ブルワーズの剛腕エース、ジェイコブ・ミジオロウスキーに、どんな未来が待っているのかは誰にも分からない。ただ、パット・マーフィー監督が一つだけ分かっていることがある。24歳の「ミズ」のキャリアは、まだ始まったばかりだ。
「まだ、持っている力のほんの一部しか見せていない」とマーフィー監督は、9月のカブス戦での登板後に語った。
「この若者は、本当に素晴らしい投手になれる。疲れがたまっているのは、みんな分かっている。それでも、本当に特別な投手になれるんだ。まだ投球というものを学び始めたところだ。投げる球は桁外れだ」
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オールスターに2年連続で選出され、あらゆる記録を塗り替え、歴史的なシーズンを過ごした。そんなスーパースターへの階段を駆け上がるミジオロウスキーの魅力は、今も少年の心を持ち続けていることだ。
そんな一面を、一問一答でお届けしよう。
有名になると、生活はどう変わるのか。
ミジオロウスキー:楽しいけど、大変なこともある。ターゲットに買い物に入るだけで、必ず気付かれるんだ。でも困ることより、いいことの方が多いよ。でも時々、距離感が分からない子どもたちに囲まれて、「みんな、ちょっと待ってくれよ。僕にも野球以外の生活があるんだよ」と思うことはある。それでも、うれしいことだよ。
子どもたちに人気なのは、どんなところだと思うか。
ミジオロウスキー:一番大きいのは、僕の好きなものが、子どもたちの好きなものとたくさん重なっていることだと思う。テレビゲームやポケモンカードとかね。人にどう思われるかは、あまり気にしない。僕は僕らしくいるだけだ。そこに引かれて、親しみを感じてくれるんじゃないかな。
特に印象に残っているファンとの交流は?
ミジオロウスキー:カードショップに小さな男の子がいて、野球よりポケモンに夢中だったんだ。僕は座って、その子とポケモンの話をしていた。すると、お父さんが僕に気付いたんだけど、何も言わずに少し離れて、僕らをそのまま話させてくれたんだ。男の子もいい子で、ただポケモンの話をして、楽しかった。その後、お父さんが僕のことを教えると、その子は「うそ、本当に?」って。そういうのが大好きなんだ。その子は僕が誰かなんて気にせず、ただポケモンの話をしていた。それが正体に気付いた途端、有名人に会った驚きでいっぱいになる。本当に楽しかったよ。
ポケモンに夢中になったきっかけは。
ミジオロウスキー:父と一緒に野球やアメリカンフットボールのカードを集めていたんだ。その後、任天堂のゲームボーイで遊ぶようになって、そこからポケモンにはまった。ずっと大好きで、いつまでも遊んでいたゲームだった。カードもあると知って、すっかり夢中になったよ。
それがクラブハウスでもブームになったのか。
ミジオロウスキー:昨年は遠征先でカードショップを巡っていた。でも今は、ほとんど僕だけだ。ジャレド・ケーニグはチームと一緒にいる機会が減ったし、「ビッグ・ウー」(ブランドン・ウッドラフ)は遠征に帯同していない。リース・ホスキンスもいなくなった。だから、昨年一緒に回っていた仲間が今年はいないんだ。それでも、行ってみたい店を見つければ、今も時々足を運んでいるよ。
他に、意外に思われそうな趣味はあるか。
ミジオロウスキー:狩りと釣りは入るかな。中西部出身だから、驚かれないかもしれないけど、それが一番の趣味だ。実は最近、シカ狩りのためにミズーリ州北部で土地を買ったんだ。オフの楽しみになるね。婚約者は裁縫や刺しゅうに夢中だけど、僕はそれはまだだね。根気がないんだ。彼女に勧められてやってみても、毎回いらいらして、別のことをしたくなる。でも彼女も僕と一緒にポケモンを楽しんでくれるから、それが共通の趣味だね。
投球フォームでも、配球や攻め方でも、まったく別のことでも構わない。昨年と比べて、今年最も大きな違いを生んだものは何か。
ミジオロウスキー:正直に言えば、自然体でいられることだね。昨年もそうではあったけど、失敗しても大丈夫だと思えるようにならないといけないし、仲間が支えてくれると理解することも大切なんだ。
君の投球を見て「あんなふうに投げたい」と思う子どもに、何と伝えるか。
ミジオロウスキー:一番大切なのは、速い球を投げることだけを目標にしないことだと思う。それが実際、僕の成長を妨げていた。どうしても出したい球速を必死に追いかけて、ついに届くと、「やった、できた!」となって、かえって勢いを失ってしまう。100マイル(約160.9キロ)を出そうとするより、98マイル(約157.7キロ)を安定して投げることを目指すべきだ。100マイル(約160.9キロ)は、その先についてくると考えればいい。全力を出し切ることより、安定感を目指してほしい。一番大切なのは、やろうとしていることを繰り返しできるようになること。それが、この競技の肝なんだ。簡単に聞こえるけど、ものすごく難しい。
これまでを振り返って、いつかメジャーリーグで投げられるかもしれないと思ったのは、いつだったのか。
ミジオロウスキー:正直、ディビジョンⅠの大学から誘いが来るようになったとき、「自分には何かあるのかもしれない」と思った。高校3年のときにオクラホマ州立大への進学を決めていたけど、その後に新型コロナの流行が起きて、大学のプログラムが縮小された。僕の奨学金も全額支給から少し減ることになった。家は裕福ではなかったし、その条件で進学するのは家族にとって難しかった。だから、短期大学に進む道を選んだんだ[ミズーリ州ネオショーのクラウダー・カレッジへ進学]。結果的に早くドラフト指名を受けられたから、その道で良かったと思う。
その3年後にはメジャーリーグに到達し、さらに1年後には飛躍のシーズンを送った。今シーズンを、どうすればこれからも超えていけるのか。
ミジオロウスキー:改善点はたくさんある。スライダーも、チェンジアップも磨ける。改善できることは、いつだってあるんだ。練習やトレーニングについて言えば、高校時代を振り返ると、嫌いなことが多かった。毎晩テレビゲームをする代わりに、課題に取り組まないと行けなかったからね。でも、これを仕事にするために何が必要か分かり始めて、すぐに本気で取り組むようになった。今は、その過程が大好きだ。アドレナリンが出て、高揚感がある。ウェイトトレーニングをするときの、あのふわっとして、ぼんやりするような感覚があるだろう。あれが好きなんだ。
マウンドでも、その感覚になるのか。
ミジオロウスキー:少しね。フィリーズ戦[6月に1安打、15奪三振で完封]では、浮いているような感覚があった。特にはっきり覚えているのは、ポストシーズンでカブス相手に投げたときだ。何も感じなかった。あの試合はずっと、宙に浮いているようだったよ。
