【ヤンキース0−1レイズ】セントピーターズバーグ/トロピカーナフィールド 10月3日(日本時間4日)
ラスムッセンがヤンキース打線を圧倒した。
ヤンキースとの地区シリーズ初戦前日、レイズのエース、ドリュー・ラスムッセンは、投球という複雑な世界をシンプルに説明した。
「結局は2つだと思う。準備と実行だ」
投手コーチのカイル・スナイダーから、レイズの全投手にとって「基準となる存在」と評される右腕は、有言実行を果たした。
ア・リーグ地区シリーズ第1戦。ラスムッセンは八回2死までノーヒット投球を続け、ヤンキースをわずか1安打に封じた。10奪三振、2四球。レイズは満員の4万542人が詰めかけた本拠地で完封勝利を収めた。
「この場所はすごい。満員になると本当に好きな球場の一つ。こんな雰囲気を経験する機会はそれほど多くなかったから、ここで投げられたのは本当に特別だった」
八回2死、ウェルズが右翼線を抜く二塁打を放ち、ノーヒットを阻止した。
しかしヤンキースにとって数少ない反撃の糸口も、すぐについえた。ウェルズは三塁を狙ったが、ビクター・メサJr.から遊撃手テイラー・ウォールズへ完璧な中継がつながり、タッチアウト。
「ビクターは打球が角に入っていくのを見ながら、走者がどこへ向かっているかも確認していた。6番(ウォールズ)にボールを渡したのは、それはすごくいい選択だ。いつも通り、確実で正確な送球で最後を締めくくる最高のプレーをしてくれた」とラスムッセンは振り返った。
レイズにとっては、2021年のア・リーグ地区シリーズ第1戦以来となるポストシーズン勝利。シリーズの流れを大きく引き寄せる1勝となった。
5回戦制のポストシーズンシリーズでは、初戦を制して1勝0敗としたチームが、そのままシリーズを制したのは160回中116回、73%。現在の2-2-1方式による地区シリーズでは、本拠地で初戦を取ったチームの42勝14敗、75%という数字が残っている。
ラスムッセンの準備への姿勢は、シーズン終盤から高く評価されていた。
9月22日、ヤンキースタジアムでのレギュラーシーズン最終登板前に、ケビン・キャッシュ監督は31歳の右腕を、殿堂入り投手ロイ・ハラデーになぞらえていた。
キャッシュ監督がブルージェイズ時代に捕手として受けていた投手で、ポストシーズンでは今も唯一の個人ノーヒットノーランを記録している。
そのヤンキース戦でもラスムッセンは7回までノーヒット。11三振を奪い、レイズのア・リーグ東地区優勝を決める勝利をもたらした。
地区シリーズ初戦でもハラデーを思わせる投球を披露。自己最多となる23球の空振りを奪い、カッター、チェンジアップ、速球、ツーシームを織り交ぜてヤンキース打線を翻弄した。
打線の援護は、三回、ジョナサン・アランダがヤンキース先発コールから右翼中間へソロ本塁打の1点のみで、これが決勝点となった。
「エースの定義そのものがドリュー・ラスムッセンだと思う。マウンドで素晴らしい投球をしてくれたし、1年間ずっとそうだった。本当にうれしいよ」と値千金の一発を放ったアランダはそう称えた。
ヤンキース戦での強さは数字にも表れている。レギュラーシーズンでの通算10先発は5勝2敗、防御率1.81。10試合のうち9試合で2失点以下に抑えている。
8回に唯一の安打を許したものの、直後には守備がラスムッセンを支えた。9回はオールスター守護神ブライアン・ベイカーが登板。ヤンキースに最後まで反撃を許さず、レイズが初戦をものにした。
