【ブルージェイズ13-7ヤンキース】トロント/ロジャースセンター、10月5日(日本時間6日)
この試合をトレイ・イェサベージとその家族は一生忘れないだろう。
プロ4度目の先発が、ア・リーグ地区シリーズの第2戦。その大舞台で最高の投球を見せた。5回1/3を無安打、11三振。ヤンキース打線を圧倒した。本拠地の4万4000人超のファンは何度も立ち上がって、22歳右腕の快投を称えた。
大観衆の中には、父のデイブ、母のシェリル、兄のコールと、イェサベージ一家の姿もあった。ペンシルバニア州のポッツタウンから、カナダの地まで駆けつけた。
試合後、トレイは涙をこらえながら、家族への思いを語った。
「家族こそが自分の支えで、今こうしてここにいられるのは彼らのおかげだ。これ以上の愛情はありません。お母さん、お父さん、コール、そして大学にいるチェイス、愛してるよ」とイェサベージは語った。
経験豊富とはいえないが、イェサベージは自信に満ちている。試合前日の会見では、「自分はこの舞台のために生まれてきた」とコメント。その言葉を誰よりも信じていたのは家族だった。
母シェリルは試合中に地元メディアのインタビューに対して以下のように語った。
「正直、緊張はしていました。でも彼には何か特別なものがあるんです。きっとやれるって感じていました。昨日の『この舞台のために生まれてきた』という言葉が大好きです。本当にその通りだと思います」
父デイブも同じ気持ちだった。
「トレイには果たすべき使命があると分かっていました。メジャーデビュー戦のときも涙が出そうになりましたが、今回は違いました。彼ならできると確信していました」とデイブは語る。
「彼は本当に努力してきました。何年も前に裏庭に自作のピッチャーマウンドを作り、私がいない時も、兄弟がいない時も、一人で的に向かって投げ込んでいました。そんな彼がカナダのファンの皆さんに囲まれてプレーしている姿を見て、これ以上ない幸せを感じました」
ロジャースセンターの「カナダの家族」は大歓声で彼を迎えた。そして、何よりもいつでも変わらぬ愛情を注ぐ本当の家族がいた。
