若手打者10人、ブレイクするのは誰か!?

May 9th, 2025

多くのチームにとって、シーズンの成功は若手の「有望株」が「本物」へと成長するかによって大きく左右される。

当然メジャーの世界は甘くないが、適応し結果を出すことができれば、その勢いがポストシーズン進出、さらにはワールドシリーズ制覇へとつながることもある。

では、2025シーズン、そんな「ブレイクの兆し」を見せている若手打者たちは誰だろうか?

カブスの外野手ピート・クロウ=アームストロングや、タイガースの一塁手スペンサー・トーケルソンといった選手はもちろん、他にもまだあまり見つかっていない選手たちが多く存在している。

今回はそんなブレイク候補生たちを10人紹介しよう。

※成績はすべて5月7日水曜日時点のものです

1. ジョナサン・アランダ(レイズ/一塁手)

メジャー昇格のチャンスをつかんだ24歳のアランダは、しっかりとそのチャンスをモノにしている。

開幕から絶好調で、打率.317、5本塁打、OPS.971と自己最高を大きく上回る成績をマーク。特に右投手相手にはOPS1.066と無類の強さを見せ、変化球への対応も打率.435と抜群の数字を残している。

ハードヒット率(95マイル=153キロ超の打球割合)はメジャー全体で大谷翔平に次ぐ2位、レイズのレギュラー打者で唯一のOPS.800超えを記録するなど高い貢献度を誇るアランダ。主力一塁手として、今やタンパベイにとって欠かせない存在となっている。

2. マイケル・ガルシア(ロイヤルズ/三塁手)

2024年から2025年にかけてのガルシアの成長には目を見張るものがある。昨季の打率.231、OPS.613から、今季は打率.323、OPS.888と見違えるような成績を残している。

しかも、他のデータを見る限りこの活躍は偶然ではない様子で、守備面でも三塁・二塁・外野をこなすユーティリティ性を発揮している。

長打率.500近辺、さらに9盗塁とスピードも健在。昨季はロイヤルズのリードオフマンとして打線に貢献できなかったが、2025年は一転して中軸を任される実力を示している。

3. ハンター・グッドマン(ロッキーズ/捕手・DH)

昨季は211打数で13本塁打と、長打力はもともと評価されていたが、今季は打撃全体のレベルを上げている。

ここまで打率.271、5本塁打、OPS.784とバランスの取れた数字をマーク。現在、WAR(Wins Above Average: どれだけチームを勝たせたか)でチームトップの打者となっている。

卓越したバットスピードに加え、打者に有利な本拠地(クアーズ・フィールド)も追い風となり、捕手というポジションで屈指のパワーヒッターになれるポテンシャルを見せている。

2024年と比べて四球を2倍以上も選べるようになっている点も成長の証。この調子を維持できれば、ロッキーズにとって将来の中軸を担う存在となる可能性は十分だ。

4. カイル・マンザード(ガーディアンズ/DH)

ここまで、四球率を昨季の2倍以上に伸ばし、さらに長打力も大きく進化。打率こそ高くはないが、すでにチーム最多の8本塁打を記録し、OPS.798としっかり数字を残している。

1年目(OPS.703)から2年目でこれだけ成績を伸ばしたことで、24歳のマンザードはDHもしくは一塁のレギュラーとして定着。もし今後、打率が上がり三振が減れば、さらに上のレベルの選手へと到達するポテンシャルを秘めている。

5. ザック・ネト(エンゼルス/遊撃手)

オフシーズンの肩の手術の影響で、今季は開幕から18試合を欠場したためサンプル数は少ないものの、復帰後のインパクトは十分だ。わずか17試合で4本塁打・7盗塁と、今年もパワーとスピードを兼ね備えた活躍を見せている。

昨季も23本塁打・30盗塁・OPS.761と好成績を残していたが、今季はそれを上回るペース。打撃内容や走塁指標でも向上が見られ、データにも好材料が並ぶ。

このままシーズンを通して活躍できれば、MLB屈指の「打てる遊撃手」としての地位を築く存在になるかもしれない。

6. ローガン・オハピー(エンゼルス/捕手)

