【カージナルス5-1ブルワーズ】セントルイス/ブッシュスタジアム、9月21日(日本時間22日)
ブルワーズが、3年連続、過去5年で4度目のナ・リーグ中地区優勝を決めた。試合は敗れたものの、同時刻にカブスがレッズに敗れたことで優勝が確定。敵地のビジタークラブハウスでは、シャンパンとビールが飛び交った。
3年連続での歓喜の風景だが、ここまでの道のりは容易ではなかった。
2011年、球団史上2度目の地区優勝を果たした当時の二塁手リッキー・ウィークス(現アソシエイトマネージャー)はこう語る。
「僕らにとってあの優勝はワールドシリーズそのものだった。長く遠ざかっていたからね。イェリッチが言うように、毎年のプレーオフ進出や優勝は決して当たり前ではなく、すべてが特別。そして、その先を目指さなきゃならない」
今季、ブルワーズは「低評価」からスタートした。PECOTAの予測勝利数は80.2勝。開幕からヤンキースに15本塁打を浴び4連敗した時点で、多くの評論家から軽視されていた。しかし、5月24日時点で25勝28敗から一気に加速。8連勝、11連勝、球団新の14連勝と快進撃を続け、直近69試合で53勝を挙げる圧倒的なペースでメジャー最高勝率に躍り出た。
中心選手は「スター軍団」ではなく、若く評価の低い選手たちの集合体。WAR(勝利への貢献度を示す指標)でチームトップのブライス・トゥランは野手全体で29位、エースのフレディ・ペラルタも投手で15位にとどまる。それでもチームとしては走攻守全てで高水準を誇り、またしても地区王者の座についた。
正捕手ウィリアム・コントレラスは言う。
「簡単なことなんて一つもない。今季は序盤に負けが込んだから、なおさら特別だ。若い選手たちも『どうやってここまで来たか』を学べたと思う」
これでブルワーズは、地区シリーズ(5回戦制)へ直接駒を進める。初戦は10月4日、本拠地で行われる予定だ。
一方で課題も残る。
ウッドラフ、キンタナ、メギル、ホールと4投手が負傷者リスト入り。さらに過去のポストシーズンでは2018年NLCS第7戦以降、2勝11敗、シリーズ勝利なしと苦しんでいる。
パット・マーフィー監督は批判に反論する。
「『レギュラーシーズンは分かった。あとはプレーオフだ』なんて言う人がいるけど、そんな単純な話じゃない。野球は1試合で測る競技じゃないが、ポストシーズンは時に1試合で決まってしまう。ここまでの積み重ねを過小評価すべきじゃないんだ」
歓喜とともに、新たな挑戦へ。ブリュワーズは3度目の正直となるポストシーズン突破を誓う。
