ラッチマンが4安打5打点 “サイクル未遂”にチームメートが大騒ぎ

June 6th, 2026

オリオールズ13−3ブルージェイズ】トロント/ロジャースセンター 6月5日(日本時間6日)

アドリー・ラッチマンが4打数4安打5打点と打線爆発し、オリオールズ打線をけん引した。

圧巻だったのは九回の一打だった。打球速度104.6マイル(約168キロ)の鋭いライナーが右中間へ。一塁側ダグアウトからは「三塁打を狙え!」と大声援が飛んだものの、惜しくもサイクル安打達成まで三塁打が残った。

ラッチマンは 「絶対に無理だった(笑)。でもみんながあんなに騒いでいて面白かった」と笑いながら振り返る。

サイクル未遂に、三塁のコビー・メヨは、「無理に狙って凡退するのは避けたいのはわかるけれど、サイクルは特別だからね」と楽しげに話す。

オリオールズは、今季最多となる13得点を記録し、直近14試合10勝と好調を維持。シーズン成績も31勝33敗とし、5月初旬以来となる「借金2」まで戻している。

勝利の余韻とともに、サイクル未遂すら笑いに変える空気が今のチームの状態を象徴していた。

オリオールズは、昨季75勝87敗と低迷した。今季はなんとしてもそこからの復活を目指したが、5月20日時点では21勝29敗と借金8まで落ち込み、再び苦しいシーズンになる懸念も広がっていた。

だがそこからチームは反撃を開始。10試合連続の本拠地シリーズを7勝3敗で乗り切ると、敵地ボストンでも3連戦のうち2勝を挙げ、勢いそのままにこの日のトロント戦へ臨んだ。

ラッチマンは試合後、こう振り返る。

「いい打席を続けて、安打を重ねられたのが大きかった。投手が攻めていける環境を作れたと思う。全体的に良い試合だった」

試合が動いたのは六回。オリオールズはブルージェイズ先発トレイ・イェサベージの前に苦しみ、五回までは1点に封じられたが、六回にラッチマンの同点2点二塁打、ジェレマイア・ジャクソンの勝ち越しタイムリー、さらにコビー・メヨの2ランで、一挙5得点で逆転に成功した。

メヨはイェサベージの91球目をスタンドへ運んだ。

「序盤はいい投球をされていたけれど、五回までは粘れた。ミスが出るのを待っていた」

イェサベージは昨季ポストシーズンで強打者相手に本塁打を許す場面もあったが、今季は安定した投球を続けていた。

この勝利でオリオールズは直近14試合で10勝とし、再び勢いを取り戻しつつある。

コビー・メヨの今季8号本塁打(直近7試合で3本目)で3点のリードを奪うと、打線はさらに勢いを増し、八回に3点、九回にも4点を奪い、終盤で一気に試合を決めた。この日は計13安打を記録し、8選手が安打を放つなど、打線はつながりを見せた。

その中でも存在感を放ったのがラッチマンだった。

クレイグ・アルバーナス監督は「ラッチマンはこのリーグでも屈指の捕手であり、それを証明し続けている」と賛辞を送った。

ラッチマンはこの試合で、球団史上(1954年以降)3人目となる「5打点&5出塁」を達成。2012年のマット・ウィータース、1957年のガス・トリアンドス以来の記録となった。

さらに守備でも勝利に貢献した。二回には二盗を狙ったアンドレス・ヒメネスを刺し、盗塁阻止率を伸ばした。

サイクル安打には届かなかったものの、ラッチマンにとってはそれ以上に価値ある勝利となった。チームもまた、個人成績以上に勝利を重ね、ア・リーグ上位争いへと巻き返しを図っている。

メヨクラブハウスの雰囲気も上向いている。

「ここ最近は本当にいい野球ができているし、いい流れが続いている。楽しいよ」とメヨは語った。