ギャレット・クローシェは、かつての大学時代の指導者トニー・ビテロとメジャーの舞台で再会することを心待ちにしているだろう。ジャイアンツとレッドソックスの最初の対戦は、8月21日から23日にボストンのフェンウェイパークで行われる3連戦だ。
ジャイアンツの新監督に就任したビテロと同じく、大学で指導者としての実績を挙げた監督として、ブルワーズのパット・マーフィー監督もいるが、経歴は大きく異なる。マーフィーはマイナーリーグでプレーし、指導し、さらに約10年メジャーでコーチを務めたのちに監督へと昇格した。一方でビテロは、大学野球から直接メジャーリーグの監督へと就任した、前例のないケースだ。
クローシェは大学時代にはこのようになることを想像もしていなかったというが、同時にジャイアンツがビテロを招聘した理由も分かると語った。
「これだけの環境の変化は簡単なことではない」とクローシェは語った。
「ただ、彼はその立場に相応しい人格と向上心を持っていて、生まれながらのリーダーで信頼できる人だ。だから特別なことをしなくても、メジャーのクラブハウスをまとめる力を持っていると思う」
もちろんクローシェも、大学とメジャーでは選手と指導者の関係が異なることは理解している。それでも、ビテロには最高峰の舞台で戦う選手たちにも通じる対人能力があると考えている。
「一番の違いは、大学では監督が選手をリクルートすることだと思う。キャンパスに足を踏み入れる前から、すでにリーダーとして、ある意味では父親のような存在として見られている。プロでは誰も『コーチ』とは呼ばないが、大学ではそう呼ぶし、そういう違いはある。でもV(ビテロ)はとても誠実だし、情熱もすぐに伝わってくる。それだけで十分だと思う」とクローシェは語った。
では、ビテロがジャイアンツからオファーを受け入れたことにクローシェは驚いたのだろうか。
「行くという話は耳にしていた気がする」とクローシェは振り返った。
「ただVに関しては、どちらかというとテネシーを離れるのかどうかが分からなかった。でもあの立場にいて、このチャンスを得たら、挑戦したいと思うような競争心の強い人だ。自らを試す機会に魅力を感じるタイプだと思う。彼にとっては挑戦することが最も重要なんだ」
また、クローシェは、ビテロがテネシー大学時代の腹心であるフランク・アンダーソン(メジャーリーグ投手部門ディレクター)とクエンティン・エバーハート(スポーツパフォーマンス部門ディレクター)の2人とともに新たな挑戦に臨むことを喜んでいる。
「V、Q・エバーハート、フランク・アンダーソンがいなければ、自分が今いる場所、それどころか、それに近い場所にもいなかったと思う」とレッドソックスのエースは語った。
「あの人たちは、自分の人生の重要な時期に非常に大きな役割を果たしてくれた。仕事への姿勢だけでなく、人としての在り方もすごく学んだ。競争心や諦めない姿勢、満足しない姿勢についても多くを学んだ」
2021年に107勝を挙げたシーズン以降、勝率5割を超えていないジャイアンツについて、クローシェはビテロがテネシー大学に赴任した時との共通点を感じている。
「自分が最初にテネシーに行ったときは、正直あまり強くなかった。だから彼が植え付けたのはアンダードッグとしての精神だった。それを自分は受け入れ、今も心の中に持ち続けている。さっき言った通り、彼の『決して満足しない』という考え方だ」
