どん底から球宴へ!カージナルス24歳大砲ウォーカーがダービー参戦

プホルス支えた“伝説の右腕”と初制覇へ

12:06 AM UTC

今季ブレイクしたカージナルスのジョーダン・ウォーカーが、オールスターゲームに続きホームランダービー(本塁打競争)への出場権も手にした。

24歳の大砲は、MLBからの招待に「もちろん受けるよ」と快諾。自慢の長打力を大舞台で爆発させる構えだ。

2026年オールスターは7月14日(日本時間15日)開催!

今年のホームランダービーは13日(日本時間14日)に開催予定。カージナルスの打者がこの祭典に挑むのは、2022年のアルバート・プホルス氏以来のこと。そして今回、ウォーカーの相棒としてマウンドに上がるのは、その2022年にプホルス氏の打撃投手を務めた、ブルペン捕手のクレイニンガー・テラン氏だ。

4年前の夏にレジェンドの快進撃をアシストしたテラン氏のコントロールは、今も健在で、ウォーカーもその正確無比な右腕に絶大な信頼を寄せている。

「とにかく球がまっすぐだし、打者が一番力を乗せやすい『真ん中やや内寄り』の絶妙なコースに投げてくれる。コントロールは本当に完璧。本番の一発勝負でどうなるかはやってみないと分からないけれど、だからこそこれから2人でしっかり練習するよ」

2022年にプホルス氏を準決勝まで導いた実績を持つテラン氏だが、やはり大舞台のプレッシャーはあるようで、ウォーカーは「彼が『今から緊張する』って言うからさ。僕が『僕の方が100倍緊張しているから心配しないで』って励ましたんだ」と舞台裏を明かした。

実はウォーカー、本塁打競争にはちょっとしたトラウマがあるという。

「ダービーは、見ているより遥かに難しいんだ。高校時代に何度か出たことがあるけれど、結果は散々だった(笑)。だから今回は、しっかり対策して挑むよ」

トラウマがあっても、この夢の舞台を断る選択肢はなかった。

「人生で一度は挑戦してみたかった。最高のチャンスが来たんだから、断る理由がないよ。子どもの頃、テレビの中でスラッガーたちが打球をスタンドの遥か彼方までぶち込むのを見て、めちゃくちゃカッコいいって憧れていた。自分があの舞台に立てるなんて、まさに夢が叶った気分だ」

意外にも、名門カージナルスでダービーを制した選手は過去に一人もいない。2003年に準優勝したプホルス氏が最高成績だ。今年のダービーにはこれまでに、ジュニオール・カミネロ(レイズ)、ベン・ライス(ヤンキース)、ジャック・カグリオーン(ロイヤルズ)、ウィルソン・コントレラス(レッドソックス)、ブライス・ハーパー(フィリーズ)らの参戦が発表されている。

今回のダービー選出は、どん底から這い上がったウォーカーにとって最高の勲章だ。2023年に20歳の若さで球界トッププロスペクト(有望株)としてメジャーデビュー。1年目から16本塁打、OPS.787をマークし、次世代のフランチャイズプレイヤーになることは確実視されていた。

しかし、24年から25年にかけての2年間は深刻なスランプで、2年間のOPS.595はメジャー最低クラスに沈み、計574打席でわずか11本塁打。自慢のパワーは完全に影を潜めていた。

そんな男の運命が、今季一変した。

オフの肉体改造に加え、春季キャンプで苦しむと「スイングそのものの解体」を決意。自ら志願して試合を欠場し、球団の打撃解析室(バッティングラボ)にこもって理想の軌道を追い求めた。この決断が、大化けにつながった。

ここまで89試合に出場し、打率.294、21本塁打、70打点、OPS.889と文句なしの成績をマーク。打球に角度をつけて高々と舞い上がらせる「新生ウォーカー」のスイングは、まさにこのダービーのために作られたようなものだ。9日の試合前時点で、ウォーカーよりホームランを打っているのはメジャー全体でわずか9人。

驚異的なのは、メジャー2位を誇る平均時速79.1マイル(約127.3キロ)の超高速スイングスピードだ。そこから放たれる平均打球速度は94.2マイル(約151.6キロ)でメジャー5位タイ。今のウォーカーにとって、スタンドまでボールを運ぶのは造作もないことだ。

カージナルスのオリバー・マーモル監督も「彼はとんでもないショーを見せる力を持っている。いろいろな意味で、見ていて最高にエキサイティングなダービーになるはずだよ」と、若き主砲の晴れ舞台に太鼓判を押した。