2023年に51試合で14本塁打を放つなど、早くから打撃のポテンシャルを示していたが、2025年はキャリア最高の打撃成績を更新している。

ここまでに9本塁打、OPS.869をマークしており、これらはメジャー全体の捕手の中で2位にあたる(1位はマリナーズのカル・ローリー)。

特筆すべきはバレル率(バットの芯に当たった割合)の成長で、昨年の12.0%から19.4%まで上昇。リーグ屈指の成績を収めている。

三振率(34.8%)の高さは課題だが、それを差し引いても打撃でのインパクトは十分。特にトラウト不在のエンゼルスにおいて、前述のネトと並んで打線で存在感を放っている。

7. アンディ・パヘス(ドジャース/中堅手)

2024年にOPS.712だったのが今年に入り.838まで成長。ドジャース外野陣における明るい材料となっている。

シーズン序盤は打率.183と苦しんだが、4月23日以降の12試合で21安打(打率.412)と絶好調。すでに1.4WARを記録しており、昨季の通算成績(116試合で1.3WAR)を早くも上回っている。

テオスカー・ヘルナンデスの負傷やマイケル・コンフォートの不振など、外野陣に不安要素が多い中で、パヘスの成長はチームにとって大きな意味を持っている。

この爆発が一時的なものでないなら、パヘスはドジャースの将来的な中堅手の本命として、さらに存在感を増していくだろう。

8. ヘラルド・ペルドモ(ダイヤモンドバックス/遊撃手)

2021年のデビューから早くも四年が経つが、まだ25歳。ペルドモは、まだまだ成長曲線を登っている最中だ。

ここまで5本塁打、9盗塁、キャリアベストとなる打率.285、出塁率.395、長打率.454、を記録し攻撃面で飛躍している。

ペルドモは過去にも春先に好スタートを切ったことがある。たとえば2023年には同時期で打率.400超、OPS.1100超という驚異的な成績を残していたが、その後失速。しかし今季は、三振18、四球26と非常に安定した選球眼を見せており、一時的ではない成長を感じさせる。

もしこの調子を維持できれば、コービン・キャロルマルテと並ぶ強力打線の中核となる存在へと成長していく可能性を十分に持っている。

9. ビクター・スコットII(カージナルス/中堅手)

メジャーデビューを果たした昨年は、守備面でこそ高評価を受けていたものの、打撃では打率.179、2本塁打、OPS.502と苦しんだシーズンに。

しかし2025年は一転して、打率.289、OPS.772と大きな飛躍を遂げている。これにより、リーグ3位タイのスプリントスピードが生かされており、ここまで11盗塁をマーク。まさに相乗効果を発揮している。

昨年は引っ張り中心だった打撃が、今年は角度や方向のバランスが改善。特に速球への対応力が際立っており、ストレートに対しては打率.455を記録している。

打率、四球率ともに上昇し、すでに今季1.2WARを記録(チーム内ではブレンダン・ドノバンに次ぐ2位)。センターラインの守備だけでなく、打撃でも貢献できる選手として走・攻・守の三拍子を揃え始めている。

10. ブライス・チュラング(ブルワーズ/二塁手)

これまで通算打率.239と苦しんでいたが、MLB3年目を迎えた今季はここまでで打率.318、3本塁打、8盗塁と、大きな成長を見せている。

昨季はバレル率でMLB下位3%、ハードヒット率も9%と低調だったが、今年はそれぞれ48%、71%へと大きく上昇。

平均打球速度は昨季よりも8.7キロアップという変化を見せており、明らかにバッティングに自信を持って振れていることがうかがえる。

「守れるセカンド」から「守れて打てるセカンド」へと進化するチュラング。ミルウォーキーの攻撃の中核を担う存在へと確実に成長しつつある。