昨年、レイズが77勝85敗と期待外れの成績でプレーオフ進出を逃したあと、MLB.comのアダム・ベリー記者は、オフに向けた改善点として外野陣に焦点を当てた。
「むしろ、守備の方が気がかりだったともいえる。外野陣の守備防御点(DRS)は-6でメジャー19位、アウト・アバブ・アベレージ(OAA)は-9で20位、フィールディング・ランバリュー(FRV)は-12で26位だった」
球団も同じ課題意識があったのだろう。元外野手のコーリー・ディッカーソンを一塁コーチ兼外野守備コーチに迎え、長年レイズでプレーした守備の名手、ケビン・キアマイアーにもキャンプでの指導協力を依頼した。
また、守備に不安を抱えるメンバーを放出し、代わりに近年は成績が落ちていたものの、全盛期には優れた守備を誇ったベテランのセドリック・マリンズを獲得した。
さらに、昨季は負傷で20試合の出場にとどまった守備力の高いジョニー・デルーカの復帰を見込んでいたこともあり、守備の改善は順調に進んでいた。実際、春季キャンプの時点でケビン・キャッシュ監督は「おそらくキャンプで最も明るい材料」と外野守備を評していた。
結果はその前向きな予想を上回るほどだ。打球を打ち取る能力では、スタットキャスト史上最高の外野陣へと成長。本塁打を除く、220フィート(約67.1メートル)以上飛んだ打球に対し、2026年のレイズの被打率は.256だった。つまり、安打になったのは約4分の1にすぎない。
これは、スタットキャストの計測史上、各球団のフルシーズンの成績を合わせた300例以上の中で、最も低い数字。打球を芝に落とさず、グラブに収めることに関しては、レイズ以上のチームはなかった。
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なお、2025年の同数字は.301。今年より.045高く、メジャー21位だった。
ここで、何を指しているのかを明確にしておこう。レイズは「スタットキャスト史上最高の外野守備陣」ではない。その称号は今年のカブスのものだ。総合指標のフィールディング・ランバリューには、送球による貢献も含まれる。この分野で2026年のカブスは+13点とメジャー最高だった一方、レイズは-3点で20位だった。
だから、ここでは「打球をアウトに変える」という部分を測るアウト・アバブ・アベレージ(OAA)に絞って見ていく。昨年はワースト9位タイまで低迷したものの、本拠地の移動というイレギュラーな事態が影響した可能性はある。特に、トロピカーナフィールドはもともとフライを捕りやすい球場だったことを考えると、なおさらだ。
だが、それだけではなく、メンバーを入れ替えたことも大きな理由の一つだ。特に、OAA+13と素晴らしい守備を見せたデルーカの復帰と、2月に獲得し+8を記録したビクター・メサJr.の活躍は大きい。実際、2025年のレイズで打席に立った外野手12人のうち、2026年も残っているのは3人だけ。ただ、リッチー・パラシオスはわずか4打席で、ほとんど数に入らないため、実質的にはチャンドラー・シンプソンとデルーカの2人だ。(すべての判断が成功だったわけではない。昨年4試合に出場し、昨冬にホワイトソックスへ金銭トレードで移籍したトリスタン・ピーターズも、移籍先で一流の守備力を発揮している)
新戦力の加入だけではない。抜群の俊足を持ちながら、昨季はOAAが-5だったシンプソンが、+8へと大きく成長したこともある。オリオールズとメッツで+1と平均程度まで落ちていたマリンズも、+11まで復調し、再び球界屈指の外野手となった。
要するに、改善が外野陣全体に及んでいる。-2とまずまずだったユーティリティープレーヤーのライアン・ビレイドを除けば、レイズの主力外野手4人全員が、そうそうたる顔ぶれとともにメジャートップ15に入った。
このような成長の背景には、選手の顔ぶれや球場だけでなく、コーチ陣がかわったことも大きい。注目すべきは、レイズの中堅手の守備位置が6フィート(約1.8メートル)も後ろに下がったことだ。昨年はほぼ平均的な324フィート(約98.8メートル)だったが、今年は過去3シーズンの全チームで最も深い330フィート(約100.6メートル)になった。(本拠地変更の影響を除くため、敵地での試合だけを対象としている)
