ペラルタはなぜメッツで苦戦したのか?

October 19th, 2026

こちらは、MLBのメッツ番、アントニー・ディコモ記者のニュースレターから一部抜粋・日本語にローカライズしたものとなっています。全文・購読登録はこちらより。

ア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)第2戦、フレディ・ペラルタはガーディアンズを6回無失点に抑えると、喜びを爆発させた。この日は、自己最速の99.4マイル(約160キロ)の速球を含め、キャリアでトップ5に入る球速を3度記録し、ポストシーズンで自己最長の先発登板を果たした。

3カ月前のトロントでの登板とは、まるで別人だった。そのときは4回5失点を喫し、フラストレーションを露わにしていた。苦しんだ投球はその試合だけではなく、オールスターに2度選ばれた右腕は、その期間の10度の先発で防御率6.89。トレード期限が近づいても、放出に見合うほど魅力的なオファーが届くかも分からないほど、不振は深刻だった。

「いい気分じゃない。でも、立て直して、修正しようとしている」とペラルタは、その時の登板後に語っていた。

そしてその言葉は、新天地のレイズで実現された。直近7度の先発で防御率0.81。プレーオフでも3登板で防御率0.79を記録しており、レイズの先発陣で重要な役割を担っている。

メッツにとっては、うれしい出来事ではない。獲得した際には、ファンも球団関係者もエース級の投手として期待を持って歓迎した。しかし、その期待に応えたのは、環境を変えたあとだった。

「ここ(レイズ)へトレードされたとき、感覚が変わった。なぜか、ここへ来たら、また自分らしさを取り戻せたんだ」とペラルタは10月13日(日本時間14日)の登板後に語った。

メッツは、この一件をただの汚点として片付けるわけにはいかない。なぜ移籍してからこのように明確に変化したのか、同じ事態を防ぐにはどうするべきかを突き止めなくてはならない。

複数の球団幹部によると、ペラルタが新天地のタンパベイで取り組んだ修正は、メッツが求めていた内容と同じだった。本塁方向への動きを速めて速球の球速を上げること、腕の出る位置を高くすること、ストライクゾーンの上3分の1へ速球をより積極的に投じること、低めのチェンジアップを増やすことだ。

だが、ニューヨークでは、それらを十分に実現できなかった。一方でペラルタは、レイズのカイル・スナイダー投手コーチ、ホルヘ・モンカダ・ブルペンコーチ、さらにはブルペン捕手のチャーリー・バレリオの伝え方を、惜しみなく称賛している。

「タンパベイが独自のプロセスを通じて彼に実現させたことを、私たちは実現させられなかった。目標は同じだったと思う。ただ、彼が壁を乗り越えるところまで導けなかった」とデービッド・スターンズ編成本部長は語った。

シーズン終了後、スターンズ本部長と正式に監督へ就任したばかりのアンディ・グリーンは、コーチ陣の一部を変更しながらも、メジャーの投手コーチ陣はそのまま残した。ジャスティン・ウィラード投手コーチへの信頼がうかがえる。ペラルタへの指導は、ウィラードが積み上げてきた仕事の一つにすぎない。若手のノーラン・マクリーン、クリスチャン・スコット、ザック・ソーントンらに対しては、多くの成果を上げている。メッツのチーム防御率はメジャー17位で、2025年から順位を一つ上げた。

ウィラードら投手コーチ陣にとって、ペラルタの件は教訓を得る機会となる。選手に考えをどう伝え、チームの方針にどう納得してもらうか。そして不振に陥ったとき、特にメッツだからこそ、周囲の雑音をどう減らすかだ。

「メジャーの投手コーチ陣は、他の何人もの選手に対して、本当にいい仕事をしたと思う。その点には、とても満足している。フレディの場合は、壁を乗り越えるところまで導けなかった」とスターンズは語った。

ウィラードたちは、すべての問題に対する答えを持っているわけではない。それでも、今回の件から、少なくともいくつかの答えを得られただろう。