ブルージェイズvsマリナーズALCS第3戦、見どころ&予想スタメン

October 14th, 2025

マリナーズは歴史的快挙達成に手をかけて本拠地へ戻る。一方のブルージェイズは、このア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)をカナダに持ち帰るため、敵地で確実に勝たなければならない。

ALCSの開幕2連勝したマリナーズは主導権を握り、T-モバイルパークへ帰還する。そこは、タイガースとのア・リーグ地区シリーズ(ALDS)で投球ごとに歓声が渦巻いた、メジャーでも屈指の熱狂に包まれる舞台だ。

マリナーズの内野手ホルヘ・ポランコは「ファンの大きな声援を期待している。みんな(球場に)来てくれるはずだし、僕らにたくさんのエネルギーをもたらしてくれると分かっている。僕らを支えてくれるはずだ。あとは行って、戦い続けるだけ。戦い続けるだけだ」とホームでの第3戦以降を心待ちにしている。

球団史上初のワールドシリーズ進出まで、あと2勝。
マリナーズは、いま信念で満ちる街から熱烈な歓迎を受ける覚悟で本拠地へ戻る。
果たして、最後までやり切る力を持っているのか。

「やるべきことは分かっている」とマリナーズのダン・ウィルソン監督は語った。

「シリーズというのはそれぞれ独自の展開を見せるものだ。まだやるべきことがたくさんあるし、進むべき方向に集中し続けないといけない。ファンがその先へ導いてくれると信じている」

本拠地のアドバンテージを失ったブルージェイズだが、「カナディアン・インベージョン」と呼ばれる北からの大応援団がいる(マリナーズの本拠地シアトルはカナダとの国境近くのため)。チームが遠征するたび、何千人ものファンが各地へ駆けつける。

しかし、ブルージェイズが状況を覆すには、遠征応援団だけに頼るわけにはいかない。
シーズンを支えてきた長打力と投手層の厚さを、手遅れになる前に取り戻す必要がある。

「最初の2試合での(両チームの)違いは、こちらには長打が出ていないことだ。相手には出ている」とジョン・シュナイダー監督は分析する。

「いつ流れが変わるかなんて分からない。うまく運が向いて、長打力も戻ってくることを願っている」

先発投手は?

ブルージェイズ:シェーン・ビーバー(右投/4勝2敗、防御率3.57)
ビーバーはヤンキースとのア・リーグ地区シリーズでの登板では本調子ではなく、2回2/3を投げて5安打3失点(自責点2)。シリーズ唯一の敗戦を喫した。ただし、ブルージェイズがこの元サイ・ヤング賞投手を獲得したのは、まさにこうした舞台での先発を託すためであり、第3戦で再びチャンスを迎える。ヤンキース戦と同様に、この試合も敵地でのシリーズ初戦であり、大観衆が作り出すアウェーの熱気に包まれることは間違いない。

シーズン終盤、トミー・ジョン手術からのリハビリを終えて復帰したビーバーは素晴らしい投球を続けた。球速は手術前の平均をやや上回るほどまで戻り、精密な制球もすぐに取り戻した。しかし、マリナーズ打線はすでに粘りと長打力を兼ね備えた脅威を示している。今季限りでフリーエージェントとなるビーバーにとって、極めて重要な先発登板となる。

マリナーズ:ジョージ・カービー(右投/今ポストシーズン0勝0敗、防御率2.70)

ALDS第5戦(タイガースとの延長15回の死闘に勝利)では5イニング以上の好投。左の強打者ケリー・カーペンターの3打席目を迎え、過去の対戦成績を踏まえて66球で交代したが、それまではタリック・スクーバルと堂々と投げ合っていた。ALDS第1戦でも先発し、唯一の失点はカーペンターに浴びた2ランで、それが決勝点になった。

なお、カービーはブルージェイズとも因縁があるが、以前の10月の対戦は今とは状況が大きく異なる。当時は新人で、翌2023年にオールスター選出される前だったが、2022年のア・リーグ・ワイルドカードシリーズでブルージェイズと対戦し、プロ初のセーブを挙げてシリーズを締めた。すでにストライクを集中的に投げ込む一流投手としての実力を示していた。

カービーは右肩の炎症で約2カ月間離脱していたが、5月22日に今季初登板。その後は好不調の波がありつつも、ちょうど良いタイミングで調子を上げている。

予想スタメン

ブルージェイズ:
相手が右腕なので、ここまでのポストシーズンで見せた構成に近い打線が予想される。第2戦を腰の張りで欠場したアンソニー・サンタンダーも第3戦には復帰する見込みだ。

  1. ジョージ・スプリンガー(DH)
  2. ネイサン・ルークス(右翼)
  3. ブラディミール・ゲレーロJr.(一塁)
  4. アディソン・バージャー(三塁)
  5. アレハンドロ・カーク(捕手)
  6. ドールトン・バーショウ(中堅)
  7. アンソニー・サンタンデール(左翼)
  8. アーニー・クレメンテ(二塁)
  9. アンドレス・ヒメネス(遊撃)

マリナーズ:
ウィルソン監督はレギュラーシーズンを通じて打線に大きな変化を加えておらず、7月末のトレード期限後にメンバーがそろってからは特に固定されていた。ポストシーズンでもその傾向は続いており、変更点は相手投手の左右によるものだけ。タイガースの右腕投手陣と対戦したALDS時とほぼ同じ並びが予想される。

  1. ランディ・アロザレーナ(左翼)
  2. カル・ラリー(捕手)
  3. フリオ・ロドリゲス(中堅)
  4. ホルヘ・ポランコ(二塁)
  5. ジョシュ・ネイラー(一塁)
  6. エウヘニオ・スアレス(三塁)
  7. ドミニク・カンゾーネ(DH)
  8. ビクター・ロブレス(右翼)
  9. J.P.クロフォード(遊撃)

先発降板後の投手起用は?

