【レイズ3-7フィリーズ】フィラデルフィア/シチズンズバンクパーク、9月27日(日本時間9月28日)
フィラデルフィアは歓喜に沸いた。
シチズンズバンクパークのホーム側クラブハウスで、シャンパンやビールの栓を抜いて祝う光景。それは、つい1週間前までは当然訪れるものと思われていた。残り5試合の時点で、ナ・リーグのワイルドカード最後の出場枠を争うダイヤモンドバックスと4ゲーム差。エライアス・スポーツ・ビューローによると、ポストシーズンが始まった1903年以降、この状況からリードを失ったチームは、過去に一つもなかった。
しかし、フィリーズはその史上初のチームになりかけた。フィリーズが4連敗する一方で、ダイヤモンドバックスは4連勝。ポストシーズンへの切符をつかむには、シーズン最後の試合での勝利が必要になってしまっていた。負ければ、残り12試合で6.5ゲーム差を守れず、カージナルスにナ・リーグ優勝をさらわれた1964年のチームとともに、球団の不名誉な歴史に名を刻むところだった。
だが、2026年のチームは仕事を果たした。紆余曲折に満ちたシーズンだったが、162試合目を笑顔で終えることができた。
シーズンの始まりを思い出してほしい。開幕から9勝19敗と低迷し、4月28日にロブ・トムソン監督が解任された。
ドン・マッティングリーが後を引き継ぐと、フィリーズは立ち直っただけでなく、その後数カ月にわたってメジャー屈指の成績を残した。先発陣にはヘスス・ルザルド、クリストファー・サンチェス、ザック・ウィーラーがそろい、8月3日にジャイアンツからルイス・アラエスが加入すると、打線もようやくかみ合い始めた。ポストシーズンで勝ち進むのではないかという期待感に包まれていた。
ところが、再びつまずいた。8月にはメジャー屈指だった打線が、9月には文字通りワーストクラスに転落。特にシーズン最終週の落ち込みは激しく、最悪のタイミングで最悪の野球をしてしまった。
4連敗中に挙げた得点はわずか3。その間には21イニング連続無得点もあった。これほど長く得点できなかったのは、15カ月ぶりだった。
最も重要なタイミングで、勢いにかげりが見え始めていた。そんな中で、マッティングリー監督が「第7戦」と呼んだこの負けられない一戦を、エースのウィーラーに託した。元々はこの日の先発を回避し、2日後のナ・リーグのワイルドカードシリーズ第1戦に起用する予定だった。
右腕は見事にその期待に応えた。6回を1失点に抑え試合を作ると、打線もしっかりとエースを援護した。
キャリアでわずか7度目の4番起用となったブライソン・ストットが、初回2死から適時二塁打を放ち、1-0と先制。二回にはJ.T.リアルミュートが34打数連続無安打の不振を断ち切る適時二塁打を放ち、2-0とした。さらに2死からカイル・シュワーバーの二塁打で2人が生還し、4-0とリードを広げた。
シュワーバーの打球速度は116.8マイル(約188.0)キロ。今季の自身の安打では、それまでの最速を約6.1キロ上回る一打だった。
また、五回に飛び出したブライス・ハーパーの本塁打は、チームにとって22日以来、ハーパー自身にとっては9月12日以来の一発だった。
七回にアレックス・マクファーレンが2点を失ったが、マッティングリー監督は八回にルザルドを投入。今季のフィリーズで最高の投手だったともいえるルザルドだが、左肩の炎症により、9月7日を最後に登板から遠ざかっていた。
打者と対戦するのも、その日以来初めてだった。それでも、フィリーズにとって最善の選択肢なのだから、起用しない手はなかった。
ルザルドはわずか4球で三者凡退に抑えた。
今週、ルザルドはブルペンに入る可能性がある。ウィーラーも同様だ。打線が本来の力を発揮すれば、2022年と2023年のナ・リーグ地区シリーズのように、ブレーブスを倒せるかもしれない。
戦いは2日後に始まる。
