【ドジャース2-1ブルワーズ】ミルウォーキー/アメリカンファミリーフィールド、10月12日(日本時間13日)
ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS=7回戦制)第1戦は、目を疑うようなプレーと、今世紀屈指の投球が見られた。九回までは、それだけで十分と思えるほどの試合だった。
しかし、その後いつものようにブルワーズが粘りを見せ、あと一歩で同点、もしくはサヨナラのチャンスまで迫った。しかし、最終的にはあと一歩届かず、ドジャースが勝利。昨年のワールドシリーズ王者と今季のMLB最高勝率チームによる戦いは、今後も緊張感のある接戦が続きそうだ。
ここでは第2戦の注目すべき3つのポイントを紹介する。
ナ・リーグ優勝決定シリーズ第2戦:ドジャース対ブルワーズ(LAD1勝0敗)
試合時間:10月14日 午後8時8分/日本時間:10月15日 午前9時8分
ブルワーズ打線は山本を攻略できるか?
ブルワーズは強打のチームとして知られている訳ではない。しかし、第1戦のドジャース先発ブレイク・スネルは、仮に野球史上最高の打者たちを並べても無得点に終わっただろう。TBSの解説者ロン・ダーリングが「スネル相手では3ボール2ストライクが rally(反撃)だ」と評した通りの内容で、ブルワーズは、バットを持たずに打席に立っても結果は同じだったかもしれない。実際、スネルの投球で内野からボールを打ち出せたのはわずか3度だけだった。
幸いなことに、スネルは第5戦まで再登板できない。しかし不運なことに、第2戦のドジャース先発はレギュラーシーズン防御率2.49、被安打率がメジャーベストだった山本由伸(27)。第1戦のスネルに比べればまだチャンスがあるとしても、決して楽な相手ではない。
ブルワーズは地区シリーズでは5試合で22得点(打率.250、出塁率.328、長打率.425)と高い攻撃力を見せたが、その時の相手カブスには、スネルも、山本もいなかった。ただし、7月7日にミルウォーキーで行われた試合では、アンドリュー・ボーンの第1打席での3ランもあり、山本を初回でノックアウトしている。この経験は第2戦での反撃に向けて自信となるだろう。
佐々木朗希は立ち直れるか?
ドジャースがこのポストシーズンで先発陣に大きく依存している理由の一つは、シーズンを通して中継ぎ陣が不安定であり、特にプレーオフでその傾向が顕著だからだ。基本的にチームが信頼しているのは4人の先発投手と、先発からクローザーへ転向した佐々木朗希(23)、そして……それくらいしかいない。だが、これまで問題はなかった。それはひとえに佐々木の圧倒的な投球によるもので、13日の試合前までにポストシーズン4登板で計5回1/3を投げ、走者を1人しか許していなかった。
しかし、佐々木は第1戦で崩れた。2四球を与えた上にジェイク・バウアーズに痛烈な二塁打を浴び、ブレイク・トライネンに交代。ベテラン右腕トライネンも不安定で、満塁の場面で2ストライク2ボールからブライス・トゥランを三振に取るまで危うい場面が続いた。昨季はドジャースに欠かせない存在だったトライネンだが、今季2025年はレギュラーシーズン、そしてポストシーズンでも信頼を失いつつある。
それでもデーブ・ロバーツ監督がトライネンを投入したのは、佐々木の状態がそれほどまでに崩れていたからだ。中継ぎ陣の不安定さを考えれば、ドジャースの投手起用は”佐々木が試合を締める”ことを前提に成り立っている。これまで無敵に見えた佐々木だが、第1戦の投球はそうではなかった。次回以降、ロバーツ監督がどんな選択をするのか注目される。
あのプレーの衝撃から、まだ誰も立ち直れていないのでは?
このシリーズについて語るうえで、あのとんでもないダブルプレーに触れないことなどできない。物理にはあまり詳しくないのだが、仮に第2戦であのプレーが再び起きようものなら、宇宙が自ら折りたたまれてブラックホールに吸い込まれてしまうだろう。
私にとって、あのプレーの“影のヒーロー”は、レフトの外野審判チャド・フェアチャイルドだった。彼は(おそらく私やテレビで観ていた何百万人とは違って)中堅サル・フリーリックのグラブに当たったボールが壁に跳ね返っていたことを瞬時に見抜いたのだ。もし彼がそれを見逃していたら? 打者のマックス・マンシーをアウトと判定していたら? すでに混乱極まりないプレーが更なる大混乱に陥っていたことだろう。パット・マーフィー監督とロバーツ監督はいまだにグラウンドで抗議を続けていたかもしれない。
捕手ウィリアム・コントレラスが三塁へ走って塁を踏んだ判断は、偶然の産物のように語られているが、実際は違う。今季ブルワーズがどうやってこの強さを維持しているのか、なぜMLB最高勝率を誇るのか、なぜチーム全体以上の結果を出せるのか。その答えがここにある。彼らは細かい部分を徹底し、正しいプレーを選択し、細部で優位を作り出している。大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマン、ブレイク・スネルのようなスターはいないが、ブルワーズにはそうした積み重ねがある。そしてそれこそが、今後も必要とされる力なのだ。
