MVP候補ウィット、史上初の3年連続「ハート&ハッスル賞」受賞

November 6th, 2026

ボビー・ウィットJr.の影響力は攻撃から守備、さらには走塁とあらゆる面に及ぶ。それはグラウンドの外にも飛び出し、そこでも一流の活躍を見せている。

6日(日本時間7日)、ロイヤルズのスーパースターは、MLB選手OB会(MLBPAA)の選ぶ2026年ハート&ハッスル賞を受賞した。2005年の創設以来、3度の受賞は初めてとなる。

「この賞をいただけて光栄です。これまでいただいた賞の中でも、特にうれしい賞の一つです。毎試合、自分の力を最大限に発揮し、持っているものを100%出し切ろうとプレーしています」とウィットはMLBネットワークに語った。

26歳の遊撃手は、2006、2007年に受賞した殿堂入り選手クレイグ・ビジオと並び、史上2人目の複数回受賞者となっていた。今回の3年連続受賞で、単独トップに立った。

MLBPAAが創設したハート&ハッスル賞は、野球への情熱を持ち、その価値、精神、伝統を最もよく体現する現役選手を表彰する。元選手で構成される委員会が30球団から各1人の候補を選び、ファン、OB、現役メジャーリーガーによる投票で最終的な受賞者を決定する。

目の前の一戦は、選手にとって162分の1だとしても、誰かにとっては初めての球場での観戦や、何カ月もお金を貯めてようやく叶った機会かもしれない。ウィットはそれを理解しプレーし続けており、それがこのような受賞につながるのだろう。

「(本拠地の)カウフマン(スタジアム)に来てくれるファンは特別な存在です。だからこそ、心を込めて、全力でプレーしています。誰が見てくれているか分かりませんから、グラウンドですべてを出し切ろうとしています」とウィットは語った。

ウィットはメジャーデビューから5年連続でロイヤルズの代表として候補に選ばれてきた。球界屈指の総合力を誇る選手として地位を築くとともに、クラブハウスや地域社会にも好影響を与えている。

2026年も、その活躍は続いた。143試合で打率.281、18本塁打、33二塁打、45盗塁を記録。FanGraphs算出のWARは7.0でア・リーグトップに立ち、メジャー全体でもカブスのピート・クロウ=アームストロング(10.6)に次ぐ2位だった。

さらに、デビューから5年連続で10本塁打、25盗塁以上を記録したメジャー史上初の選手となった。

守備も引き続き球界最高水準を維持した。StatcastによるOAA(平均的な野手に比べて防いだアウト数)はプラス24で、ア・リーグ1位、メジャー全体で3位だった。

グラウンドの外では、若い世代に野球を広める活動にも取り組んでいる。MLBの育成プログラム「MLB Develops」の出身者でもあるウィットは、2025年に現役メジャーリーガーとして初の「PLAY BALLアンバサダー」に就任。野球やソフトボールへの子どもたちの参加を後押ししている。

ウィット自身も幼いころ、ダスティン・ペドロイアやデレク・ジーターのプレーを見て育った。2人の野球への向き合い方は、ウィットの姿勢にも影響を与えた。

「高校で背番号17を着けていたのも、それが理由です。15と2を足した数字です」と二人のレジェンドについて語った。

「あの二人がグラウンドで全力を尽くす姿も、グラウンドの外での振る舞いも、見ていて素晴らしかったです」

アストロズのヨーダン・アルバレス、レイズのジュニオール・カミネロとともに、ア・リーグMVPの最終候補にも選ばれたウィットにとって、これでまた一つ栄誉が加わったことになる。MVPの受賞者の発表は12日に行われる。

シルバースラッガー賞でも、遊撃手部門の最終候補に名を連ねた。受賞すれば、ア・リーグの遊撃手としては2006~09年に4年連続で選ばれたジーター以来の3年連続受賞となる。

また、ゴールドグラブ賞の最終候補にも選ばれており、これも受賞すれば3年連続となる。

ただ、2027年を見据えるウィットは、自身のプレーの向上と、ロイヤルズのポストシーズン復帰に照準を合わせている。

従来の「5ツール」をそれぞれ磨くとともに、自ら「6つ目のツール」と位置づける精神面も高めたいと考えている。シーズンを通じて、心の強さを保つ力だ。

そして、それができるのはロイヤルズという組織の支えを受けているからこそだと語る。だからこそ、この地で優勝したいという思いは人一倍だ。

「そういう支えがあるから、ここは特別なんです。でも、もう何年かここで過ごしてきました。今は勝ちたい。プレーオフに戻って、優勝したい。本来いるべき場所に戻ることが、今の最大の目標です。それを僕たちの基準にしなければいけません。10月が終わる前に、自分たちのシーズンを終えたくありません」とウィットは語った。