数字で振り返る2026年ポストシーズン 驚きの記録11選

October 31st, 2026

2026年のポストシーズンは、記憶に残るプレーの連続だった。エースの圧巻の投球、スター打者の勝負どころでの一発、そして球史に残るような真っ向勝負もあった。Statcastのデータから、その名場面を数字で振り返り、今季ポストシーズンを象徴する11の記録を紹介していく。

1 チューリオのサヨナラ打

今ポストシーズンを象徴する一打だ。ブルワーズのワールドシリーズ制覇に最も大きな影響を与えたプレーでもある。

ナ・リーグ地区シリーズ第2戦、九回裏。2死満塁の場面で、ジャクソン・チューリオがパドレスの守護神メイソン・ミラーと対峙。若きスターは101.3マイル(約163.0キロ)の速球を捉え、打球速度109.5マイル(約176.2キロ)のサヨナラ打を放った。

投球追跡が始まった2008年以降、ポストシーズンで時速100マイル超の球をサヨナラ打にしたのは史上初。次に速かったのは、2009年のナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦でジミー・ロリンズが放った、99.5マイル(約160.1キロ)の球を打ち返したサヨナラ二塁打だった。

ミラーの投球からチューリオの打球、サル・フリーリックの本塁突入、そしてジャクソン・メリルの本塁送球まで、すべてがスピード感にあふれるプレーだった。

2 ミジオロウスキーがポストシーズンとワールドシリーズの最速記録を更新

今季、Statcastの球速記録を次々と塗り替えたジェイコブ・ミジオロウスキーは、ポストシーズンでも、その勢いは止まらなかった。ブルワーズのエースは、ポストシーズン初登板の初球で104.8マイル(約168.7キロ)をマーク。投球追跡時代におけるポストシーズン最速記録を更新した。昨年10月にメイソン・ミラーが記録した104.5マイル(約168.2キロ)を上回った。

さらにワールドシリーズでも、初球から103.5マイル(約166.6キロ)を計測。2016年にアロルディス・チャップマンが記録した103.2マイル(約166.1キロ)を超え、ワールドシリーズ最速記録も塗り替えた。

3 カミネロの長すぎるホームラン・ダイヤモンド一周のタイムは?

レイズの主砲ジュニオール・カミネロは、ポストシーズン初本塁打で圧巻の一発を放った。ガーディアンズの守護神ケイド・スミスから試合の流れを変える一発を叩き込み、タンパベイをワールドシリーズ進出へと導いた。

その後のパフォーマンスも、ホームランに負けないほど印象的だった。カミネロがダイヤモンドを一周するのにかかった時間は38.66秒。Statcastが計測を始めた2015年以降、ポストシーズン最長記録となった。ちなみにレギュラーシーズンも含めると、これを上回るのは今季9月にカミネロ自身が記録した40.65秒だけだ。

4 大谷翔平の鮮やかな一発

大谷翔平は8月18日を最後に、本塁打が出ていなかった。ブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦、一打が必要の場面で打席に立った大谷は、ついに本来の豪快なスイングを取り戻した。

ダスティン・メイの95.1マイル(約153.0キロ)のカットボールを完璧に捉え、右中間スタンドへ3ラン。打球速度は113.1マイル(約182.0キロ)、飛距離は428フィート(約130.5メートル)、スイングスピードも81.7マイル(約131.5キロ)に達した。この一発は、2026年ポストシーズンで2番目に打球速度の速い本塁打となった。

5 鉄壁のブルワーズ救援陣

ブルワーズの救援陣は、歴史に残るほど圧倒的なポストシーズンを戦い抜いた。名場面が多すぎて、一つに絞るのは難しい。

ワールドシリーズ制覇を締めくくったトレバー・メギルの投球も、その一つだ。88.6マイル(約142.6キロ)、回転数2823回転のカーブで三振を奪い、試合を締めた。

アーロン・アシュビーの活躍も見逃せない。18イニングを無失点に抑え、失点を10点防ぐ働きを見せた。投球追跡時代において、救援投手として最も価値の高いポストシーズンの一つとなった。とにかく、ブルワーズの救援陣ほど相手に得点を許さなかったチームはなかった。

6 ラミレスとハリス、地面すれすれの球を本塁打に

こんな低い球を本塁打にするのは簡単ではない。そもそも、スイングすることさえ難しい球だ。それでもホセ・ラミレスとマイケル・ハリス2世は、負ければ終わりの大一番で驚きの一発を放った。

