数カ月前には、ダルビッシュ有(40)が再びペトコパークのブルペンに立つ姿を見られる保証はどこにもなかった。
しかし26日(日本時間27日)の早朝、開門よりかなり前の球場にダルビッシュの姿があった。約12人のチームメートやコーチ陣に囲まれながら、軽めのブルペン投球を行った。待ち望まれていた光景だった。
投球を終えた直後、ダルビッシュは、昨年10月に受けた右肘のインターナルブレース手術からのリハビリを続ける中、今回が本格的なブルペン投球としては2度目だったと明かした。
40歳の右腕は、自身の将来について何かを断言できる段階にはない。今は目の前のことに集中している。この日はマウンドから投球できたこともあり、終了後には自然と満面の笑みが浮かんだ。
ただし、今回の投球が現役復帰を決断したことを意味するわけではない。復帰時期の見通しが立ったわけでもなく、今季中に登板しないことはほぼ確実だ。それでもリハビリは前進しており、来季再びメジャーのマウンドに立つ可能性は残されている。
ダルビッシュは2023年シーズン前に結んだ6年契約をあと2年残しており、残りの契約総額は3000万ドル(約47億7400万円)となっている。昨オフには現役引退を考えているとの報道も出たが、ダルビッシュはすぐに否定。右肘のリハビリに専念し、その先でどこまで回復できるかを見極める考えを示していた。
「自分としてはしっかりリハビリをやり抜き、心身ともに試合で投げられるなと思えばまた一から勝負したいなと考えています」
当時、ダルビッシュは自身のSNSにこう投稿した。
それから7カ月が経過した現在も、将来についての決断は下していないものの、リハビリに取り組む姿勢は変わっていない。回復過程については、概ね予定通りに進んでいるという。
「復帰できそうには見える。あとは本人が復帰したいと思うかどうかだ」
パドレスのクレイグ・スタメン監督(42)は、ダルビッシュの現状についてそう見通した。
ダルビッシュは今季開幕から制限リストに入っている。自身のペースでリハビリを進め、チームを離れて家族と過ごす時間を増やすため、パドレスとの間で合意した措置だ。制限リスト入りした選手の契約上の保有権は所属球団に残る一方、球団に報酬(年俸)を支払う義務はない。
制限リストに入っているため、ダルビッシュは試合開催日にチームと行動をともにしていない。ただ、リハビリが本格化した現在は、試合開始よりかなり早い時間にペトコパークを定期的に訪れ、試合が始まる前には球場を後にしている。
ダルビッシュは、この世代を代表する投手の1人だ。レンジャーズ、ドジャース、カブス、パドレスでメジャー13シーズンを戦い、通算115勝93敗、防御率3.65、2075奪三振を記録。NPBでの93勝と合わせた日米通算208勝は、日本人投手として歴代最多となっている。
そして、さらに勝ち星を積み重ねる可能性も残されている。
