【MLB労使協定】ロースター制度やFA取引の日程について提案

August 27th, 2026

MLBは新たな労使協定の締結に向けた交渉が続く中、8月27日(日本時間28日)にMLB選手会へ複数の提案を行った。

この日の議題は選手の移籍や登録手続きが中心だった。ロースターの頻繁な入れ替えを減らし、選手がメジャーで年間を通じて定まった役割を担う従来の仕組みを取り戻すことに加え、ロースターの見通しを立てやすくして、シーズン中とオフシーズンの双方でファンの関心を高めることが目的となっている。

提案には、週単位のロースター制度、ルール5ドラフトの変更、シーズン終了後の「クワイエット・ピリオド」とオフシーズン中盤の「フローズン・ピリオド」を含む新たな移籍日程などが盛り込まれた。いずれもサラリーキャップと最低総年俸制度の導入を前提としている。

サラリーキャップと最低総年俸(サラリーフロア)制度を導入すれば、選手とファンのために野球をより良くする新たな可能性が生まれる。ロースターの安定性を高め、優秀な選手をより早くメジャーへ昇格させ、オフシーズンの動きを加速できる。現在の制度のままでは、こうした変更は戦力均衡を大きく損なうため、現実的ではない」とMLB広報担当のグレン・キャプリンは語った。

MLBによるこの日の主な提案は以下の通り。

週単位のロースター

現在の日次での入れ替え・登録変更が可能な制度から、毎週月曜に26人のアクティブロースターを確定させるという、現在のポストシーズンにおけるロースター規定に似た制度への変更が提案された。通常の登録変更を行えるのは、日曜の試合終了後から月曜午後までとなる。ただし、負傷、忌引、”父親リスト”入りによる離脱、トレード、ウェーバーによる獲得などは例外として認められる。

負傷者リストの規定も変更される。現在は野手が最低10日間、投手が最低15日間となっているが、それぞれ最低1週間と2週間に改められる。60日間の負傷者リストも最低12週間の制度へ変更されるが、40人枠から除外できる現行の措置は維持される。

シーズン中に選手をマイナーへオプション降格できる回数の上限も、現行の5回から4回へ削減する案が示された。オプション降格後にマイナーへ在籍しなければならない最低期間も、現在の野手10日間、投手15日間から、それぞれ1週間と2週間へ変更される。

アクティブロースターは引き続き26人だが、投手の登録上限は現在の13人から14人へ引き上げられる。今季、各球団が1週間に起用した投手の平均人数は13.9人となっている。

登録変更の頻度を減らすことで、球団はより一貫したロースターを維持できる。ファンが選手に親しみやすくなる一方、選手にとっても立場の不安定さが軽減される。

さらに、先発投手の登板イニングを延ばすことも期待されている。これにより救援陣の持久力や、戦略的な投手運用の重要性が高まる。

2011年以降、シーズン中に行われるメジャーの登録変更はほぼ倍増した。そのため、ファンが応援する球団の選手を把握し、親近感を抱くことが難しくなっている。

2025年に各球団が起用した選手数は平均57人で、最多のブレーブスはシーズンを通じて72人を起用した。

メッツは投手46人を起用(内訳:先発17人、救援39人)。投手が登録から7日未満で外れた例は36回に上り、14人がDFAとなった。6投手が少なくとも4回マイナーへオプション降格され、先発投手が6イニング以上を投げた試合は全体の26%にとどまった。

ルール5ドラフト

MLBの提案には、毎年行われるルール5ドラフトの変更も含まれている。選手層の厚いマイナー組織で昇格機会を得られない選手が、40人枠へ入る機会を増やすことが目的だ。

ルール5ドラフトの対象となる時期を、現行制度より1年早める案が提示された。初めての契約を結んだ時点で20歳未満の選手は、契約後4度目のルール5ドラフトから指名対象となる。20歳以上の選手は、契約後3度目のドラフトから対象となる。

ルール5ドラフトで指名された選手は、メジャーのアクティブロースターに残り続ける必要がなくなり、マイナーへのオプション降格が可能となる。ただし、指名した球団は40人枠に残さなければならない。

MLBが別途提示している国内新人選手ドラフトと国際アマチュア選手制度の案を組み合わせると、大半の大学出身選手は現在より最大2年早くルール5ドラフトの対象となる。一方、大半の海外出身選手については、対象となる時期が現状のまま維持される。

オフシーズンの日程

ファンから最も注目を集めそうなのが、オフシーズンの日程変更だ。毎年開催されるウインターミーティングの前後に、フリーエージェント市場の動きを活発化させることを目的としている。

提案では、選手や球団が契約オプションを行使または破棄できる期間は、現行通りワールドシリーズ終了後の5日間となる。その後、ウインターミーティング初日の月曜、米東部時間正午まで「クワイエット・ピリオド」が設けられる。この期間中も球団は選手や代理人と交渉できるが、正式な契約合意は成立させられない。「クワイエット・ピリオド」の対象はFA選手に限られ、球団間のトレードは実施できる。また、選手が元の所属球団と再契約することも認められる。

FA市場はウインターミーティング初日の月曜に正式解禁され、12月21日まで続く。暦によって約2~3週間となるこの期間に契約を集中させ、NFLやNBAのように、FA市場での盛り上がりを促すのが狙いだ。

12月21日から2月最初の月曜までは「フローズン・ピリオド」となり、メジャー選手が関係するすべての移籍手続きと契約が停止される。スプリングトレーニングが近づく2月最初の月曜から、トレードとFA契約が再び解禁される。