毎朝生卵を食べているのか、試合前にブリトーを平らげているのか、それとも寝起きの腕立て伏せを取り入れているのか。何をしているにせよ、彼らの取り組みはうまくいっており、目覚ましいパワーアップにつながっている。
2025年と2026年の両方で、チームの消化試合数当たり2.1打席以上という規定を満たした打者のうち、今季前半戦だけで昨季の年間本塁打数を上回ったのは21人しかいない。そのうち9人は、2026年に平均バットスピードを少なくとも1マイル(約1.6キロ)以上向上させている。(全体で34人)残る12人のうち7人も、多少ではあれ平均バットスピードを上昇させている。
MLB全体のバットスピードランキング上位には、シーズン30本塁打以上を記録する強打者から、規格外の特大本塁打で注目を集める若手まで、球界を代表するパワーヒッターが名を連ねている。ジュニオール・カミネロ、オニール・クルーズ、ジャック・カグリオーン、カイル・シュワーバー、ジェームズ・ウッドはいずれもトップ11に入っている。
平均バットスピードが1マイル(約1.6キロ)以上向上した選手には、カミネロのほか、ピート・クロウ=アームストロング、マイク・トラウト、ニック・カーツも含まれている。いずれも素晴らしいシーズンを送っているが、2025年に残した数字が非常に優れていたため、前半戦だけでそれに並ぶのは難しかった。
もちろん、パワーや打撃成績の向上を示す要素はほかにもある。バレル率、ハードヒット率、打球角度、打席でのアプローチ改善などだ。それでも、バットスピードが本塁打の可能性を示す有力な指標になることは間違いない。
ここでは、今季ブレイクを果たしている打者たちに焦点を当てる。新たに誕生したホームラン・ダービー王者をはじめ、初めてオールスターに選出された選手も複数含まれている。彼らが2026年に飛躍を遂げた要因を見ていこう。
ジョーダン・ウォーカー、外野手、カージナルス
2025年(111試合):6本塁打、平均バットスピード78.1マイル(約125.7キロ)
2026年(93試合):22本塁打、平均バットスピード79.2マイル(約127.5キロ)
24歳のウォーカーがついに期待されていた大器の片鱗を見せ、ブレイクを果たした。もともとスイングスピードは速かったが、今季はさらに向上。打球速度とバレル率も継続してエリート級の数字を残している。
さらに、打球を空中に上げる割合は、自己最高を大幅に更新する58.4%に達している。これにより、より多くの打球がフェンスを越えるようになった。初めてオールスターに選出されたウォーカーは、13日(日本時間14日)のホームランダービーでも圧巻のパフォーマンスを披露した。
リアム・ヒックス、捕手/一塁手、マーリンズ
2025年(119試合):6本塁打、平均バットスピード67.4マイル(約108.5キロ)
2026年(85試合):13本塁打、平均バットスピード68.5マイル(約110.2キロ)
マーリンズは現在、MLBで最も勢いのあるチームの一つであり、ヒックスはその原動力となっている。バットスピードは依然としてMLB下位8%に位置するが、OPS.822という成績を見れば、わずかなスピードアップが明らかに好影響をもたらしていることが分かる。
平均打球速度はMLB下位6%で、特別に強い打球を放っているわけではない。それでも、コンスタントに打球を芯で捉えており、今季は引っ張った空中への打球の割合が約5ポイント上昇している。
ディロン・ディングラー、捕手、タイガース
2025年(126試合):13本塁打、平均バットスピード71.7マイル(約115.4キロ)
2026年(87試合):19本塁打、平均バットスピード72.0マイル(約115.9キロ)
MLB屈指の守備力を誇る捕手としてゴールドグラブ賞を獲得したディングラーは、今季、本格的に長打力も開花させ、オールスター選手へと成長した。バットスピード自体は大きく上昇していないが、バレル率、引っ張った空中への打球の割合、ストライクゾーン内のコンタクト率で自己最高を記録している。
今季は特に変化球に対して好成績を残しており、19本塁打のうち9本を変化球から放ち、xwOBAも.406を記録している。
ミゲル・バルガス、三塁手、ホワイトソックス
2025年(138試合):16本塁打、平均バットスピード70.6マイル(約113.6キロ)
2026年(94試合):21本塁打、平均バットスピード74.1マイル(約119.3キロ)
2025年と2026年の両方で規定を満たした選手の中で、バルガスを上回るバットスピードの伸びを記録した選手はおらず、平均で3.5マイル(約5.6キロ)上昇した。これは26歳の三塁手があらゆる面で成長したことの一部にすぎず、Baseball Savant(ベースボールサバント)のページをひと目見れば、その飛躍は一目瞭然だ。(ヒント:優秀な数値を示す赤色が大量に並んでいる)
