エンゼルスが、若手右腕ロドリゲス獲得のためにウォードをトレードした理由

November 21st, 2025

ゼネラルマネージャーのペリー・ミナシアンは、このトレードが難しい決断だったと認める。

テイラー・ウォードは2015年のドラフトで全体26位で捕手として指名されてから、複数ポジションを経験し、最終的には左翼に定着。過去5シーズンにわたり平均以上の打者として成長するなどチームにとって重要な存在だった。

しかし、最終的には重要なのは、将来の有望なエース候補であるグレイソン・ロドリゲスを獲得できるチャンスを見逃せなかった。ウォードはFAになる前の最後の年俸調停の年で約1300万~1400万ドル(約19億5000万円〜21億円)の年俸が見込まれるが、ロドリゲスは2027年まで年俸調停の対象外でさらに4年間、球団の保有権がある。つまり、実績のあるウォードは高額年俸が見込まれるが、ロドリゲスはまだ若く、チームが長期にわたって低コストで起用できる状態にある。

もちろんリスクも承知の上だ。

ロドリゲスはキャリア初期にケガに悩まされ、昨季は右肘の炎症、背筋の損傷、8月の右肘骨棘除去手術のため登板できなかった。一方、ウォードはタフな選手で、2024年は156試合、2025年は157試合に出場。2023年はデッドボールによる顔面骨折でシーズン終盤の2カ月欠場したが、それ以外はシーズンを通して出場していた。

ミナシアンGMとロドリゲスは、右腕投手が春季キャンプに間に合うと見込んでいる。ロドリゲス自身も、ここ数年のケガの原因は骨棘だったと語る。2026年には徐々に登板を再開し、ローテーションに大きな可能性をもたらす見込みだ。

26歳のロドリゲスは、ルーキーシーズン前にMLBパイプラインで全体2位の有望株と評価されていた。通算成績は防御率4.11、238回2/3で259三振、78四球。エンゼルスは、速球の平均が2024年に96.1マイル(約155キロ)に達し、カーブ、スライダー、チェンジアップも決め球として有効で、潜在能力の高さが魅力だ。また、身長196センチ、体重104キロの長身から繰り出される高いスリークォーターの腕の角度から、より打者に近いリリースポイントで投げている。

ロドリゲスはすでに投手コーチのマイク・マダックスや捕手のローガン・オホッピー、トラビス・ダーノー、外野手のマイク・トラウトと連絡済み。テキサス出身でレンジャーズやアストロズを見て育ち、マダックスは自分が初めて知った投手コーチだという。

ロドリゲスは、ここ数年のケガはフォームの問題によるものではないと考えているが、マダックスの経験を生かしたフォームの微調整は受け入れるつもりだ。

このトレードでエンゼルスの今オフの動きは注目を集める。資金を節約できたことで、来季の年俸総額は昨年より約4000万ドル(約60億円)減る見込みだ。ミナシアンは具体的な総額を明言していないが、ウォードの穴を埋める外野手補強にどう使うかが焦点となる。

さらにチームは先発投手の補強を目指し、ブルペンも課題。クローザーのケンリー・ジャンセンはFAで、三塁は負傷の多いのアンソニー・レンドンが契約最終年を迎える。センター外野手の補強も視野に入れている。

ジョー・アデルもトレードに出す可能性はあったが、ウォードを手放したばかりで可能性は低い。左翼の守備はアデルが回る可能性があり、トラウトとソレアが右翼を分担する見込みだ。ただし、両選手はケガの影響でフルシーズン出場は難しく、トラウトは左膝の手術済みのためDHになる予定。

チーム内ではブライス・テオドシオがセンター外野手の候補としており、グスタボ・カンペロ、マシュー・ルゴ、カイレン・パリス、さらにトッププロスペクトのネルソン・ラダ(チーム内有望株7位)が控える。チームは左打ちのベテラン外野手の獲得も狙っており、FAのセドリック・マリンズや、予算的に厳しいがコーディ・ベリンジャーも候補となる。

いずれにせよ、エンゼルスにとって今オフ最初の大きなトレードが成立し、チーム状況は大きく変化した。