MVPやオールスター級の選手をずらりと揃え、ポストシーズンで最初の10試合中9勝を挙げたドジャース。「このままワールドシリーズも圧倒的な強さで制するだろう」というのが大方の見方だった。ブルージェイズは、あたかもドジャースの栄光を彩る脇役のように扱われていた。
だが、その見方は完全に間違っていた。2-2の同点を破る六回の9得点、そして何より、一晩中立ち上がって声援を送り続けた観客の応援を背にブルージェイズがワールドシリーズ初戦を制して1勝0敗とリードを奪った。これでブルージェイズは、シリーズがロサンゼルスに戻る前にドジャースを窮地に追い込む絶好のチャンスを手にした。
以下は、25日(日本時間26日)に行われるワールドシリーズ第2戦の注目ポイントだ。
ワールドシリーズ第2戦
ブルージェイズは再びドジャースのブルペンを攻略できるか
第1戦では、8人がヒットを打ったブルージェイズ打線。何よりも印象的だったのが粘り強さだ。中継でも繰り返し使われた言葉は「grinding(食らいつくような)」。何球もファウルで粘り、球数を稼ぎ、六回にドジャース投手陣を攻略した。「先発を早く引きずり降ろす」戦略は常套手段ではあるが、ドジャース相手には特に効果的だ。
ドジャースがここまで圧倒的だったのは、先発陣がほとんど打たれなかったからだ。しかし、その完璧な先発陣の陰に隠れている最大の弱点が中継ぎの不安定さだった。そこをブルージェイズは見事に突いた。初回にブレイク・スネルに29球を投げさせ、結果的に六回無死満塁で降板に追い込んだ。そしてその直後、エメット・シーアンとアンソニー・バンダを立て続けに打ち崩し、接戦を一気にワンサイドゲームへと変えた。
第2戦でブルージェイズが対峙するのは、ナ・リーグ優勝決定シリーズで被安打3の完投勝利を挙げた山本由伸だ。容易な相手ではない。しかし、シリーズを通じた攻略方針は変わらない。山本にできるだけ多くの球を投げさせ、なるべく早くマウンドから降ろすこと。それが得点以上に重要となる。
ドジャースは勝負強い一打を放てるか
ブルージェイズの先発トレイ・イェサベージは決して本調子ではなかった。だが、メジャー通算わずか7試合の登板で「本調子」という言葉が使われるほどの実力を持つこと自体が例外であることは忘れてはならない。得意のスプリットをなかなか使わず、ドジャースには十分なチャンスがあったが、それを最大限には生かせなかった。4回を投げて4安打、3四球ながら失点はわずか2。何度もピンチをしのぎ、勝負所で踏ん張った。
確かに結果的に大敗となったドジャースだが、もし序盤にもう少し得点を重ねていれば、試合展開はまったく違っていた可能性もある。好調ではないイェサベージからわずか2点しか奪えなかったのは、痛恨だった。
第2戦でドジャースはさらに厄介な相手と対峙する。ALCS第7戦で救援登板して勝利を挙げ、今ポストシーズン防御率2.00を誇るケビン・ゴーズマンだ。13年のキャリアで初のワールドシリーズ登板を迎えるベテランは、イェサベージのような新人とは違う。トロントの地鳴りのような大歓声を背に、間違いなく全力投球で臨むだろう。
第1戦でブルージェイズ打線は一切の妥協を見せなかった。一方、ドジャース打線はあまりにも淡白だった。それこそが、勝敗を分けた最大の理由である。
ボー・ビシェットはこの勢いを維持できるか
9月6日以来の復帰戦となったボー・ビシェットにとって、第1戦はこれ以上ない出来だった。MLBで一度も守ったことのない二塁をそつなくこなし、難しい打球を巧みにさばく場面もあった。打撃でも2打数1安打に加え、六回には先頭打者で四球を選び、大爆発を呼び込んだ。
その四球の直後、ビシェットは代走と守備固めでアイザイア・カイナー=ファレファに交代。復帰初戦としてはこれ以上ない結果だったが、次の課題は第2戦でのコンディションだ。7週間ぶりの実戦で身体はどれほど回復しているのか。そして、ジョン・シュナイダー監督は今後も同様の起用を続けるのか。
シュナイダー監督は、ビシェットを健康に保ちながら打線に組み込み続けたいと考えている。第1戦では理想的に機能したが、舞台はワールドシリーズ。毎回こう上手くいくとは限らない。万全ではないビシェットでさえ、この打線を一段と脅威的にしていることは明白だ。しかし、まだ多くの不確定要素が残されている。
