【ドジャース6x-5ブルージェイズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、10月27日(日本時間28日)
延長18回、6時間39分。実質2試合分を戦った、ワールドシリーズ(WS)第3戦は野球ファンにとってボーナスのようなものだった。くしくも、7年前には、同じくWS第3戦、同じくドジャースタジアムでドジャースとレッドソックスが延長18回まで戦っていた。
そんな壮絶な試合で、新たな記録が続々と打ち立てられた。大谷翔平はまたしても歴史的な夜を過ごし、フレディ・フリーマンはまたしてもヒーローになった。
そんな夜に生まれた、11の歴史的な事実を紹介しよう。
再び18イニング
・見覚えのある光景だ。今回サヨナラ弾を放ったのは、マックス・マンシーではなくフリーマンだった。ちなみにフリーマンは昨年のワールドシリーズ第1戦でもサヨナラ満塁本塁打を放っている。ポストシーズンで2本のサヨナラ本塁打を記録したのは、デービッド・オルティーズ、カルロス・コレア、バーニー・ウィリアムズ、そしてフリーマンの4人のみ。そのうちワールドシリーズで2本放っているのはフリーマンだけだ。
・これでドジャースのワールドシリーズにおけるサヨナラ本塁打は通算4本となり、最多記録のヤンキースに並んだ。他球団で2本以上放っているチームは存在しない。
・こうした超長丁場の試合では、珍しい記録が生まれやすい。両軍で起用された投手は19人と、ポストシーズン史上最多。投球数は計609球で、2000年以降で最多となった。試合時間6時間39分は、2018年(7時間20分)に次ぐ歴代2位の長さ。そして37残塁はポストシーズン史上最多記録である。
・18回という長さは、ワールドシリーズのみならずポストシーズン全体でも最長タイ。興味深いことに、18回までもつれた過去すべての試合では最終回に本塁打が生まれている。それぞれ、2022年ALDS第3戦のジェレミー・ペーニャ、2018年WS第3戦のマンシー、2014年NLDS第2戦のブランドン・ベルト、そして2005年NLDS第4戦のクリス・バークである。
ショータイム
・大谷はこの試合で9度出塁し、ポストシーズン新記録を樹立。それまでの記録を3度上回った。エライアス・スポーツによると、これはMLB全体でも1試合最多出塁記録に並ぶ。レギュラーシーズンで9出塁を達成したのは、スタン・ハック(1942年8月9日)、ジョニー・バーネット(1932年7月10日)、マックス・キャリー(1922年7月7日)の3人しかいない。
・大谷は最初の4打席全てで長打を記録し、1906年ワールドシリーズ第5戦のフランク・イズベル以来、史上最多タイとなった。
・そのうち2本は本塁打で、今ポストシーズン3度目のマルチ本塁打。1ポストシーズンで3度のマルチ本塁打を放ったのは、大谷が史上初である。
・この試合は計12塁打(2本塁打、2二塁打)。これはナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦でも記録しており、1ポストシーズンで2度12塁打以上を記録した初の選手となった。通算でも2度達成しているのはベーブ・ルースのみである。
・その後、大谷は四球を5つ与えられ、そのうち4つは申告敬遠だった。ポストシーズンで1試合に4度の敬遠を受けたのは史上初で、しかもそのうち3度は走者なしの場面だった。走者なしで複数回敬遠されたのも史上初であり、WSで走者なしでの敬遠を受けたのは、2011年の第5戦でのアルバート・プホルス以来2人目である。
・これで今ポストシーズンの大谷の敬遠数は計8回。これは2011年のプホルスと並び歴代2位で、1位の2002年バリー・ボンズ(13回)に次ぐ記録である。
・さらに大谷の今ポストシーズン通算本塁打は8本となり、2020年のコーリー・シーガーと並んでドジャース球団最多記録に到達。ポストシーズン全体では、2020年のランディ・アロサレーナ(10本)に次ぐ歴代2位で、先頭打者としての8本塁打は史上最多である。
