ついにこの時が来た。第7戦は、決して当たり前ではなく、毎年見られるわけではない。2023年はア・リーグとナ・リーグ、両方の優勝決定シリーズ(ALCS/NLCS=7回戦制)が第7戦までもつれたが、2021年、2022年、2024年には第7戦は1つもなかった。
両チーム合わせても第7戦を経験しているのはわずか1度のみで、1985年にブルージェイズがロイヤルズに敗れた時だけ。つまり、どちらかの球団が、初の「第7戦勝利」を祝うことになる。両チームとも、ワールドシリーズを渇望するファンに支えられ、すべてを懸けて戦う。考えるだけでも息が詰まる。
そんな第7戦の注目ポイントを3つ挙げよう。
ALCS第7戦:ブルージェイズ vs マリナーズ(3勝3敗)
米国東部時間 10月20日午後8時08分/日本時間 10月21日午前9時08分
マリナーズの先発4本柱のうち、誰かが意地を見せることはできるか?
このシリーズで好投したのは、意外にもブライス・ミラーのみで、それ以外の先発陣は崩壊している。今季のマリナーズを考えれば、これは想定外だった。今季に限らず、ここ数年は先発ローテーションこそがチーム最大の武器であり、打線こそが課題だった。
率直に言えば、マリナーズがこのシリーズを終わらせることができていない最大の理由は、この先発陣の不振にある。ローガン・ギルバートは防御率7.71、ルイス・カスティーヨは11.57、ジョージ・カービーは18.00。3人の4登板を合わせて、わずか13回1/3しか投げていない。(ブライアン・ウーは先発しておらず、リリーフで2イニング1失点のみ。)第7戦の先発はカービーが務め、ギルバート以外の先発投手と主力リリーフ陣は全員ブルペンで出番を待つ。
通常であれば、カービー、カスティーヨ、ウーを第7戦で起用できるというのは大きなアドバンテージだ。しかし、今シリーズは「通常」ではない。開幕前は誰もがマリナーズの投手力を称賛したが、今シリーズでは完全に影を潜めている。第7戦こそ、真の強みを発揮すべき時だ。でなければ、このオフは「本当に強みなのかどうか」という問いがつきまとうことになる。
勝負を決める「主役」は誰か?
このシリーズには、球界を代表する3人のスターがいる。ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.、マリナーズのカル・ローリー、そしてフリオ・ロドリゲスだ。3人とも今シリーズですでに決定的な違いを生み出しており、それぞれのチームの象徴的な存在となっている。ゲレーロJr.は今季開幕前に大型契約を結び、2025年の快進撃を牽引。ローリーは驚異の60本塁打を放ち、ロドリゲスはチーム再生の象徴そのものだ。
いつの日か、それぞれの本拠地に彼らの銅像が立つかもしれない。しかし、真の「伝説」が刻まれるのはこの第7戦だ。その銅像がどんなポーズを取るかは、この試合によって決まるかもしれない。
両チームのファンは自分たちのスターを信じている。最大の舞台で最も輝くのは、誰か。
天国か、地獄か
接戦のシリーズは、よく「どちらかが負けるのは惜しい」と言われる。まさにその通りだ。両軍は人生を懸けてここにたどり着いた最高峰のアスリートであり、ファンもまた夢を追い続けてここまで来た。しかし、いや、だからこそ、この試合で敗れるチームにとって、その喪失感は計り知れないものになる。
ブルージェイズとそのファンは、30年以上の空白を経てここまでたどり着いた。長年の再建の集大成が、いまここにある。一方、マリナーズは20年以上もプレーオフから遠ざかり、2001年のあの伝説的なチームですら頂点には届かなかった。そして、いまだに唯一のワールドシリーズ未出場の球団でもある。
この2025年のメンバーは、ブルージェイズファンが待ち望んだチームであり、マリナーズファンが待ち望んだチームでもある。第7戦の終わりには、どちらかのチームが人生で最も輝かしい瞬間を迎える一方で、もう片方は、手が届くと思っていた夢を目の前で奪われる。
片方は頂へ、もう片方は奈落へ。われわれが愛する野球というスポーツはこれほどに美しく、残酷だ。