ブルージェイズ:もしブルペンで疲労を感じている投手がいるとすれば、今ポストシーズン6試合すべてに登板しているルイス・バーランドだろう。それでもブルージェイズは、救援陣の主力をすべて温存できている。先発のクリス・バシットは第2戦で1回2/3を投げ、ジェフ・ホフマン、セランソニー・ドミンゲス、ヤリエル・ロドリゲスらの負担を軽減した。

レギュラーシーズン終盤を好調で終え、ヤンキースとの地区シリーズ第4戦ではブルペンデーを成功させたものの、マリナーズ戦からという最悪のタイミングで、その救援陣が失速している。

マリナーズ:ALCS第2戦は、先発ローガン・ギルバートが3回で降板したものの、大勝したおかげで、ウィルソン監督はアンドレス・ムニョス、マット・ブラッシュ、ゲイブ・スピアーという3人の主力リリーフ投手を起用せずに済んだ。14日(日本時間15日)の休養日を挟んで十分にリフレッシュできる状況だ。

一方で、リリーフの4番手格であるエドゥアルド・バザルドは13日(同14日)に2回で30球の緊迫した投球を強いられ、ここまで6登板で計8回を投げている。理想的な展開としては、先発カービーがある程度のイニングを稼ぎ、そこからムニョス、ブラッシュ、スピアーの3人につなぐ。

注目すべき負傷者は?

ブルージェイズ:
ボー・ビシェットは左膝の捻挫のリハビリを続けており、ALCSのロースターから外れた。復帰の可能性を探りながら、日々その動向が注目されている。しかも今季は、ブルージェイズの契約最終年。生え抜き選手ゆえ、その重みは大きい。

ネイサン・ルークスは第1戦で右膝に打球を当てて途中交代したが、検査結果は問題なく、第2戦にはスタメンに戻った。アンソニー・サンタンデールはブルージェイズの打者で最新の負傷者であり、第2戦の数時間前に腰の張りで直前に欠場となった。第3戦の出場可否は、シュナイダー監督が14日にシアトルで会見する際に明らかになる見込み。

他にはタイ・フランスが腹斜筋の負傷でシーズン終盤に負傷者リスト(IL)入りしたが、現在は回復済みで、ALCSのロースターから外れたのは戦略的判断によるもの。

マリナーズ:
ブライアン・ウー(胸筋の炎症)は13日の実戦形式の打撃練習での登板を終え、「すべて順調」と報告した。関係者によれば、17日のALCS第5戦での登板が想定されている。ただし、その計画はあくまで仮であり、今後の回復具合次第で変更される可能性もある。順調に進んだとしても、投球数は制限される見込みだ。通常シーズンであれば、マイナーでリハビリ登板を重ねて調整する段階だが、それは不可能な状況。それでもマリナーズは、9月19日にヒューストンで降板して以来投げていないこの2025年オールスター右腕を復帰時に最も勝利に貢献できる状態に仕上げたいと考えている。

調子の良い選手/良くない選手は?

ブルージェイズ:
ジョージ・スプリンガーは第1戦で本塁打を放ち、第2戦でも左翼フェンス直撃の二塁打を放つなど好調を維持している。さらに、13日の試合で4打数3安打のルークスも打撃の状態が良い。
しかし、それ以外のブルージェイズ打線は冷え込んでいる。ゲレーロJr.は、ヤンキースとのALDSで3本塁打9打点を記録した勢いをまだ取り戻せていない。打撃が沈黙しているアディソン・バージャー、そして最近やや内容が良化してきたアレハンドロ・カークの奮起が求められている。

マリナーズ:
チームメートはホルヘ(Jorge)・ポランコのことを、英語のファーストネームにかけてバリー・ボンズ(通算本塁打最多)になぞらえ「ジョージ(Jorge)・ボンズ」と呼び始めたと冗談を言っている。長打力のある二塁手ポランコは10月に絶好調で、直近3試合すべてで勝ち越し打点を記録している。カル・ローリーは2打数無安打だったが、2四球で2得点。打席での脅威を示した。
一方、調子が上がらないのはビクター・ロブレスでポストシーズン22打数3安打(打率.136)。1番のランディ・アロザレーナも31打数5安打(打率.161)。

ファンが知っておきたいこと

ブルージェイズ
・7戦シリーズで0勝2敗から巻き返した直近の例は、2023年NLCSでのダイヤモンドバックス(対フィリーズ)。初戦から2試合を本拠地で落としてから逆転した最後の例は、1996年ワールドシリーズでのヤンキース(対ブレーブス)。
・ALCS進出は2016年以来。ワールドシリーズ進出を狙うのは1993年以来。

マリナーズ
・ポストシーズン史で7戦シリーズを2勝0敗で先行したチームは93回中78回でシリーズ勝利(83.9%)。現行の2戦→移動日→3戦→移動日→2戦方式では、敵地で1、2戦を連勝したチームは28回中23回で勝ち抜けている。
・ロジャースセンターでのポストシーズン成績は通算4勝0敗(2022年WCシリーズの2連勝を含む)。
・トレード期限以降の本拠地成績はT-モバイルパークで38勝22敗(ALDSでの2勝1敗を含む)でリーグトップ。