レッドソックスはストーブシーズン序盤に、カージナルスからベテラン右腕サニー・グレイを獲得。大きな補強ポイントの先発ローテーションを1枠埋めた。こうした大きな補強があれば、当然いくつかの疑問が残るだろう。そこで今回は、それらの質問にお答えする。
Q. グレイ獲得は、レッドソックスがもう1人先発を補強しないことを意味するのか?
必ずしもそうではない。このトレードでレッドソックスは巨額の支出をしていないことがポイント。2026年のグレイの年俸3100万ドル(約48億3600万円)と、27年の相互オプションのバイアウト1000万ドル(約15億6000万円)のうち、カージナルスが2000万ドル(約30億円)を負担したため、ボストン側の実質負担は約2000万ドル(約30億円)のみ。グレイが過去数年と同様の投球をするのであれば、実質2000万ドルの1年契約はかなり妥当な価格だ。つまり、FA先発投手を獲得する余裕がある。
また、レッドソックスはMLBパイプラインで球団5位の有望株ブランドン・クラークと、若手先発リチャード・フィッツを放出したものの、メジャーの主力には手を付けなかった。よって、ジャレン・デュランやウィルアー・アブレイユを一線級の先発投手獲得のための駒として使うことができる。
「ここで自分たちを追い込むようなことはしたくない」とクレイグ・ブレスロー編成本部長は語った。
「2026年のローテーションを強化するチャンスがあると感じ、実際にそうした。ただ、まだオフシーズンは序盤だ。まだ補強が実現する可能性はある。それが具体的にどうなるかは分からないが、チームを良くするチャンスを閉ざすつもりはない」
Q. ブレスロー編成本部長が次に動くのはどのポジション?
チャンスがあれば先発投手をもう1人獲得する可能性もあるが、ブレスロー編成本部長の最優先事項は、12月8日開幕のウィンターミーティングに向けて「中軸を打てる主軸打者の獲得」であると見られている。
6月にラファエル・デバースをトレードした理由は広く知られており、その決断を取り消すことはできない。ただ、それ以来レッドソックスが中軸打者を欠いていることもまた事実だ。
右の強打者、ピート・アロンソは2年連続でFA市場に出ており、今回はクオリファイングオファーを受けていないため、希望する長期契約を得られる可能性が高まっている。レッドソックスはボー・ビシェットとカイル・シュワーバーの動向も注視している。両者にはクオリファイングオファーを受けたため、ボストンが契約する場合はドラフト補償を差し出す必要がある。
「ローテーションを強化したいこと、野手に強打者を加えたいことは明言してきた。順番がどうなるかは分からないが、チームを向上させる機会を探し続ける」とブレスロー氏は説明した。
Q. グレイがビューラーと異なる理由は?
今回の契約に対して、レッドソックスファンは、「昨オフにも30代の実績ある右腕ウォーカー・ビューラーと短期契約を結び、まったく成果が出なかったではないか」という疑問が浮かぶかもしれない。ビューラーは数カ月に及ぶ不安定な成績の末、8月29日に解雇された。
しかし、この2人には大きな違いがある。ビューラーはボストン加入前の3年間、2024年ポストシーズンの復活を除けば、ケガと不安定さが目立っていた。一方で36歳のグレイは、過去3シーズンすべてで166回1/3以上を投げ、直近2年は200三振以上を記録している。
「昨年ビューラーがいたことは事実で、望んだ結果になったと言う人はいないだろう」とブレスロー本部長。
「だがソニー(グレイ)は、成績と安定感だけでなく多くのイニングを投げるという確かな実績がある。直近3年のうち2年で180イニング以上を、ほぼ完璧なコマンドとともに投げている。2人は明確に異なるタイプであり、もちろん個別に精査している。ソニーの獲得がうまくいくことを願っている」
Q. 投球配分の調整はあるのか?
昨季、グレイは8種類の球種の中で、フォーシームを最も多く投げた。全投球の21.7%(589球)に過ぎないとはいえ、アンドリュー・ベイリー投手コーチの指導では、その割合がさらに減り、変化球を多投する可能性がある。昨季のフォーシームの平均球速は91.7マイル(約147キロ)で、現在の基準では決して高い数字ではない。
「(グレイは)ベイリーや投手陣と非常に相性がいいだろう。強みを生かして長打を避ける。特に変化球が強みなのであれば、それを生かすために速球を減らす。そういった哲学にハマるはずだ」とブレスロー本部長は語った。
