ブルージェイズのポストシーズン進出の可能性が消滅した23日(日本時間24日)。通常ならそれが一日の最大のニュースになってもおかしくない。だが、ボルティモアでは別の話題が大きな注目を集めた。ブラディミール・ゲレーロJr.(27)が、最近のスペイン語インタビューで語った内容について説明したためだ。
ゲレーロはベロニカ・バティスタ氏とのインタビューで、期待を下回った今季について振り返り、ブルージェイズと結んだ14年5億ドル(約791億円)の契約延長にも言及した。
その中で、将来期待される活躍に対して報酬を受け取るという考えではなく、これまでブルージェイズで残してきた実績に対して報酬を得たという趣旨の発言をし、ファンから反発を招いていた。
ゲレーロはスペイン語で「みんなに1つ理解してほしいことがあります。僕が受け取ったお金は、これから何をするかに対してではありません。これまでやってきたことに対してです。毎年40本塁打を打つから払ってもらったわけではなく、これまで残してきた実績を評価してもらいました。そこを誤解している人もいます。でも、僕自身もファンと同じように考える時があります。『これだけのお金をもらっているのに、何もできていないじゃないか』と自分に言うこともあります。それでも努力しています」と語った。
ブルージェイズのポストシーズン進出の可能性が消滅したこの日の午後、この発言について改めて問われたゲレーロは、自身の考えを変えなかった。
通訳のエクトル・レブロン氏を介し、「後悔はしていません。自分が話した内容に嘘はありません。自分が具体的に何を伝えようとしていたか、理解しづらかったファンもいると思います。でも、あの発言が自分の率直な気持ちです」と説明した。
今回の一件は、ゲレーロとブルージェイズが5億ドル(約791億円)の契約延長について初めて交渉していた2025年のスプリングトレーニングを思い起こさせる。
当時は数日おきに、ゲレーロが出演したスペイン語のポッドキャストやテレビ番組が公開されていた。母国ドミニカ共和国の記者やインタビュアーとの対談も多かった。こうした発言を扱う際は、まず翻訳によって本来の意味を損なわないことが重要になる。その上で、いつ、どんな背景で語られた発言なのかを踏まえる必要がある。
例えば昨春は、そうしたインタビューの一部が収録から数週間後に公開され、ゲレーロ本人を含め、誰も想定していなかったほど議論が広がったこともあった。
今回については、数日後にゲレーロが改めて語った内容も、23日(同24日)のダブルヘッダー第1試合中にSNSで広まっていたバティスタ氏との最初のインタビューと、おおむね一致していた。ゲレーロは自身の発言について、なぜそう考えたのか説明を求められた。
「インタビューで、今季についてどう感じているか聞かれた時の発言です。当然、今季の結果には本当に失望しています。チームをポストシーズンへ導く手助けができなかったからです。あくまで自分の考えですが、選手はそれまでに残してきた実績を評価されて契約を得ると思っています。ただ、覚えておいてほしいのは、自分が昨季開幕前に契約を結び、その後はいいシーズンを送り、ポストシーズンでもチームのワールドシリーズ進出に貢献できたことです」と説明した。
今オフ、ブルージェイズにとって最優先課題はゲレーロを本来の打撃に戻すことだ。それだけ重要なテーマと言ってもいい。40本塁打以上を放つようなシーズンを送っていれば、今回のような発言も受け止められ方が違ったかもしれない。しかし、今季は9本塁打にとどまり、OPS.700を下回る水準で推移しているだけに、タイミングとしては厳しかった。
ジョン・シュナイダー監督(46)は「彼には計り知れない才能があります。それは誰もが分かっています。球界最高の選手の1人、あるいは最高の選手としてプレーしてきた姿も見ています。こういうシーズンも起こり得ます。ただ、私もスタッフも、そして本人も『そういう年だった』で済ませるつもりはありません。彼は不振から抜け出すために懸命に取り組み続け、新しいことも試し、準備の方法も変えながら毎日試合に出続けました。もちろん、球団が期待した結果でも、本人が期待した結果でもありません。今後も、この水準でいいとは球団も本人も考えていません」と語った。
