ドジャースはナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS=7回戦制、13日開幕)進出まで、あと1勝に迫っている。
しかし、フィリーズがその道のりをずっとスリリングにした。
敵地シチズンズバンクパークでアウェーの空気をものともせず、ドジャースは2連勝でフィリーズの本拠地アドバンテージを打ち消した。
だが、8日(日本時間9日)、本拠地ドジャースタジアムでの試合では、スイープ(3連勝)を逃した。
第3戦でフィリーズが勝利をつかんだ最大の要因の一つは、トレイ・ターナー、カイル・シュワーバー、ブライス・ハーパーの上位3人が打線の中心としてついに目を覚ましたことだった。第2戦まではドジャース投手陣が破壊力を封じ込めていたが、この日は違った。
ドジャースは2勝1敗でワールドシリーズ王者としての防衛に向けて前進している。
一方のフィリーズは、地区シリーズ(NLDS)2年連続での敗退を避けるため、再びがけっぷちからの生き残りを懸けて戦う。
先発投手は?
ドジャース:右腕 タイラー・グラスナウ(4勝3敗、防御率3.19)
グラスナウは昨季、ドジャースがワールドシリーズ制覇を果たしたポストシーズンでは、シーズン終盤の負傷離脱により登板できなかった。
しかし、今季はその雪辱を果たすように、第1戦で救援として1回2/3を無失点に抑え、ポストシーズンのマウンドに復帰。第4戦では待望の「ドジャースとして初の先発登板」に臨む。
NLDSではすでに登板しているとはいえ、第4戦では万全の状態での先発が見込まれている。グラスノナウは右肩の炎症でレギュラーシーズンの一部を欠場したが、復帰後は安定したピッチングを続けていた。
負傷者リストから戻って以降の13先発では、防御率2.86と見事な数字を残している。
フィリーズ:左腕 クリストファー・サンチェス(13勝5敗、防御率2.50)
サンチェスは第1戦で立ち上がりから快投し、五回まで無失点で切り抜けた。六回にやや苦しんだものの、最終的には5回2/3を投げて4安打2失点、8三振と力投した。
今季のサンチェスはサイ・ヤング賞級のレギュラーシーズンを送った。ナ・リーグ投手の中で投球回(202回)は2位、防御率(2.50)は3位、WHIP(1.06)は4位、奪三振数(212)は5位にランクイン。フィリーズ先発陣の軸として安定感抜群のシーズンを過ごした。
スタメンは?
ドジャース
第1戦でサンチェスと対戦したときのオーダーとほぼ同じ構成だが、今回はウィル・スミスが捕手として先発出場する。
左腕サンチェスが先発のため、マックス・マンシーはスタメンを外れているが、試合展開次第では最初に代打として起用される可能性が高い。
- 大谷翔平(DH)
- ムーキー・ベッツ(遊撃)
- テオスカー・ヘルナンデス(右翼)
- フレディ・フリーマン(一塁)
- トミー・エドマン(二塁)
- ウィル・スミス(捕手)
- アレックス・コール(左翼)
- キケ・ヘルナンデス(三塁)
- アンディ・パヘス(中堅)
フィリーズ
ハリソン・ベイダーがハムストリングの張りを抱えているため、第3戦の勝利時と同じラインナップで臨む。
- トレイ・ターナー(遊撃)
- カイル・シュワーバー(DH)
- ブライス・ハーパー(一塁)
- アレック・ボーム(三塁)
- ブランドン・マーシュ(中堅)
- J.T.リアルミュート(捕手)
- マックス・ケプラー(左翼)
- ニック・カステヤノス(右翼)
- ブライソン・ストット(二塁)
先発降板後のリリーフ投手起用はどうなるか
ドジャース
第3戦ではリリーフを4人起用したが、信頼度の高い勝ちパターンの佐々木朗希(23)、アレックス・ベシア、エメット・シーアンの投入は避けられた。ロバーツ監督は佐々木を新クローザーと明言はしていないものの、ルーキーは地区シリーズ最初の2試合で連続セーブを記録している。一方、タナー・スコットやブレイク・トライネンらベテラン勢はレギュラーシーズンで苦しんだ。スコットは第3戦を私的理由でチームから離れており、第4戦からメンバー登録を外れた。
フィリーズ
第3戦で終盤に突き放したことで、がけっぷちの状況ながら救援投手陣は十分に休養が取れている。第3戦の七回にブルペンで肩を作っていた守護神ヨアン・デュランは、終盤のリード時には3アウト以上を任される可能性がある。左腕マット・ストラムと右腕オライオン・カーケリングは引き続きデュランの登板前、プレッシャーがかかる僅差の局面を担い、右腕デービッド・ロバートソンと左腕タナー・バンクスが中盤の回をカバーするプランが考えられる。
注目の負傷情報は?
ドジャース
右手にひびを抱えるウィル・スミスは、第3戦で今ポストシーズン初の先発出場を果たした。今後も捕手としてスタメン出場が可能と見られる。トミー・エドマンは、今季2度の負傷者リスト入りの原因となった右足首の状態を引き続き管理する必要がある。
フィリーズ
ハリソン・ベイダーは第1戦で負った太もも裏(ハムストリング)の負傷の影響が続いており、今回も代打要員にとどまる見込み。ベイダー以外で最大の痛手はエースのザック・ウィーラーで、9月23日にセントルイスで胸郭出口症候群の除圧手術を受け、ポストシーズンは欠場する。
好調、不調の選手は?
ドジャース
“10月のキケ” が完全復活した。ここまで18打数6安打(打率.333)で4打点を挙げている。ムーキー・ベッツもレギュラーシーズン終盤の好調を維持し、22打数9安打(打率.409)と打ちまくっている。
一方、アンディ・パヘスは全体で19打数1安打(打率.053)と苦戦中。第3戦では、特に投手との相性に基づくとは思えないタイミングで代打を送られたが、ドジャースには中堅手として実質的に彼以外の選択肢がほとんどいない。また、大谷翔平(31)もこのシリーズでは打撃で苦しんでおり、15打席中7三振とリズムをつかめていない。
フィリーズ
カイル・シュワーバー、トレイ・ターナー、ブライス・ハーパーの上位打線トリオは、第3戦でそろって不振を脱した。NLDSの最初の2試合では3人合わせて21打数2安打と沈黙していたが、第3戦では全員が複数安打を記録し、シュワーバーに至っては2本塁打の猛打賞をマークした。
ファンが知っておきたいことは?
・フィリーズとドジャースのポストシーズン対戦は通算6度目。これまでの5回はいずれもNLCSで、ドジャースが1977年と1978年に勝ち、フィリーズが1983年、2008年、2009年に勝っている。
・ドジャースは、四半世紀途絶えているワールドシリーズ連覇の壁に挑む。直近で連覇を達成したのは、1998〜2000年に3連覇したヤンキース。

