「フィリーチーズステーキはビーフとチーズだけが一番」
ニュージャージー出身のマイク・トラウトはそう言い切る。
好きなパスタはもちろんエンジェルヘア。「レブロン・ジェームズは76ersへ行くべき」と持論を語り、自身の名を冠したゴルフコースも「言われるほど難しくない」と笑う。
オールスターのメディアデーでは約1時間、野球からプライベートまでさまざまな質問に応じた。カメラやマイクに囲まれ、次々と質問が飛ぶ。そんな光景は、球宴の常連だったトラウトにとって見慣れたものだ。
2026年オールスターは7月14日(日本時間15日)開催!
2012年から9年連続でオールスターに選ばれたが、その後は負傷が相次ぎ、2019年を最後に球宴から遠ざかった。2024、25年はロースター入りも逃し、「再びオールスターに戻れるのか」との声も上がった。
それでも今季は開幕から42試合でOPS.936を記録。数週間後に35歳の誕生日を迎える今、3年ぶりに球宴へ帰ってきた。しかも開催地は故郷から約45マイル(約72キロ)。今年の球宴はこれまで以上に特別なものになった。
「感じ方はずいぶん変わったよ。今は家族や息子たち、妻と一緒に、この時間を楽しみたい。この数年はいろいろあったからね」
キャリア最初の10年間、トラウトは球界を支配した。2012~21年のWARは74.0で、同期間2位のロビンソン・カノ(46.7)を大きく上回る。新人王、MVP3度、2012~19年まで毎年オールスターに選ばれ、2015年には先頭打者本塁打も放った。
長年対戦してきたジャスティン・バーランダーは「しばらくの間、彼は文句なしに球界最高の選手だった」と振り返る。
しかし2021年にふくらはぎを負傷すると、翌年には珍しい脊椎のケガにも見舞われ、2021~25年でIL入りは6度。チームの試合出場は49%にとどまり、全盛期の終わりをささやく声も少なくなかった。
それでも今季はハムストリングの負傷から復帰すると、再びトラウトらしい輝きを見せている。
「彼がグラウンドに立っていつものプレーを始めると、野球界全体が『やっぱりトラウトだ』となる。それだけ特別な存在なんだ」とバーランダー。元同僚ブランドン・マーシュも「彼と同じことができる選手なんてほとんどいない」と話す。
地元フィラデルフィアでプレーしたいという噂は、2019年にエンゼルスと12年総額4億2650万ドル(約682億円)の契約を結んだ後も絶えなかった。現在も4年、総額1億4850万ドル(約238億円)が残っている。
「引退前にフィリーズでプレーしたい?」
そんな質問にトラウトは笑いながら答えた。
「きょうはその質問は来ないと思っていたよ。フィラデルフィアは大好き。でも僕はエンゼルスの選手だ。トレード拒否条項もあるし、最終的には自分で決められる立場だけどね」
火曜日は「1番・中堅」で先発出場予定。家族や地元の友人らが見守る中、3年ぶりのオールスターを迎える。
「こんな日が来るなんて思ってもみなかった。でも今は、この時間を思い切り楽しみたい」