主な理由は、指導方針が変わったことで、素早く動き出し、的確に反応することがより重視されていることだ。足の速さそのものを教えることは難しくても、より良い準備や反応時間の改善は指導できる。ピート・クロウ=アームストロングが難しいプレーを簡単に見せるたびに指摘されるのも、その点だ。優れた外野守備では、ボールがグラブに収まる最後の1秒と同じくらい、テレビには映らない最初の1秒が重要なのである。
「とにかく予測すること。それを僕とディッカーソンはずっと重視してきた。守備でも攻める。積極的に動く。打球を読む。スイングを読む。状況を読むんだ」とシンプソンは6月に話していた。
「データを見て、『確かに、いいスタートを切れている』と分かるのは励みになる。ディッカーソンの存在は大きい」とデルーカも同じ時期に話していた。
3月には、ベリー記者が「キャッシュ監督によると、その指導が動き出しや加速の改善など、数字で確認できる進歩につながっている」と書いていた。
それは開幕の数週間前の話だった。1シーズンを終えた今、その意味を具体的に示すことができる。スタットキャストでの「ジャンプ」は、打球が放たれてから最初の3秒間に、正しい方向へ何フィート移動したかを測り、平均との差を示す指標だ。キアマイアーが得意とした分野で、2023年にもメジャー1位だった。ディッカーソンも、ゴールドグラブを受賞した2018年には3位と優れていた。現在、このランキングの上位に立つのはクロウ=アームストロングとセダン・ラファエラ。球界最高峰の中堅手2人と広く認められている選手たちだ。
このランキングでも、レイズの主力外野手4人のうち3人がトップ15に入っている。
そして、メサが入っていないのは、出場機会が規定に達していないからにすぎない。もし達していれば、平均を6.3フィート(約1.9メートル)上回るその動き出しは、メジャー1位に相当する。
例えば、7月にメサが見せた好捕を見てみよう。メサがトップクラスの速度に達したから捕れたわけではない。実際、そこまでのスピードは出ていなかった。理由は、動き出しの時点で平均を9フィート(約2.7メートル)上回ったことだ。平均的なスタートの外野手なら打球に近づくことさえできず、平均以下ならテレビ画面にすら映らなかったかもしれない。
動き出しがあまりに良いために、その瞬間にはすごさに気づけないこともある。
6月、メサが中堅を守っていたとき、タイガースのディロン・ディングラーが左翼方向へ鋭いライナーを放った。映像では、メサは走ってこそいたものの、跳んだり飛び込んだりすることなく捕球していた。それを可能にしたのが、平均を13フィート(約4.0メートル)も上回る動き出しだった。
以前からメジャー経験のあった主力3人は、全員が2026年にこの指標を改善した。
- マリンズ: -0.6フィート(約0.2メートル)から、+1.9フィート(約0.6メートル)へ。
- シンプソン: プラス0.3フィート(約0.1メートル)から、+2.4フィート(約0.7メートル)へ。
- デルーカ: 2024年の+1.6フィート(約0.5メートル)から、+2.6フィート(約0.8メートル)へ。
しかも、レイズはこの点で、2015年にスタットキャストの計測が始まって以来、どのチームよりも優れている。最高の動き出しを見せる外野陣であり、偶然そうなったわけではない。狙って取り組んできたことが、実を結んだのだ。
ヤンキースとの地区シリーズでは、レイズの優れた投手力や、球界屈指の三振を避ける打線の能力が盛んに取り上げられるだろう。どちらも正当な、実績に裏付けられた評価だ。ただ、この外野守備も忘れてはいけない。過去10年間に、これほど効率よく打球をアウトに変えた外野陣はなかった。断言はできないが、史上最高である可能性さえある。コディ・ベリンジャーやベン・ライスらが、内野を越える鋭い打球を放ったときに、このことを思い出してほしい。思わぬ場所で、グラブが待ち構えているかもしれない。
