グラウンド上のわずかな動きまで計測され、高度な学位を持つ分析担当者が一つ一つの判断を議論する。そんな洗練された時代にも、野球には昔ながらのやり方が残っている。少しうれしくなる話だ。
ミルウォーキー・ブルワーズの先発メンバーも、その一つだ。
「毎朝、こういう小さなナプキンに書いているんだ」と、パット・マーフィー監督は24日、ブルワーズがレイズに5-4で勝利したワールドシリーズ第2戦の前に話した。
「それをニンジャに送ると、ニンジャがみんなに回してくれる。君たちが思うほど複雑じゃない」
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「ニンジャ」は、マーフィーがコーチングスタッフのエバン・マーティンにつけた愛称だ。おそらく、目立たずにチームの活動を支える働きぶりに由来するのだろう。正式な肩書は「試合準備スペシャリスト」。仕事の一つが、マーフィーの決めた先発メンバーを、メジャー部門のテクノロジー担当マネジャー、オーガスト・サンドリに伝えることだ。サンドリが所定の書式に入力し、アプリを通じて必要な全員に配信する。
そして、実際に小さなナプキンに書かれてニンジャに届く日もある。普段は、紙の切れ端だ。
「その日、監督の手元にある紙なら何でも使う。なかなか芸術的な作品だよ。ダイヤモンドを描いて、選手の守備位置と打順を書き込むんだ。処方箋みたいな感じだね」とマーティンは話した。
実物はこんな具合だ。第2戦の先発メンバーは、午前9時27分にマーティンへ送られた。
「写真を撮る腕は、ずいぶん上がった。シーズン序盤には、全体がぼやけている写真もあったからね」とマーティンは話した。
どれほど見づらくなるか、実例がある。8月1日、ロサンゼルスでエンゼルスに3-1で勝利した試合の先発メンバーだ。
こうした写真から、マーフィー監督の好采配も見えてくる。6月24日のシンシナティでの試合では、ギャレット・ミッチェルが中堅で先発したが、七回にレッズの左腕サム・モルを迎えると、代打にアンドリュー・ボーンが送られた。ボーンは走者一掃の三塁打を放ち、6-5の勝利につながる決勝点をたたき出した。
もちろん、すべてが成功するわけではない。指揮官は、カブスに1-2で敗れた9月3日の分も見せてくれた。調子を上げつつあったクリスチャン・イエリチが6番に入り、チームは得点圏で5打数無安打に終わった試合だ。その日は送信前に、いくらか考え直した形跡がはっきりと残っている。
そう、毎日の先発メンバーは、本当にマーフィー監督自身が考えている。フロントとコーチ陣は、多大な労力をかけてスカウティングリポートと詳細な試合プランを作成する。どの打者をどの投手に対して使うべきか、単純な左右の相性をはるかに超えた細部まで、膨大な情報をマーフィーに提供している。
ただ、先発メンバーはマーフィーが決める。本人は、その作業をそれほど複雑だとは考えていない。
「相手は誰か、こちらの最も優れた打者は誰か、最も調子がいい選手は誰か。この球種構成に、どの打者がどう対応できるか。打線の切れ目はどこか、相手はそこにどの救援投手を当ててくるか、それでどれだけ不利になるか。そういうことを考える。選手の打席数を減らしてしまう可能性も避けたい。そうした要素をすべて踏まえて打順を組むんだ」と指揮官は話した。
さらに、こう続けた。「明日、君と私で座って、いくつかの疑問を整理するとしよう。私が『いいか、レイズの第3戦先発、フレディ・ペラルタはこう攻めようとしてくる。この打者とこの打者には、こんな対応をする』と話す。言いたいことは分かるだろう? 相手をどれだけ知っているかも含めて、すべてが関わってくる。そうやって君と話せば、文字通り3分で終わる。結局は、こちらか、あちらか。それから次の判断。順に整理すれば、かなり絞り込める。忘れちゃいけないのは、上位の選手には最も多く打席に立ってほしいということだ。基本的には、そう考えるんだ」
一緒に働く側にとっても、ありがたい監督だ。
「ここに来たばかりの頃は、少しからかわれたけど、監督は両手を広げて迎えてくれた。自分もチームの大切な一員だと感じさせてくれた」とマーティンは話した。
