完全試合までアウト6つ 先発ペレス、球数管理で無念の降板

2:39 AM UTC

マーリンズ9−8アスレチックス】サクラメント/サターヘルスパーク 7月5日(日本時間6日)

完全試合まであとアウト6つに迫る圧巻の投球を披露しながら、マーリンズの右腕エウリー・ペレスは七回でマウンドを降りた。

アスレチックスとの一戦で復帰3戦目の先発となったペレスは、七回まで92球を投げて無安打。先頭から21人を連続で封じ込み、球団史に残る偉業まであと6人という完璧な内容だった。

だが八回のマウンドに、その姿はなかった。

球団史上初の完全試合も見えた場面だったが、決断の背景には球数管理と今後を見据えたチーム方針があった。この試合では97.9マイル(約157km/h)を記録するなど球威もあったが、ペレスはこれまでメジャーで102球を超えた経験がないため、クレイトン・マカラー監督は冷静に判断を下した。

「レギュラーシーズンの先も見据えている。エウリーは非常に重要な存在だ。続投させたい気持ちはあったが、状態と球数、そしてチーム全体を考えた上での判断だった」

完全試合という歴史か、シーズンを戦い抜く未来か。その答えはベンチの中で決まった。

試合後、指揮官は、「その選択肢はなかった。きょうは90球を少し超えたあたりまでが許容ラインだった。それがどの場面でも判断基準だった」と明確なプランがあったことを明かした。

八回からは右腕レイク・バッカーが登板。ペレスはベンチに戻ると、チームメートから祝福と抱擁を受けた。

7イニング無走者は自己最多タイ。マーリンズ先発としては1997年6月10日のケビン・ブラウン以来となる“支配的投球”だった(同試合でブラウンはノーヒッターを達成)。

「(監督が)近づいてきた時点で分かっていた。これはプランの一部でもあるし、自分も理解している。いい形で受け止めているよ」とペレスは通訳を介して振り返った。

その一方、歴史の瞬間を見逃した観客の落胆は大きく、バッカーがマウンドに上がるとブーイングが起こった。

試合はここから一変する。

バッカーは先頭打者を四球で歩かせると、続く打者にポテンヒットを許し、完全試合とノーヒットノーランの両方が消滅。さらに3人後、満塁本塁打を浴びて8−0から3点差まで詰め寄られた。

その後も流れは止まらず、6人連続出塁の場面でマイケル・ピーターセンが緊急登板し、ようやく流れを断ち切った。しかし最終回、クローザーのピート・フェアバンクスが3失点。それでも最後は逃げ切り、マーリンズが勝利した。

ポテンヒットを放ったジョシュア・クロダ=グラウアーはこう語る。

「聞こえていたよ。あれだけの投球のあとなら、(ノーヒット試合を)見たいと思うのは当然だよね」

球場全体が“歴史を見たかった”という空気に包まれていた。

降板にはブーイングも起きたが、ペレスは冷静だった。

「気持ちは分かる。でも外からは見えない事情がある。僕たちは復帰直後で、90球というプランがあった。それがすべてだ」

指揮官は「きょうは、期待以上の完成度だった。カウントが不利でもしっかりと勝負球を投げ、芯を外していた。それが素晴らしい。復帰後はストライクゾーンの精度がさらに上がっている。球の質も申し分ない」と絶賛する。

マーリンズは現在、サンディ・アルカンタラ、マックス・メイヤー、そしてペレスという強力な先発3本柱を形成している。

アルカンタラはイニング数でメジャートップ、メイヤーは初のオールスター選出。ペレスもその一角として完全復活の兆しを見せている。

チームはこの3連戦で球団記録となる12本塁打を放ち、スイープで遠征を7勝3敗と勝ち越し。シーズン成績は49勝42敗とし、2023年9月以来となる貯金7に到達した。

2本塁打を放ったエリベルト・ヘルナンデスはこう語る。

「3人の先発がいるとチーム全体の雰囲気が変わる。彼らは“3頭の馬”みたいな存在だ。彼らが投げる日は、攻守ともに支えないといけないという意識が強くなる」

復帰した若きエースの快投は、単なる1試合の出来ではなく、チーム全体を押し上げる象徴となっている。