WS第4戦、見どころ&スタメン

October 28th, 2025

ワールドシリーズ(WS)で延長18回までもつれる試合はそれだけでも異例だ。だが、ドジャース対ブルージェイズの第3戦をさらに特別なものにしたのは、ドジャースが6−5で勝利したその試合でポストシーズン新記録となる9度の出塁を果たした選手が、第4戦では先発投手としてマウンドに上がるという事実だった。

これがまさに大谷翔平(31)という、信じがたい存在だ。WS史上最長タイの激闘を終えたばかりの二刀流は、第4戦でブルージェイズに今季途中加入したシェーン・ビーバーと投げ合い、ドジャースを3勝1敗と優位に導こうとしている。ドジャースは2連覇まであと2勝。リーグ優勝決定戦(NLCS)第4戦で3本塁打、10奪三振した二刀流のスターが再びマウンドに上がる。チームの自信は最高潮に達している。

大谷は2本塁打、2本の二塁打に加え、5四球(うち4つが敬遠)で計9度の出塁を果たした。人間離れした活躍。さすがに疲労困憊だった。

それでも、大谷は登板スケジュールを一切崩さなかった。

「彼は完全に疲れ切っているよ」とデーブ・ロバーツ監督は第3戦後に語った。

「今夜は8回、いや9回も塁に出て、何度も走っていた。本人はすごくうれしそうだったけど、明日は予定どおりマウンドに上がる。準備はできているはずだ」

第3戦で19人もの走者を残塁させたブルージェイズは、大谷への対策を万全に整える必要がある。

第1戦ではドジャースの救援陣を打ち崩したものの、第2戦では山本由伸(27)に封じられ、第3戦では2度のリードを守れず敗戦。1993年以来となるワールドシリーズの舞台で、苦しい展開に追い込まれている。

それでもジョン・シュナイダー監督は、第3戦の長時間におよぶ痛い敗戦のあと、前向きな姿勢を示した。

「選手たちは常に正しいメンタルで戦っていた」と語った。

「今は夜も遅くなってしまっているし、明日また同じように戦わなければならないのは大変だが、このチームは準備ができている。ドジャースはワールドシリーズ制覇したのではなく、1試合勝ったに過ぎない。うちの選手たちは明日も必ず立ち上がる」

試合の日時と視聴方法
ドジャースタジアムで開催。

試合開始は東部時間午後8時/日本時間午前9時

放送:FOX

日本の放送:NHK 総合、SpoTV Now、JSports 3(18時30分より見逃し配信)

先発投手

ブルージェイズ:右腕 シェーン・ビーバー(4勝2敗、防御率3.57)
ここ数週間のブルージェイズの先発、救援陣の多くと同様に、ビーバーにとっても毎試合がキャリア最大の登板となっている。だが結果はやや波がある。ヤンキース戦では2回2/3、マリナーズ戦では3回2/3で降板し、それぞれ自責点2ながら、数字以上に苦しい内容だった。

一方で最高の投球だったのは、マリナーズとのア・リーグ優勝決定シリーズ第3戦だった。初回に苦しんだあと、ベンチに戻ったビーバーは仲間に「助けてくれ」と声をかけた。あの夜、自分の球が最高の状態だと感じており、それは実際に正しかった。今回も大谷とドジャースを相手に勝つには、あの時と同じような投球が求められる。

ドジャース:右腕 大谷翔平(1勝1敗、防御率2.87)
第3戦の延長18回におよぶ死闘で、9度出塁したドジャースの第4戦先発投手、それが大谷だ。最後にマウンドに立ったのは、ドジャースタジアムでのNLCS第4戦。その試合では、6回を無失点10三振と圧巻の投球に加え、打者として3本塁打を放つという前代未聞のパフォーマンスだった。

ポストシーズンでの投手デビューはナ・リーグ地区シリーズのフィリーズ戦で、内容はクオリティ・スタート(6回以上を投げ、自責点3)。今季序盤は登板間隔や調整を厳密に管理されていたが、現在のドジャースは大谷を通常の先発投手と同様に扱っている。

スタメン

ブルージェイズ
ジョージ・スプリンガーが第3戦で「右脇腹の張り」により途中交代したため、やや変更されている。スプリンガー不在でDHの枠が空き、ボー・ビシェットの打撃を生かす構成となった。右腕の大谷に対して、ネイサン・ルークスが1番に入る。

  1. ネイサン・ルークス(左翼)
  2. ブラディミール・ゲレーロJr.(一塁)
  3. ボー・ビシェット(DH)
  4. アディソン・バージャー(右翼)
  5. アレハンドロ・カーク(捕手)
  6. ドールトン・バーショ(中堅)
  7. アーニー・クレメント(三塁)
  8. アンドレス・ヒメネス(遊撃)
  9. アイザイア・カイナー=ファレファ(二塁)

