新人右腕に手も足も出ず、ヤンキース早くもがけっぷち

本拠地での第3、4戦で逆転を狙う

October 5th, 2025

ブルージェイズ13-7ヤンキース】トロント/ロジャースセンター、10月5日(日本時間6日)

ヤンキースは初対戦となったブルージェイズの先発トレイ・イェサベージについて、できる限りのリサーチをしていた。独特のリリースポイントから繰り出される力強い速球と映像では捉えきれないほど鋭く落ちるスプリットが武器の右腕に対して、ヤンキースは「実際に見れば対応できる」と考えていた。

しかし、イェサベージはその予想を上回った。初回から挨拶がわりの3者連続三振。22歳の新人はまるで百戦錬磨のベテランのようにヤンキース打線を切り裂き、ロジャースセンターを熱狂の渦に巻き込んだ。2年連続のワールドシリーズ進出を目指すヤンキースは、早くもがけっぷちに立たされている。

ヤンキースの先発は、ワイルドカードシリーズで素晴らしい投球をしたマックス・フリード。今季MLBトップの19勝(5敗)を挙げたエース左腕に2戦目を託したが、ブルージェイズ打線の勢いを止められなかった。3回、8安打、7失点でノックアウトされると、2番手のウィル・ウォーレンがブラディミール・ゲレーロJr.に満塁弾を浴び、試合は”苦戦”から”屈辱”へと変わった。

ヤンキースに残された道は3連勝のみ。第3、4戦を本拠地ヤンキースタジアムで戦った後、第5戦までもつれれば、再び敵地トロントに遠征する。

残念ながらデータはヤンキースの味方ではない。今季、トロントのロジャースセンターでは9戦8敗。加えて、現行の5試合3勝制、2戦→移動日→2戦→移動日→1戦形式の地区シリーズでは、ホームで第1、2戦を勝利したチームが34回中、31回(91.2%)突破しており、そのうち20回はスイープ(3連勝)で決着している。

唯一の例外は2017年のア・リーグ地区シリーズで、ヤンキースがインディアンス(現ガーディアンズ)に逆転で勝利した時のみ。その時の再現を狙うが、ここ2試合でブルージェイズに23失点、奪った得点は8点と圧倒されており、流れをひっくり返す必要がある。

この日のヤンキースの得点は、イェサベージが降板してからだった。六回に2点、七回に5点を奪い一矢報いたが、あまりにも反撃が遅すぎた。数少ない光明は、ポストシーズンを苦手としているアーロン・ジャッジが2安打、2四球、1打点と復調の気配を見せつつあること。そのジャッジをかえしたコディ・ベリンジャーには2ランが生まれた。