昨季から打席でのアプローチはエリート級に近く、チェイス率、空振り率、三振率、四球率はいずれも上位30%以上だった。今季は平均以下だったバットスピードが平均を大きく上回る水準まで向上し、強い打球が増加。それが目覚ましい結果とオールスター選出につながり、オールスター・ゲームでは特大本塁打を放って期待に応えた。
ポール・ゴールドシュミット、一塁手、ヤンキース
2025年(146試合):10本塁打、平均バットスピード72.6マイル(約116.8キロ)
2026年(68試合):15本塁打、平均バットスピード71.4マイル(約114.9キロ)
野球では、時に不思議なことが起こる。スイングスピードが低下し、強い打球を放つ頻度も減り、ゴロ率は2017年以降で最も高くなっている。それでも、38歳のベテランは素晴らしいシーズンを送っている。
ルイス・ガルシア・ジュニア、一塁手、ナショナルズ
2025年(139試合):16本塁打、平均バットスピード72.4マイル(約116.5キロ)
2026年(90試合):20本塁打、平均バットスピード73.6マイル(約118.4キロ)
6月1日以降、wRC+でMLBトップ3に入る打者は誰か。ピート・クロウ=アームストロング(231)、ヨルダン・アルバレス(191)、そして……ルイス・ガルシア・ジュニア(191)だ。ガルシアは2024年から、表面的な成績以上に優れた指標をひそかに残していた。今季はそれがついに表面化し、コンタクトの全面的な改善がブレイクを後押ししている。
引っ張る割合はわずかに上昇しているものの、スイングの判断やコンタクト率は2025年とほぼ変わらない。スイングに力強さが加わったことが、明らかに長打力の向上につながっている。
キャム・スミス、外野手、アストロズ
2025年(134試合):9本塁打、平均バットスピード74.5マイル(約119.9キロ)
2026年(96試合):12本塁打、平均バットスピード77.4マイル(約124.6キロ)
前年からのバットスピード上昇幅は、ミゲル・バルガスに次ぐ2位であり、その成果が成績にも表れ始めている。
カブスとアストロズの間で昨年成立したカイル・タッカーのトレードで目玉となったほどの期待値にはまだ完全に到達していないが、スミスのxwOBAは.340で、実際の出塁率.312を上回っている。ルーキーイヤーと比べ、はるかに安定して強い打球を放つようになった。
ベン・ライス、一塁手、ヤンキース
2025年(138試合):26本塁打、平均バットスピード73.4マイル(約118.1キロ)
2026年(91試合):29本塁打、平均バットスピード72.6マイル(約116.8キロ)
昨季のライスは、Statcast(スタットキャスト)の指標で高く評価される存在だった。そして今季は、予測指標の高さが実際の成績にも反映されている。バットスピードは低下したものの、依然としてリーグ平均を上回る。6月はやや調子を落としたが、好調なシーズン全体への影響は小さく、初のオールスター選出を果たした。
JJ・ブレデイ、外野手、レッズ
2025年(98試合):14本塁打、平均バットスピード71.7マイル(約115.4キロ)
2026年(67試合):16本塁打、平均バットスピード73.8マイル(約118.8キロ)
2019年のドラフト全体4位指名選手が、レッズで復活を遂げている。バットスピードが大幅に向上し、バレル率、平均打球速度、ハードヒット率で自己最高を記録。オールスターに選出された。
さらに、引っ張った空中への打球の割合は30.1%でMLB17位。この数字が、各指標の改善を本塁打という結果につなげている。
**2026年にすでに昨季の本塁打数を上回っているその他の選手:**ケーシー・シュミット、ジャイアンツ(本塁打プラス7本、バットスピードプラス0.9マイル〈約1.4キロ〉)、ジェイコブ・ヤング、ナショナルズ(プラス6本、プラス1.1マイル〈約1.8キロ〉)、ホセ・カバジェロ、ヤンキース(プラス5本、マイナス0.2マイル〈約0.3キロ〉)、タイ・フランス、パドレス(プラス4本、プラス0.9マイル〈約1.4キロ〉)、ブランドン・マーシュ、フィリーズ(プラス4本、プラス0.1マイル〈約0.2キロ〉)、マウリシオ・デュボン、ブレーブス(プラス3本、プラス0.7マイル〈約1.1キロ〉)、ザビエル・エドワーズ、マーリンズ(プラス3本、プラス1.6マイル〈約2.6キロ〉)、ブライアン・ロッキオ、ガーディアンズ(プラス3本、プラス0.1マイル〈約0.2キロ〉)、チェイス・メイドロス、ホワイトソックス(プラス2本、マイナス0.4マイル〈約0.6キロ〉)、デイレン・ライル、ナショナルズ(プラス1本、プラス1.6マイル〈約2.6キロ〉)、CJ・エイブラムス、ナショナルズ(プラス1本、プラス0.4マイル〈約0.6キロ〉)、タイラー・フリーマン、ロッキーズ(プラス1本、マイナス0.9マイル〈約1.4キロ〉)
