96マイル(約151~154キロ)を出していました。球質も非常に良かったです」
今回取材したスカウトはそう評価した。
体格面を補う武器が、多彩な球種だ。Yakyu Cosmopolitanが紹介した通り、10種類以上の独特な握りと変化を使い分ける。
来季メジャーへ移籍した場合、伊藤は米国のファンにも伝えたいことがあるという。今春の取材でこう話している。
「米国を含め、世界中のファンに知ってもらいたいです。私はただ投げるだけではなく、マウンドで野球を楽しんでいます。興奮や喜びを表現することも好きです」
先発投手 髙橋光成(29)
2026年成績(NPB): 9勝6敗、防御率2.54、138回1/3、114三振、47四球
投打: 右投げ
移籍先候補: レンジャーズ、パドレス、アスレチックス
メジャー移籍時期の見込み: 2027年
昨オフにポスティングシステムを利用しながら日本残留を選択した髙橋は、現在FAとなっており、本人がメジャー移籍を決断すれば全球団と契約できる。ただ、今回紹介した他の投手と比べると、球威や球種の質で際立つタイプではない。フォーシームは90マイル台前半(約145~150キロ)。今季はカーブを使わず、ツーシームとスライダーの割合を増やした。
こうした投球スタイルから、メジャーではリリーフ起用が有力とみられる。それでも今回取材したスカウトは高く評価している。
「MLBでも間違いなく非常にいいリリーフになれると思います。変化球もメジャーで通用します」
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