ロッキーズの右腕ビクター・ボドニックは、フロントオフィス特別補佐のビニー・カスティーヤに「母がメキシコシティ生まれなんだ」と何気なく話した一言がきっかけとなり、ワールドベースボールクラシック(WBC)のメキシコ代表に選ばれることになった。
そしてその一言のおかげで、ファンが大会の舞台裏を見ることができている。
2026年ワールドベースボールクラシック
コロラドでの2年以上のキャリアの中で、ボドニックは最速100マイル(約161キロ)を超える速球を武器に支配的な投球を見せてきた。グラウンドの上でも大きな存在感を発揮する右腕は、グラウンドの外でも、注目を集めている。自身のインスタグラムアカウント(@vodnik_11)を使い、大会の舞台裏を発信している。
「この体験をすべて共有できるのが楽しみだ」とボドニックは語った。
このSNSを活用した取り組みは、マルチメディアの才能を生かして野球界でのキャリアを築こうとしている元大学投手にもチャンスを与えている。
カリフォルニア・バプティスト大学とゴンザガ大学でプレーしたライアン・エルナンデス(@ryguys_visuals)は、カリフォルニア州にある投手育成施設「The Art of Pitching」で動画制作、ポッドキャスト、SNS運用を担当している。ここではプロからアマチュアまで、さまざまな投手のトレーニングと技術向上をサポートしている。
このWBCは、2人にとってキャリアを広げるためのプロジェクトになっている。
「自分はかなり現実的なタイプ。あのクラブハウスにいる選手たちを見ると、『自分がプレーできるレベルじゃない』って思うよ」とエルナンデスは語る。
「”The Art of Pitching”で初めてビクターと会った。彼が自分の仕事を見てくれて、話をする中で『スプリングトレーニングや、もしかしたらWBCにも来てみないか?』って言ってくれた」
まさかの提案に、迷うはずもなかった。
「もちろん、『マジで? ぜひ行きたいよ』って答えたよ」
ボドニックのインスタグラムで最も古い投稿は2018年のものだ。カリフォルニア州リアルト高校からブレーブスにドラフト14巡目で指名された年で愛犬タイタンと写る写真が投稿されている。その後は試合の様子や、娘のアリエルとローズとの写真などが時折投稿されてきた。そこから、2023年のトレードでロッキーズに加入し、9月にメジャーデビューしてからは投稿の頻度も増えている。
多くのアスリートと同様、ボドニックもSNSの使い方には慎重だ。投稿については、メキシコ代表チームとロッキーズのウォーレン・シェイファー監督の了承も得ている。その上で、情熱的なファンとWBCの楽しさを共有したいと考えている。
「野球は本来、楽しいゲームだ。クラブハウスに影響が出ず、ベテランたちも問題ないと言うなら、あとは本人の自由だ。スプリングトレーニングを楽しめばいい」とシェイファー監督は語る。
WBCで、ボドニックはメキシコの初戦となったイギリス戦で1回を無失点(2四球)に抑えた。メキシコの次戦は11日(日本時間12日)、ヒューストンでイタリアと対戦する。
ボドニックによれば、選手のSNS発信は通常、チームを通して管理されることが多い。彼自身はSNSのインフルエンサーになりたいわけではないが、今回は自分のアイデアを試す良い機会だという。
「これは自分のアイデアで、本当にいい機会だと思った。WBCは大きな舞台だし、舞台裏がどうなっているのか見るのはすごく面白い。だから、それを記録したいと思った」とボドニックは語った。
