【カブス9-3ロッキーズ】デンバー/クアーズフィールド 6月11日(日本時間12日)
打球がレフト線のスタンドに消えた瞬間、鈴木誠也は拳を握りしめ、雄叫びを上げながらダイヤモンドを回った。ここ数週間、停滞気味だったカブス打線にとって、まさに待望の一打だった。
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四回、鈴木がロッキーズ右腕ライアン・フェルトナーから放った満塁本塁打が試合の流れを変えた。カブスはこの一発をきっかけに打線が爆発。さらに七回にはブレグマン、八回にはカーソン・ケリーも一発を放ち、追加点を重ねた。
鈴木は試合後、「ずっと投手のことを援護できてなかったですし、苦しい展開で投げさせてしまっていたので、援護したいなという気持ちで打席に立っていた。1発が出てよかったなと思います」と話した。
カブスが1試合3本塁打以上を記録したのは4月25日以来。今回のシリーズ最終戦で挙げた9得点は、直近4試合の総得点に並び、停滞していた打線がようやく本来の姿を取り戻しつつある。
試合前、カブスのクレイグ・カウンセル監督は、打線の深刻な不振について質問された際、「攻撃面でわれわれに足りていないのは長打力だ。得点圏での打撃に注目が集まっているが、チームとして長打が不足している」と指摘した。
カウンセル監督の発言を聞いていたかのように、この試合ではカブス打線の長打力が一気に解き放たれた。先発エドワード・カブレラを援護し、序盤から試合の流れを引き寄せた。
ロッキーズ先発フェルトナーは立ち上がりからカブス打線を完璧に封じたが、四回にピート・クロウ=アームストロングとマイケル・ブッシュの連打で無死一、二塁とすると、イアン・ハップの四球で満塁。
ここで打席に入ったのは鈴木誠也。
右打席の鈴木は初球、フェルトナーのスライダーを完璧に捉えると、打球は左翼スタンドへ。鈴木にとって通算3本目のグランドスラムで、今季10号で流れを一気に引き寄せた。
ダイヤモンドを回る際の鈴木の表情には、喜びだけでなく自らへのもどかしさもにじんでいた。
「自分に対してのいらだちがずっとあったので、いいところで打てて、やっと貢献できたなという気持ちがありました。ずっと迷惑をかけていることは分かっていたので、その悔しさが出たのかなと思います」
ブレグマンは、6月は8試合で打率.138(29打数4安打)、長打率.172と苦しんでいたが、七回にクロウ=アームストロングの二塁打で好機を迎えると、カストーニョから今季6号2ランで復活の狼煙を上げた。
カウンセル監督は「誠也もアレックスも、ああいうスイングが必要なんだと思う。だからこそ、良い兆しだ」と評価した。
さらにカーソン・ケリー八回二死からサミー・ペラルタの球を捉えたソロ本塁打で、4月18日以来となる今季初アーチとなった。
この日のカブス打線は、得点圏で7打数4安打とシーズン序盤を思わせる攻撃力を披露した。
チームは5月8日まで27勝12敗と好スタートを切り、その間の攻撃陣は長打率.429、ISO(長打率-打率).170といずれもリーグ上位に位置していた。しかしその後の29試合では7勝22敗と失速し、同期間のISOは.121、長打率も.332まで低下し、いずれもメジャー最下位に沈んでいた。
カブスの主力9人の中で、過去29試合(木曜時点)において長打力が上向いたのはクロウ=アームストロング(+0.095)、ブッシュ(+0.072)の2人のみだった。開幕から最初の39試合と比較したデータで、それ以外の選手は軒並み低下している。
特に落ち込みが大きいのはバレロス(-0.367)、鈴木誠也(-0.291)、ニコ・ホーナー(-0.190)、ダンズビー・スワンソン(-0.134)、カーソン・ケリー(-0.112)と続く。
ブレグマンは現状についてこう語る。
「今、われわれはおそらく3人ほどしか本来の力でプレーできていない。やるべきことは多いし、もっと良くならなければいけない。本来はもっといいチームのはずだが、それをまだ見せられていない。自分たちを見つめ直して、どうやって結果を出すか考えないといけない」
その上で、この日の勝利については手応えも口にした。
「これは正しい方向への一歩だと思う。ただ、もっと良くならないといけない」
