アトランタで行われる2025年オールスターゲームの投票が開始した。真夏の夜の祭典の座をかけて、ファンの熱い戦いが始まった。
オールスター投票での注目ポイントを7つ紹介したい。
【最多得票:ジャッジvs大谷翔平】
ヤンキースのアーロン・ジャッジが、アレックス・ロドリゲス(2007~08年)以来となる連続最多得票選手の座を狙う。昨年は自身2度目の最多得票を達成し、同年にア・リーグMVPも獲得。今年も開幕から絶好調で、ファンの支持も高い。
ジャッジの対抗馬はナ・リーグMVPの大谷翔平。昨年、史上初の「50本塁打50盗塁」を達成したスーパースターは、今季もここまでリーグ首位タイの23本塁打、OPS1.039はメジャー3位という驚異の成績。意外なことに大谷はこれまで最多得票の経験がない。
ジャッジが連続栄冠を勝ち取るか、それとも大谷が初の最多得票を奪うのか。要注目だ。
【激戦必至のナ・リーグ外野手争い!】
ナ・リーグ外野手はスター選手がひしめき、ハイレベルな戦いが予想される。
大本命はカブスの新星、PCAことピート・クロウ=アームストロング。今季が初のフルシーズンながらすでにMVP候補に名前が挙がる大活躍だ。守備と走塁の良さはお墨付きだったが、打撃でもブレイクし、15本塁打&21盗塁でリーグトップのWAR3.6を叩き出している。アストロズからカブスに移籍したカイル・タッカーも12本塁打、16盗塁と有力候補だ。
ナショナルズのジェームズ・ウッド(16本塁打)、ダイヤモンドバックスのコービン・キャロル(18本塁打)といった若手スター候補、さらにパドレスのフェルナンド・タティスやジャクソン・メリル、パイレーツのオニール・クルーズ、メッツのフアン・ソトなど、名前を挙げればキリがない。左膝前十字靭帯断裂から復帰した2023年ナ・リーグMVPのロナルド・アクーニャもお忘れ無く。
先発外野手の座をかけた熱い戦いが(場外で)繰り広げられる。
【ウィット、初先発なるか】
昨年ア・リーグMVP投票でジャッジに次ぐ2位に入ったボビー・ウィットは、昨年はオールスターでは先発を勝ち取れず、2番手に甘んじた。今季の成績は前年を下回り、初先発は盤石ではない。
ウィットの対抗馬はアスレチックスの新人ジェイコブ・ウィルソン(打率.355)、アストロズのジェレミー・ペーニャもウィットを上回る9本塁打を放っているほか、ケガで開幕は負傷者リスト入りしていたエンゼルスのザック・ネトも復帰後はア・リーグ遊撃手トップの10本塁打をマークしている。
【猛虎旋風!ポイントは集票力】
タイガースはメジャー全体で最高勝率をマークしているが、全員野球で勝ち星を積み重ねてきたため、オールスターの集票という点では疑問符がつく。
タイガースで最後にオールスター先発を務めたのは2014年のミゲル・カブレラ。2015年もファン投票で選ばれたもののケガで欠場し、それ以来、10年近く先発した選手はいない。ただ今年は一塁のスペンサー・トーケルソン、二塁のグレイバー・トーレス、外野のライリー・グリーンとケリー・カーペンターなど、注目選手が揃う。チームから悲願の先発入りを果たすのか、ファンの投票に期待がかかる。
さらに投手では、昨季のア・リーグ、サイ・ヤング賞投手タリク・スクーバルが有力候補で、オールスターで先発する可能性は十分ある。
勝負強さは折り紙付き。鍵は「ファンの後押し」だ。
【ローリーがマリナーズ捕手史に名を刻むか】
マリナーズ捕手のカル・ローリーが球団史を塗り替えるチャンスを迎えている。ローリーは、大谷翔平と並ぶ23本塁打を記録し、WARでもジャッジに次ぐ3.8と大活躍。打率.259、出塁率.374、長打率.625など驚異的な数字を残している。
ファン投票で選ばれれば、マリナーズ史上初の先発捕手となる。これまで球団でオールスターに選ばれた唯一の捕手は1996年のダン・ウィルソン監督。ローリーがこの長い空白期間を終わらせるかに注目が集まる。
【カージナルス二塁手39年ぶりの夢実現なるか】
カージナルスにとって39年ぶりの二塁手オールスター先発出場の夢が叶うのか。
セントルイスの二塁手は、1985年のトム・ハー以来、先発出場がない中、ブレンダン・ドノバンが今季ファン投票で有力視されている。28歳のドノバンはWAR2.2で全二塁手トップに立ち、打率.321、出塁率.384、長打率.462と堂々の数字を誇る。
しかし対抗馬も手強い。ダイヤモンドバックスのケテル・マルテは故障で出遅れながらも、34試合で10本塁打でドノバンの先発入りを脅かす。
【リンドーアの夢は叶うのか】
メッツのフランシスコ・リンドーアはこれまで4度のオールスター選出はいずれも控えだった。さらにオールスター出場は2019年のクリーブランド時代が最後。メッツに移籍後は3シーズン連続でMVP投票対象になっている一方で、オールスターには一度も名を連ねていない。
ここ数年はスロースタートで、例年オールスターへの道が遠かったのも事実だ。しかし今年は開幕から打率.284、14本塁打、11盗塁、OPS.854と、首位を走るメッツで堂々の成績を残している。
ファン投票を勝ち取れば、ホセ・レイエス(3回)と1971年のバド・ハレルソンに次ぐ、メッツ史上3人目の遊撃手オールスター先発選出となる。
