2026年シーズンが始まって間もないが、MLBに導入された新たなABS(自動ボール・ストライク)チャレンジシステムが、すでに大きな場面で存在感を示している。29日(日本時間30日)のツインズ対オリオールズ戦でも、試合終盤の重要な局面で、その効果がはっきりと表れた。
九回、同点の走者を打席に迎えた場面。オリオールズは2度のチャレンジで判定を覆し、四球になりかけた場面を三振に変えて2アウト目を奪った。
まず、守護神ライアン・ヘルズリーがジョシュ・ベルに投じた3-0の球はボールと判定されたが、捕手アドリー・ラッチマンがチャレンジしてストライクに覆った。その後、3-1からベルがファウルで粘りフルカウントへ。続く外角スライダーもボールと判定され、ベルが一塁へ歩きかけたが、ここでヘルズリーがまたしてもチャレンジを要求。わずか0.3インチ(7.6ミリメートル)ゾーン内に入っていたと判定され、ストライクで三振となった。
「きょうはチャレンジをうまく使えたと思う。ヘルズリーのケースは少し珍しかったけどね。彼はボール判定に気づくのが少し遅れていたようだった」とオリオールズのクレイグ・アルバーナズ監督は振り返った。
オリオールズが3-2の球をチャレンジするまでに時間がかかりすぎたと審判団と口論になったツインズのデレク・シェルトン監督は、球審クリス・シーガルに退場を宣告され、今季2人目の退場者となった。
シェルトン監督は「ヘルズリーが帽子に触れてチャレンジを要求したタイミングが遅かったと思った。正確には分からないが、私にはそう見えなかった。3秒以内にやるべきだ。でも審判団は大丈夫と判断したようだ」と語った。
「(シェルトン監督が)あそこで抗議したのも理解できる。確かにあの場面では審判がすぐに自分の動きに気づかなかったみたいで、あれ、と思った。だから、もう一度合図を送ったんだ。後ろにいた(二塁塁審の)ラズ・ディアスが『すぐにやっていた』とフォローしてくれた。新しいシステムだから、多少の混乱はあると思うし、きょうはまさにそういう場面だった」とヘルズリーは振り返った。
この打席でオリオールズは2度チャレンジし、いずれも成功。これでこの日のチャレンジは4回中4回成功となった。一方のツインズは七回にチャレンジを失敗し、この時点で権利を使い切っていた。
九回、ベルがフルカウントから三振に倒れて2死となった後、カラティニが失策で出塁し同点走者が出たが、最後はヘルズリーがアウトマンをレフトフライに打ち取り試合終了。もしベルが四球で出塁していれば、試合の行方は変わっていた可能性もある。
ベルは「いい球だった。脱帽だよ」と語り、判定を受け入れていた。
