フィリーズのオフシーズン補強はほぼ完了に近づいた。球団が捕手のJ.T.リアルミュートと再契約に合意したと、MLB.comのマーク・ファインサンド記者が情報筋の話として伝えた。契約は3年総額4,500万ドル(約71億円)で、年間最大500万ドル(約7億9000万円)のインセンティブも付く見込み。
この直前には、フィリーズが狙っていたFAのボー・ビシェットが、メッツと3年総額1億2,600万ドル(約199億円)で合意。リアルミュートとの交渉が膠着していたため、フィリーズのビシェットへの関心はこの10日間で高まっていた。情報筋によれば、フィリーズはビシェットに7年総額2億ドル(約316億円)を提示していたという。チーム内には「合意済み」と考えていた関係者もいたが、後に事実でないと判明。
ビシェットのメッツ移籍を受け、リアルミュートとの交渉はスムーズに進んだ。来年3月に35歳を迎えるリアルミュートにとって、この新契約は直近の5年総額1億1,550万ドル(約182億円)、平均年俸2,310万ドル(約36億円)から減額するが、妥当な内容と言える。
時間はかかったが、フィリーズは今オフ、トップ3のFAのうち2人と再契約を果たした。最優先は、12月初旬に5年総額1億5,000万ドル(約237億円)で契約したカイル・シュワーバーと、リアルミュートだった。
レンジャー・スアレスの残留も望んでいたが、最初から可能性は低いと見られていた。情報筋によると、左腕は今週レッドソックスと5年総額1億3,000万ドル(約205億円)で合意している。
今週、FA市場は慌ただしい動きを見せ、カイル・タッカーが4年総額2億4,000万ドル(約379億円)でドジャースと合意。タッカーの去就が決まると、ボー・ビシェットも続いた。メッツの短期契約の条件はフィリーズを上回った。しかしフィリーズにとって、ビシェットとリアルミュートの両方と契約することは現実的ではなかった。前者を獲得すれば、リアルミュート復帰の可能性は閉ざされ、さらにドミノ効果で先発内野手(おそらく三塁手アレック・ボーム)を放出しなければならない状況も生じるところだった。
リアルミュートとの再契約は、ビシェットがもたらしたような打撃面での大きな上積みは期待できないかもしれないが、スター投手陣にとっては十分なプラスになる。もしリアルミュートと契約できなければ、ラファエル・マーチャンやギャレット・スタッブスに捕手を任せるか、組織外から捕手を探すしかなく、その選択肢は極めて限られていた。
捕手は再び3度のオールスター経験を持つJ.T.リアルミュートが務めることになりそうだ。打撃面ではやや低迷した年を過ごしたが、リアルミュートは依然として守備力の高い捕手で、耐久性と安定感においてもメジャー屈指だ。2019年にフィリーズ加入以来、6,699回2/3のイニングを捕手として守っており、この期間他の捕手よりも1,183回1/3も多い。
16日(日本時間17日)の急展開で、2026年のロースター(出場選手登録)もほぼ見えてきた。
捕手リアルミュートを据え、内野の先発は昨季と同じ構成が濃厚で、一塁ブライス・ハーパー、二塁ブライソン・ストット、遊撃トレイ・ターナー、三塁アレック・ボームとなる見込み。先発陣はスアレスを除き、ザック・ウィーラー(健康なら)、クリストファー・サンチェス、アーロン・ノラ、ヘスス・ルザルド、タイワン・ウォーカー、将来有望なアンドリュー・ペインターが並ぶ。
クローザーのヨアン・デュランを中心とした救援陣の刷新に加え、外野は2025年から最も変化が予想されるポジションだ。
12月に1年契約1,000万ドル(約15億8000万円)で加入したアドリス・ガルシアが右翼を務め、3位プロスペクトのジャスティン・クロフォードが中堅でレギュラーを勝ち取る可能性がある。左翼はブランドン・マーシュと右打者(おそらくオットー・ケンプ)の併用が予想されるが、開幕まで残り2カ月でフィリーズが追加補強を行うのかも注目だ。
フィリーズは、ベテラン外野手ニック・カステヤノスとの契約をほぼ間違いなく終了させる見込みだ。双方とも2026年に向けて環境を変える必要があることは認めているが、現時点ではトレード先は未定だ。
単純に解雇して2,000万ドル(約31億6000万円)の損失を受け入れることも可能だが、現実的にはオースティン・ヘイズやハリソン・ベイダーといったFA外野手の去就が決まるまで様子を見るだろう。そのタイミングで、外野手を補強したい他球団が未払い分の一部を負担する可能性もある。
また、左翼でマーシュとケンプを併用する代わりに、ランドール・グリチックやスターリング・マルテ、オースティン・スレイターといった右打ちの外野手を補強する可能性もある。ただし、リアルミュート再契約後の今オフは、他の補強は比較的小規模にとどまる見込みだ。

