ホワイトソックスには、次々と勝利を呼び込む秘密兵器が現れている。そして、最新の存在は……アイスクリームコーン?
正確には、レート・フィールドの冷凍庫に入っている「Drumstick(ドラムスティック)」という、米国で定番のチョコレートがかかったコーンタイプのアイスクリームだ。
「僕の野球人生で気づいたんですけど、コーンアイスは幸運を呼ぶんですよ。本当です。アイスクリームを食べるとヒットが出るんです」
ホワイトソックスのカイル・ティール(24)は5日(日本時間6日)、ガーディアンズとのア・リーグ地区シリーズ第2戦前の会見で笑顔を浮かべながら語った。
この「アイスの魔法」にも、ちゃんとしたきっかけがある。
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発端は4日(日本時間5日)だった。シカゴの地元テレビ局WGN-TVがサム・アントナッチ(23)に、3日(同4日)の地区シリーズ第1戦で村上宗隆(26)が四回にパーカー・メシック(25)から先制2ランを放った際、何をしていたのか質問した。
左腕メシックの先発に合わせてスタメンを外れていたアントナッチは、「アイスクリームを食べていました」と記者に答えた。ホワイトソックスはこの試合に3-0で勝利した。
当然、この映像はすぐにSNSで話題となった。
アントナッチには、これまでも何度か“バズった”エピソードがある。ミゲル・バルガス(26)と映画館で「スパイダーマン」を観た際には、2人そろってスパイダーマンの衣装を着て来場。その写真もSNSで大きな注目を集めた。
アストロズとのア・リーグ・ワイルドカードシリーズでは、ヒューストンでの選手紹介中にダグアウトの階段でつまずき、転倒した場面も話題になった。
さらに、死球を受ける回数が多い息子をいつも心配している母ニッキーさんに対し、アントナッチがユーモアを交えて「心配しすぎ」と語ったエピソードもある。
個性派がそろうホワイトソックスのクラブハウスでも、アントナッチはひときわ異彩を放つ存在だ。
「彼は本当に面白いですよ。この前のアイスクリームの話も、まさに彼らしいエピソードです」と、ホワイトソックスの選手育成部門責任者ポール・ジャニッシュ(43)はMLB.comにそう語った。
「でも、試合が始まってグラウンドに立つと、いい意味で完全にスイッチが入るんです。人柄について言えば、『自分の息子もこんな人間に育ってくれたら』と思えるタイプ。本当に、本当に素晴らしい若者です。彼がこちら側にいてくれて良かったですよ」
ティールもアントナッチについて語った。
「グラウンドを離れれば、すごく落ち着いている。試合が始まっても、ダグアウトでは落ち着いている時もあるけれど、ヘルメットをかぶると何が起きるか分からない。自分をたたき始めるし、レンガの壁にでも突っ込んでいきそうな勢いになるん。ヘルメットか帽子に魔法でもかかっているのか分からないけれど、グラウンドではまるで野獣だよ」
そんな“野獣”のアントナッチには、アマチュア美容師という一面もあるようだ。ティールは会見で、打撃練習前にアントナッチから後頭部の髪を「フェード」と呼ばれる刈り上げに整えてもらったと明かした。
「カミソリで少し整えてくれました。あいつは僕の(襟足の一部だけを細長く伸ばす)ラットテールまで切りたがったんですけど、『いや、それは僕のトレードマークだから』って止めました」
一方、個性派ぞろいのホワイトソックスを静かにまとめるウィル・ベナブル監督(43)は、プログレッシブフィールドの会見場に入った時点でアイスが幸運を呼ぶという話をまだ聞いていなかった。
「サムがそう言うなら、私も賛成です」
笑いながらそう答えたベナブル監督は続けた。
「選手たちが幸運につながると思っていることなら、私は全面的に支持します」
162試合のレギュラーシーズンからポストシーズンまで長い戦いが続く中、どのチームにも、選手たちの個性や明るさ、野球を楽しむ姿勢から生まれる、競技とは少し離れた楽しいエピソードがいくつかあるものだ。
ホワイトソックスでは、まるで毎週のように新しい話題が生まれている。そして今度は「アイスクリーム」の話題だ。
村上が本塁打を放った際、アントナッチがアイスクリームを食べていたと聞いたベナブル監督は笑いながら、「じゃあ、みんなにアイスを用意しないとね」と巧妙に返した。
第2戦前、アントナッチが同じことをするか聞かれたティールも、「何個か食べてくれるといいね」と験担ぎをおねだりした。