ラミレスはア・リーグ地区シリーズ第5戦で、ホワイトソックスのショーン・バークが投じた地上わずか0.74フィート(約23センチ)のカーブをすくい上げての本塁打。ガーディアンズを勝利に導いた。

ハリスもナ・リーグ・ワイルドカードシリーズ第3戦で、フィリーズのアーロン・ノラが投じた地上1.11フィート(約34センチ)の速球を捉えて本塁打。ブレーブスを勝利に導いた。どちらも、ポストシーズンで本塁打になった球としては史上屈指の低さだった。

7 ラスムッセンとキング、打者を寄せ付けなかった球種

今季のポストシーズンでは、ノーヒットノーランに迫る投球が2度あった。レイズのエース、ドリュー・ラスムッセンと、パドレスのエース、マイケル・キングだ。

ラスムッセンはア・リーグ地区シリーズ第1戦でヤンキースを圧倒。キングもナ・リーグ・ワイルドカードシリーズ第1戦でカブスを封じ込めた。2人の球種はいずれも、打者にとって攻略困難なものだった。

ラスムッセンはヤンキース相手に、速球で50%、カットボールで41%、チェンジアップで56%の空振り率を記録。3球種すべてで40%を超え、試合では計23個の空振りを奪った。

キングもポストシーズンで球威を一段と高めた。得意のスイーパーはレギュラーシーズンに比べて球速が2.5マイル(約4.0キロ)、回転数が142回転上昇。平均84.5マイル(約136.0キロ)、2970回転を記録し、カブスから3三振を奪った。

8 ライリー、デュランの99.9マイルを一撃

ブレーブスはワイルドカードシリーズ第1戦、8回に1点を追う展開で、フィリーズの守護神ホアン・デュランを迎えた。後がない場面で打席に立ったオースティン・ライリーが、99.9マイル(約160.8キロ)の剛速球を捉え、逆転の3ランを放った。

ポストシーズンの8回以降に逆転本塁打となった打球としては、投球追跡時代で2番目に速い球を打ち返した一発だった。最速記録は、2020年のア・リーグ地区シリーズ第5戦でマイク・ブロソーがチャップマンの100.2マイル(約161.3キロ)を本塁打にしたものだ。

9 セール、100マイルの速球でハーパーを三振

ポストシーズン屈指の注目対決となった、ナ・リーグ・ワイルドカードシリーズ開幕戦のクリス・セール対ブライス・ハーパー。実はライリーの本塁打が出たのと同じ試合だった。

最初の対決でセールはギアを上げ、100マイル(約160.9キロ)の速球でハーパーから三振を奪った。37歳のセールにとって、100マイル到達は珍しい。100マイル超の速球で三振を奪ったのは、レッドソックスをワールドシリーズ制覇へ導こうとしていた2018年夏以来だった。

10 天敵シュリットラー、またしてもレッドソックスを圧倒

キャム・シュリットラーは、レッドソックスにとってポストシーズンの天敵だ。昨季、ヤンキースの宿敵を圧倒したア・リーグのサイ・ヤング賞最有力候補は、今季も同じ相手をねじ伏せた。

ヤンキースタジアムで行われたワイルドカードシリーズの先発登板では、10三振を奪取。ポストシーズン最多となる24個の空振りも奪った。

ローマン・アンソニーからは99マイル(約159.3キロ)の速球で三振。ウィルヤー・アブレイユには97.7マイル(約157.2キロ)のカットボールで空振り三振を奪い、トレバー・ストーリーには87.1マイル(約140.2キロ)のカーブで仕留めた。

11 シュワーバーとハーパー、連続弾の飛距離は合計865フィート

フィリーズの2人の主砲が、大一番で豪快なアーチを連発した。2点を追う8回、敗退の危機に立たされたフィラデルフィアを救ったのは、カイル・シュワーバーとブライス・ハーパーの連続本塁打だった。ブレーブスの救援左腕ディラン・リーから2者連続で一発を放ち、試合を振り出しに戻した。

2本の本塁打の飛距離は合計865フィート(約264メートル)。シュワーバーが447フィート(約136.2メートル)、ハーパーが418フィート(約127.4メートル)だった。シュワーバーの一発は、2026年ポストシーズン最長の本塁打となった。

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