ドジャースが4度の満票MVP、大谷翔平らしい打撃を最後に見てから、まもなく2カ月になる。
ブレーブスとのナ・リーグ地区シリーズ第1戦を控え、3年連続の世界一を目指すドジャースはスーパースターがポストシーズンでどんな姿を見せるのか、チームにもまだ見通せない部分があった。
デーブ・ロバーツ監督は、「照明がついて、ポストシーズンが始まれば、集中力が高まることは分かっている。いいものが出ることを期待している。本当にそう思っている。ただ、これまで十分に見られていないので、私には予測できない」と練習後にそう語った。
この1カ月、大谷の実戦出場は限られていた。右上腕二頭筋と左膝の負傷に対処するため15日間の負傷者リスト(IL)入り。復帰したのはレギュラーシーズン残り5試合にとどまり、21打数5安打、二塁打1本、8三振、1四球という内容。
今季、大谷はドジャース移籍後初めて、シーズンを通して二刀流で戦うことを目指していた。だが、少なくとも6月から続く右上腕二頭筋と左膝の負傷がその計画を狂わせた。7月3日の登板を最後にマウンドから遠ざかり、今ポストシーズンでの登板はない。
その後、2カ月、ドジャースは大谷が再び二刀流に戻る可能性を残していた。だが、投球に向けた調整を進める中で、上腕二頭筋と膝の負傷が悪化し、打撃も不振に陥った。
IL入り前の24試合では打率1割9分8厘、OPS.689。109打席で34三振を喫した。ドジャースにとっても、負傷がスイングに影響していることを示す明確なサインだった。
それ以前の大谷は、MVP争いの中心にいた。打率2割9分6厘、OPS.952、26本塁打を記録。シーズン30本塁打で終えたが、ドジャース移籍後では最少で、最後に本塁打を放ったのは8月18日のロッキーズ戦だった。
地区シリーズに向けた休養期間、大谷は休む時間とスイングの調整を両立させた。チームメートとの実戦形式の打撃や、トラジェクト・マシンを使った打撃練習にも取り組んだ。体の状態もスイングも手応えは得たという。ただ、どちらにも不確かな部分が残っており、今後もしばらく負傷を抱えながらプレーする必要があることも認めた。
「原因が分かりづらい部分もあったりはするので、そこも含めて、オフシーズンにゆっくりとチェックも含めてやりたいなとは思っていますけども。まだ、そういう時期ではないので、どんな状態でもしっかりと試合でベストなパフォーマンスを出せるようにまずは調整する。ケアしたいなと思います」
大谷は、試合前日会見でそう話した。
ここ数日、ドジャースの打撃コーチ、アーロン・ベイツ氏が重点を置いているのは、体の状態よりもスイングだという。
「体の部分は、彼自身がもう乗り越えつつある。今はさまざまな球速に対するタイミングや、どのタイミングで動き出すかといったこと。打者が普段取り組んでいることに戻っている。体の状態を整えることに取り組んでいた段階とは違う」
この時期、体に不安を抱えているのは大谷だけではない。それでもドジャースは、毎試合1、2番を任せられるだけの状態に大谷があることを期待している。そのためには、チームとのコミュニケーションをさらに深め、大谷の状態を適切に把握していく必要もある。
大谷がIL入りした際、編成本部長のアンドリュー・フリードマン氏は、大谷はチームとの意思疎通が得意な一方、自身の状態を必ずしも率直に伝えていたわけではないと話していた。
「ショウとは常にオープンに話をしている。選手たちは本番に向けて準備ができているし、彼も同じ。持てるものをすべて出す。それがわれわれに求められることだ」とブランドン・ゴームズGMはそう語った。
3年連続の世界一を目指すドジャース。その中で、大谷がどんな打撃を見せるのかは、実際に打席に立つまで誰にも分からない。大谷自身も同じだ。
「自分がいい立ち心地で立っていれば、ある程度少ない実戦の中でもいい状態まで持っていける確率が高いと思う。今は状態的には良いと思いますし、あとはチームとして一週間ぐらい空いているので、その中で早く実戦の感覚、特にポストシーズンの雰囲気っていうのにしっかりとアジャストできれば、自分の期待している結果に近づくと思います」
