そんな2026年WBCに臨むアメリカ代表のプレビューをお届けする。
アメリカ代表・30人ロースター
投手陣
- デービッド・ベッドナー(右腕)
- マシュー・ボイド(左腕)
- ギャレット・クリービンジャー(左腕)
- クレイ・ホームズ(右腕)
- グリフィン・ジャックス(右腕)
- ブラッド・ケラー(右腕)
- クレイトン・カーショウ(左腕)
- ノーラン・マクリーン(右腕)
- メイソン・ミラー(右腕)
- ジョー・ライアン(右腕)
- ポール・スキーンズ(右腕)
- タリク・スクーバル(左腕)
- ゲイブ・スピアー(左腕)
- マイケル・ワカ(右腕)
- ローガン・ウェブ(右腕)
- ギャレット・ウィットロック(右腕)
内野手
- アレックス・ブレグマン(三塁)
- アーニー・クレメント(ユーティリティ)
- ポール・ゴールドシュミット(一塁)
- ブライス・ハーパー(一塁)
- ガナー・ヘンダーソン(遊撃)
- カル・ローリー(捕手)
- ウィル・スミス(捕手)
- ブライス・トゥラング(二塁)
- ボビー・ウィットJr.(遊撃)
DH
- カイル・シュワーバー
外野手
- バイロン・バクストン(中堅)
- コービン・キャロル(左翼)
- ピート・クロウ=アームストロング(中堅)
- アーロン・ジャッジ(右翼)
2023年大会のパフォーマンス
2023年大会のアメリカ代表は、連覇への大きな期待と注目を背負って大会に臨んだ。準々決勝ではベネズエラを下し、準決勝ではキューバを破って順調に決勝へ進出した。
しかし最終的には、日本の投手陣がわずかに上回った。最後は大谷翔平がマウンドに上がり、当時エンゼルスのチームメイトだったマイク・トラウトを空振り三振に仕留めて試合終了。アメリカ代表は3-2で敗れ、この結果はマーク・デローサ監督をはじめとするチーム関係者の胸に、今なお強く残っている。
2026大会のスケジュール
2026年大会に向け、アメリカ代表は3月3日にジャイアンツ、3月4日にロッキーズとエキシビションゲーム(いずれもアリゾナ州スコッツデールにて開催)を行った後、3月6日午後8時(日本時間7日)にヒューストンのダイキン・パークでブラジルとのプールB初戦を迎える。
その後、3月8日午前10時(日本時間)にイギリス、同3月10日午前9時にメキシコ、同3月11日午前10時にイタリアと対戦する。準々決勝に進出した場合は日本時間3月14日・15日に同じくダイキン・パークで開催され、準決勝と決勝は同3月16日から18日にかけてマイアミのローンデポ・パークで行われる。
WBCにおける最高のパフォーマンス
準決勝で日本を2-1で下した試合や、決勝でプエルトリコを8-0で圧倒し、悲願の初優勝を果たした試合も印象的だった。しかし、優勝した2017年大会において、最も強烈な印象を残した場面は、実は準々決勝で生まれている。
強豪ドミニカ共和国との一発勝負となった準々決勝。サンディエゴのペトコ・パークで行われたこの試合で、アメリカ代表は七回裏、4-2とわずかなリードを保っていた。そこにマニー・マチャドが放った中堅方向への大きなフライは、誰の目にもソロ本塁打になるかに見えた。
しかし、アダム・ジョーンズが必死に追いかけ、フェンス際でジャンプ。スタンドの観客に囲まれながらグラブを伸ばし、ボールをつかみ取った。この象徴的なビッグプレーに対し、当時オリオールズで同僚だったマチャドは、敬意を込めてヘルメットを軽く掲げた。頂点へと進むチームを大きく後押しするプレーとなった。
2026年ワールドベースボールクラシック
代表史に残るビッグゲーム(WBC/五輪/プレミア12)
アメリカ代表がWBCの決勝に進出したのは、2017年と2023年の2大会のみである。
アメリカ代表は1938年に初開催された野球ワールドカップ(当初はアマチュア・ワールドシリーズ)に初出場し、1973年、1974年、2007年、2009年の4度優勝している。WBSCプレミア12にはこれまで3度出場しているが、最高成績は2015年の準優勝にとどまっている。
夏季五輪には5度出場しており、唯一の金メダルを獲得したのが2000年大会。この時はプロ選手の参加が初めて認められたが、MLBのシーズン日程の都合で現役メジャーリーガーは参加できず、主に若手有望株やキャリア途中の選手で構成されたチームが、「ミラクル・オン・グラス」と称される快挙を成し遂げた。
チームを彩る主なMLBスター選手
まず注目すべきは主将アーロン・ジャッジだ。そこに、2025年ア・リーグMVP次点のカル・ローリーをはじめ、ブライス・ハーパー、ボビー・ウィットJr.、ガナー・ヘンダーソン、アレックス・ブレグマンといった内野陣、バイロン・バクストン、コービン・キャロルの外野陣、さらにDHのカイル・シュワーバーなど、実績十分の野手陣が名を連ねる。
しかし、最大の変化は投手陣にある。これまでは春季調整の時期と重なることもあり、トップクラスの投手を集めるのに苦労してきた。だが今回は、スクーバルとスキーンズが先発陣を牽引し、ローガン・ウェブやメイソン・ミラーといった実績十分な投手も名を連ねる。さらに、引退を表明し、将来の殿堂入りが確実視されるクレイトン・カーショウが一時的に復帰することとなった。
チームに含まれるマイナーリーグ有望株
昨季終盤にメジャーでブレークを果たしたメッツの右腕ノーラン・マクリーンは、形式上はまだプロスペクト(MLB Pipeline最新版トップ100の6位)に分類されている。しかし、今回のアメリカ代表は、将来性重視というよりも、実績を積み重ねてきたメジャーリーガーを中心に構成されているのが特徴だ。
注目のストーリー
テーマは「リベンジ」だ。2023年大会の敗戦、そして大谷翔平がマイク・トラウトを三振に仕留めて幕を閉じたあの瞬間は、監督(でありMLB Network解説者)のマーク・デローサの胸に今も深く残っている。
これまでのアメリカ代表は、春先の開催時期や投手起用制限の厳しさもあり、エース級投手の招集に苦しみ、その結果、戦力的に不利な状況で大会に臨むことが少なくなかった。しかし今回は違う。デローサとGMのマイケル・ヒルは、ポール・スキーンズとタリク・スクーバルを軸とした「絶対的な投手の柱」を求めていた。
日本、そして王座を阻むすべての相手を倒すための最良の布陣は整った。
勝負を左右するポイント
- スクーバル、スキーンズ、そしてローガン・ウェブは、シーズン序盤という難しいタイミングでベストの投球を発揮できるのか?3人はいずれも昨季、MLBで投球回数トップ10に入っており、コンディション管理が大きな鍵となる。
- 捕手のカル・ローリーとウィル・スミス、遊撃のボビー・ウィットJr.とガナー・ヘンダーソンといったとりわけ層の厚いポジションで、デローサ監督はどのように選手を使い分けるのか、球界屈指のスター選手たちをどのように併用するのか、要注目だ。
- 史上屈指とも言える豪華ロースターだが、負傷のリスクは常につきまとう。シーズン開幕に向けて選手たちが負荷を高めていくこの時期は、常に不安定だ。紙の上では完璧なチームでも、不運に見舞われることはあり得る。
- 何より、この超豪華メンバーが、大きな重圧と期待の中でどのようなパフォーマンスを見せるのか。それこそが最大の注目点だ。