ドジャース
相手先発が右腕ビーバーのため、基本は第1〜第3戦とほぼ同じ構成。ロバーツ監督の唯一の変更は、第3戦からテオスカー・ヘルナンデス(5番)とマックス・マンシー(6番)の打順を入れ替えたことだ。中堅で不振のアンディ・パヘスを起用し続けるか、アレックス・コールを先発外野に試すかが注目点だったが、第4戦はパヘスが先発に名を連ねた。

  1. 大谷翔平(投手兼DH)
  2. ムーキー・ベッツ(遊撃)
  3. フレディ・フリーマン(一塁)
  4. ウィル・スミス(捕手)
  5. テオスカー・ヘルナンデス(右翼)
  6. マックス・マンシー(三塁)
  7. トミー・エドマン(二塁)
  8. キケ・ヘルナンデス(左翼)
  9. アンディ・パヘス(中堅)

先発投手の後、継投はどうなるか

ブルージェイズ
27日の第3戦(延長18回)では、マックス・シャーザーの降板後、ブルペン全員が登板した。つまり、救援陣は総動員だったということだ。ドジャース側も同様にリリーフ投手を使い切っている。

第4戦で唯一起用が難しいと見られるのは左腕エリック・ラウアー。68球で4回2/3を無失点と好投した。トレード期限でビーバーを獲得したことで先発からリリーフに回って以降、ここまで多い球数を投げたのは初めてだった。ジェフ・ホフマンも33球で2イニングを投げており、やや負荷の重い登板だった。

それでもブルージェイズは再び救援陣に大きな負担を強いられることになる。特に、大谷が前夜に6時間超の試合を戦いながら先発する状況を考えると、ビーバーがどれだけ長いイニングを投げられるかが極めて重要になる。

ドジャース
第3戦は救援投手が総動員となったが、球数には差があった。アンソニー・バンダ、ブレイク・トレイネン、ジャック・ドライヤーはいずれも15球以下。この日のメンバーでは最もフレッシュな戦力と言える。ジャスティン・ロブレスキー、佐々木朗希(23)、エメット・シーアン、エドガルド・エンリケスは起用見送りの可能性が高く、72球を投げたウィル・クラインは確実に登板しない。つまり、ブルペン転向後に圧倒的な投球でクローザー格に定着した佐々木を欠いたまま、セーブ機会を乗り切る必要があるかもしれない。なお、アレックス・ベシアは、球団が「非常に私的な家族の事情」と説明した理由により、ワールドシリーズは欠場の見込みだ。

注目すべき負傷情報

ブルージェイズ
ジョージ・スプリンガーは「右脇腹の張り」で第3戦を途中交代し、第4戦の先発ラインナップから外れた。MRI検査の結果はブルージェイズの結果を左右しかねない。

ボー・ビシェットの左膝の捻挫はチームにとって懸念材料だったが、WSではついにメンバー登録され、各試合で部分的に出場している。第3戦では七回に安打を放ったあと交代したが、これはチームの方針と見られ、リードしている場面では守備要員に交代し、勝っている試合では終盤で塁に出たタイミングで下げられる傾向にある。

アンソニー・サンタンデールは背中の負傷でア・リーグ優勝決定シリーズの途中で登録を外れ、そのためワールドシリーズには出場資格がない。

ドジャース
ウィル・スミスは右手のひびを抱えながらもナ・リーグ地区シリーズで先発復帰し、それ以降すべての試合でスタメン出場を続けている。トミー・エドマンは今季2度の負傷者リスト入りの原因となった右足首は引き続き懸念される。救援投手タナー・スコットは下半身の膿瘍の処置からの回復途中のため、メンバー外だ。

好調な選手と不調な選手

ブルージェイズ
アレハンドロ・カークが今ポストシーズンで絶好調だ。すでに5本目の本塁打を放ち、ヤンキースを圧倒したレギュラーシーズン最終週から続く勢いのまま、ポストシーズンでも大きな活躍を見せており、チームの中で最も重要な打者の一人となっている。

アディソン・バージャーとボー・ビシェットも第3戦でそれぞれ2安打を記録。ブラディミール・ゲレーロJr.とアーニー・クレメントも引き続き好調なポストシーズンを送っている。ただし、ジョージ・スプリンガーが出場できない場合は、別の選手が早急に打線を引っ張る必要がある。

ドジャース
大谷が完全に波に乗っている。第3戦では4打数4安打、計9度出塁という圧巻の内容。テオスカー・ヘルナンデスも4安打を放った。
一方で、アンディ・パヘスは5打数無安打で、ポストシーズン全体の打率は.083。ロバーツ監督はパヘスをスタメンから外す可能性にも言及しているが、その場合はセンターの守備のレベルを下げるリスクがある。

ファンが知っておきたい情報
・スプリンガーは2017年のワールドシリーズでドジャースタジアムを舞台にMVPを受賞している。そのシリーズでは5本塁打を放ち、第7戦での3ラン本塁打を含め、キャリア初期の大舞台で数々の名場面を作った。

・大谷は第3戦で今ポストシーズン8本目の本塁打を放ち、2020年にコーリー・シーガーが樹立した球団記録(1ポストシーズンでの最多本塁打)に並んだ。