2026年シーズンの開幕から1週間以上が経過し、すでに注目すべきスタッツやトレンドが数多く生まれている。
もちろん、まだ試合数は少ない。しかしそれでも興味深い傾向は見えてきている。そこで、7人の記者に「開幕直後の個人的な注目トレンド」を挙げてもらった。
※なお明記のない場合、成績は全て3日(日本時間4日)終了時点のもの。
ヤンキース投手陣が圧倒的なスタート
ヤンキース投手陣は歴史的とも言えるスタートを切っている。3日(日本時間4日)までの7試合でわずか合計8失点。これは、シーズン最初の7試合での失点数として、2002年ジャイアンツ、1993年ブレーブスと並び、MLB史上最少タイ。150年以上の歴史の中でわずか3度しか達成されていない記録だ。
さらに驚くべきは、先発ローテーションがまだ完全体ではないことだ。マックス・フリードやキャム・シュリットラーといった面々が躍動しているが、ここにさらにゲリット・コールやカルロス・ロドンが戻ってくる。フルメンバーになる時が、今から楽しみだ。
ーーサラ・ラングス記者
捕手たちが打撃で大暴れ
カル・ローリーが60本塁打を放ち、ドレイク・ボールドウィンがナ・リーグ新人王を受賞した昨季に続き、今年も捕手陣が好スタートを切っている。ボールドウィンは開幕8試合でOPS.955、3本塁打、わずか3三振と、さらなる成長を感じさせている。
それ以上のインパクトを残しているのがアスレチックスのシェイ・ラングリアーズだ。開幕7試合で5本塁打を放ち、昨季のローリーを彷彿とさせるペースとなっている。この好調は昨季後半から続いており、昨年オールスター以降のWAR(FanGraphs)は3.9で、ヘラルド・ペルドモと並びメジャートップとなっている。
ボールドウィンやラングリアーズだけではない。リアム・ヒックス(OPS1.330、3本塁打)、フランシスコ・アルバレス(OPS1.137、3本塁打)も好調。MLB全捕手の合計は31本塁打で、右翼手の34本に次ぐ数字となっている。
ーーブレント・マグワイア記者
ルーキーたちも大暴れ
開幕戦から始まったルーキーたちの活躍は、さらに勢いを増している。ケビン・マゴニグル、サル・スチュワート、チェイス・デローターといったトッププロスペクトに加え、村上宗隆や岡本和真といった日本からの注目ルーキーまで、2026年の新人打者たちが歴史的なスタートを切っている。
各チーム最初の6試合を終えた時点で、ルーキーたちは22本塁打、OPS.851を記録。これは1901年以降、開幕6試合までの新人の合計本塁打数として2023年と並ぶ最多タイであり、OPSは史上最高となった。
さらにMLBパイプライン全体1位のプロスペクトである19歳のコナー・グリフィンもメジャーに昇格。ルーキーたちの勢いは増すばかりだ。
ーートーマス・ハリガン記者
(知ってると思うけど)大谷翔平はやはり別次元
毎日のように驚きの記録を生み出している大谷翔平だが、今回作った記録もまた印象的なものとなった。
3月31日(日本時間4月1日)の今季初登板で6回無失点を記録し、昨季から続く連続無失点を22回2/3まで伸ばした。さらにこの試合で3度出塁し、連続出塁は36試合に到達。この時点で大谷は、先発投手として最長の連続無失点記録と、打者として最長の連続出塁記録の両方を保持していた。
その後、4日(日本時間5日)に連続出塁を39試合に伸ばすなど、今季再び二刀流としてプレーする大谷にとって、こうした活躍はもはや驚きではない。連続無失点はパドレスのクローザー、メイソン・ミラーが23回2/3で最長となっているが、大谷は8日のブルージェイズ戦で再び記録更新のチャンスを迎える。
ーージャレッド・グリーンスパン記者
ドレイク・ボールドウィンの得点力
ボールドウィンに2年目のジンクスは見られない。むしろ、さらなる飛躍を見せている。2025年のナ・リーグ新人王は、今季序盤からアトランタで最も安定した打者の一人となっており(4日(日本時間5日)時点で本塁打と打点でチームトップ)、歴史的な記録も打ち立てている。
ボールドウィンはブレーブスの開幕7試合すべてで得点を記録し、1957年のハンク・アーロン以来の快挙を達成。さらに4日時点での9得点はメジャートップタイだ。また3日時点で打球速度95マイル(約152.9キロ)以上の打球を14本放っており、正捕手としてメジャー最多となっていた。
もちろんまだシーズン序盤だが、この得点力を維持できれば、初のオールスター選出だけでなく、シーズン終了時にはさらに大きなタイトル争いに加わる可能性もある。
ーージェイソン・フォースター記者
ナ・リーグ東地区が圧倒的な強さ
ナ・リーグ東地区が最高のスタートを切っている。全球団が開幕戦に勝利し、MLB史上初の快挙を達成。その後も勢いは止まらない。
4日時点で、6勝2敗のブレーブスと5勝2敗のマーリンズを筆頭に、5球団中4球団が勝率5割以上。最下位のナショナルズも3勝4敗と大きく離れていない。得失点差の合計も+42でメジャートップだ。戦力が充実していると見られていたア・リーグ東地区(-6)やナ・リーグ西地区(-35)を上回っている(2位はナ・リーグ中地区の+25)。
実際、ナ・リーグ東地区で得失点差がマイナスなのは、過去2年地区優勝しているフィリーズ(4勝3敗、-4)のみ。首位ブレーブスは2日のダイヤモンドバックス戦での17-2の大勝もあり+29でメジャートップ。マーリンズが開幕からロッキーズやホワイトソックスと対戦するなど、日程に恵まれた側面もあるが、それでもこの好成績は偶然では片付けられない”何か”がありそうだ。
ーーテオ・デローサ記者
ソト、ハーパー、トラウトに続くか?グリフィンが10代スターの系譜へ
パイレーツの遊撃手で、MLB全体1位プロスペクトのコナー・グリフィンが、19歳344日で3日にメジャーデビューを果たした。
トッププロスペクトであっても、10代でメジャーに到達するのは非常に珍しい。実際、10代の打者がメジャーに出場したのは、2018年のフアン・ソトが最後。さらに先発遊撃手としてのデビューは、1994年のアレックス・ロドリゲス以来の若さだった。早速、初打席で適時二塁打を放ち、伝説的選手ビル・マゼロスキー以来、パイレーツで最年少のデビュー戦安打を記録した。
今世紀に10代でメジャーに到達した打者はグリフィンを除いてわずか8人。その中にはソト、ブライス・ハーパー(2012年)、マイク・トラウト(2011年)らが含まれる。さらに過去にはエイドリアン・ベルトレ、アンドリュー・ジョーンズ、アレックス・ロドリゲス、ケン・グリフィーJr.らのスーパースターがいた。そしてさらに遡れば、ミッキー・マントル、メル・オット、タイ・カッブといった伝説的選手たちがいる。
グリフィンは今まさに、過去と現在の偉大な選手たちと同じ道を歩み始めている。
ーーデイビット・アドラー記者