今季ポストシーズンでドジャースは8試合を戦い、そのうち7試合に勝っている。このままの勢いなら、2年連続のナ・リーグ制覇へ突き進みそうな流れだ。
だが、ブルワーズのパット・マーフィー監督は「そう簡単にはいかない」と言う。
「終わったとは思っていない」とマーフィー監督。ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS=7回戦制)第2戦でドジャースに1−5で敗れた直後に語った。
「このチームを心から称賛している。ずっと言ってきたように、彼らが好きだ。どうやってここまで来たかも知っている。きっと立て直して、素晴らしい試合をすることに彼らは驚かないはずだ」
マーフィー監督は不利な数字も理解している。現行の2戦→移動日→3戦→移動日→2戦方式では、敵地で1、2戦を連勝したチームがシリーズを制する確率は88.9%に上る。しかも相手は連覇を狙う昨季ワールドシリーズ王者のドジャースだ。
それでも、ブルワーズは2025年のレギュラーシーズンで最も成功したチームだった。歴史の流れをドジャース側に不利に傾けられるとすれば、それはブルワーズだ。まずは16日(日本時間17日)の第3戦、ドジャースタジアムからだ。
「NLCSで2勝0敗だが、目標はワールドシリーズ制覇であって、敵地で2勝することじゃない」
ポストシーズン常連のキケ・ヘルナンデスは語る。
「相手がミルウォーキー・ブルワーズである限り、僕らは彼らに集中する。まだ何も成し遂げていない」と一戦必勝を強調した。
第3戦に向けて知っておくべき情報は以下の通り。
先発投手は?
ブルワーズ:未定
このポストシーズンでは、ブルワーズが試合前に先発投手を早めに明かすこと自体がニュースになっている。14日(日本時間15日)の時点でも第3戦の先発は「未定」とされていた。起用法はいくつかの選択肢がある。
実績のある左腕ホセ・キンタナが複数イニングを担う最有力候補だが、9月14日にふくらはぎを痛めて以来先発はなく、カブスとの地区シリーズ(NLDS)で救援登板した際も49球にとどまった。第1戦のようにオープナーを立ててからキンタナへ継投する案もあるが、打順上位に左打者が並ぶドジャース相手に得策かは微妙だ。
もう一つの選択肢は右腕ジェイコブ・ミジオロウスキー。カブスとのNLDS最終戦で4回を投げてから中4日で第3戦を迎える見込みだ。
ドジャース:右腕タイラー・グラスナウ(4勝3敗、防御率3.19)
少年時代からドジャースファンだったグラスナウにとって、NLDS第4戦の先発はまさに夢の舞台だった。フィリーズ相手に6回無失点と好投し、チームはサヨナラエラーでNLCS進出を決めた。
グラスナウは今季、右肩の炎症でレギュラーシーズンの約3カ月を欠場したが、7月に復帰。その初登板と2度目の登板はいずれもブルワーズ戦で、計11イニングを投げ2失点(自責点1)に抑えている。ただし、試合はいずれもドジャースが敗れている。
予想スタメンは?
- ジャクソン・チューリオ(RF)
- ブライス・トゥラン(2B)
- ウィリアム・コントレラス(C)
- クリスチャン・イェリッチ(DH)
- アンドリュー・ボーン(1B)
- サル・フレリック(CF)
- ケイレブ・ダービン(3B)
- ジェイク・バウアーズ(LF)
- ジョーイ・オルティス(SS)
ドジャース:
ホセ・キンタナがブルワーズの先発候補に挙がっているため、ドジャースは左腕対策のオーダーを組む可能性がある。その場合、テオスカー・ヘルナンデスを3番に上げ、フレディ・フリーマンを4番に回す見込みだ。マックス・マンシーがベンチスタートとなる可能性もあるが、ブルワーズがオープナーを起用した場合は先発出場する可能性もある。
- 大谷翔平(DH)
- ムーキー・ベッツ(遊撃)
- テオスカー・ヘルナンデス(右翼)
- フレディ・フリーマン(一塁)
- ウィル・スミス(捕手)
- トミー・エドマン(二塁)
- マックス・マンシー(三塁)
- キケ・ヘルナンデス(左翼)
- アンディ・パヘス(中堅)
リリーフ投手陣の構成は?
ブルワーズ:
ドジャースはブルワーズの投手陣のうち、ホセ・キンタナとジェイコブ・ミジオロウスキーを除く全員と対戦済みだ。左腕アーロン・アシュビーと右腕アブナー・ウリベはこのシリーズの2試合とも登板している。NLDS第5戦(対カブス)にさかのぼれば、ウリベは4日間で3度登板しており、そのうち2試合は複数イニングを投げた。ただし、第2戦のドジャース戦ではわずか11球のみの登板だった。
ドジャース:
山本の完投と移動日を挟んだことで、ブルペンはリフレッシュされた状態にある。佐々木がセーブシチュエーションでの最有力候補として定着しており、第1戦(アメリカンファミリーフィールド)では初めて不安定な場面もあったが、ここまで安定感は抜群だ。ブルワーズがこのシリーズで対戦したドジャース救援陣は、佐々木とブレイク・トライネンの2人のみ。アレックス・ベシアとエメット・シーアンも重要な場面で起用される見込みだ。
主な負傷情報は?
ブルワーズ:
チューリオはNLDSで右ハムストリング(太もも裏)を負傷していたが、現在はほぼ万全の状態に近いようだ。
ドジャース:
右手の骨に小さなひびがあるウィル・スミスはNLDSで先発復帰しており、今後も捕手として先発出場できる見込みだ。トミー・エドマンは、今季2度の負傷者リスト(IL)入りの原因となった右足首の状態を引き続き管理する必要がある。救援右腕タナー・スコットは負傷でNLDSのロースターから外れており、このためNLCSは出場資格がないが、ドジャースが勝ち進めば復帰の可能性がある。
好調・不調の選手は?
ブルワーズ:
クリスチャン・イェリッチは2018年NLCS第7戦(ウォーカー・ビューラーからの本塁打)以来、ポストシーズン15試合連続で打点なし。このNLCSでは7打数無安打、NLDS第3戦(対カブス)の二塁打以降は17打数無安打、11本のゴロアウトと5三振と苦しんでいる。
一方、チューリオは第2戦で放った本塁打がポストシーズン通算4本目となり、球団記録に並んだ。今ポストシーズンのOPSは.973と好調だ。
ジェイク・バウアーズもこのポストシーズンでOPS1.319と絶好調で、8打数3安打、長打2本をマークしている。
ドジャース:
テオスカー・ヘルナンデス、トミー・エドマン、キケ・ヘルナンデスが第2戦でいずれも2安打を記録し、NLCS序盤の好調を維持している。大谷翔平とアンディ・パヘスもそれぞれ適時打を放ち、不振気味の2人に流れを呼び込みたい。
ファンが知っておきたいこと
・同一シーズンで両リーグのリーグ優勝決定シリーズ(LCS)でビジターチームがいずれも2勝0敗で先行したのは今回が2度目。最初の例は1970年で、LCS導入2年目(当時は5戦制)。
・ドジャースはポストシーズンシリーズの初戦と第2戦で許した安打数が通算5本。これは歴代2番目に少ない記録に並んだ。
2019年NLCS ナショナルズ:4安打
2025年NLCS ドジャース:5安打
1906年ワールドシリーズ カブス:5安打


