MLBは大舞台で活躍する12名の日本人選手たちを讃え、オリジナルデザインのマンホールカバーを日本全国で展開している。6月16日の岩手県出身選手を皮切りに選手たちに縁のある場所に設置される。この12種類のマンホールカバーは、それぞれ異なるアーティストによってデザインされ、選手一人ひとりの「物語」や「個性」が表現されている。
2023年のWBCで侍ジャパンの一員としてプレーしたラーズ・ヌートバー(カージナルス)のマンホールは、祖父母が暮らす埼玉県東松山市の箭弓稲荷神社に6月23日に設置された。除幕式には祖父母、おば、いとこも駆けつけ、完成したばかりのマンホールを囲んで記念撮影した。
「みんなでその前で写真も撮ったんだよ。本当にすごかったよ」とヌートバーは興奮気味に教えてくれた。
ヌートバーのマンホールの作画は、アーティストの原田ちあきさんが担当し、躍動感のある守備風景や、子供の頃の思い出、おなじみのペッパーミルなどが鮮やかに描かれている。ヌートバーはすでにレプリカを受け取っており、「絵柄は見ていたけれど、大切な家族が僕のマンホールの実物を見て、お祝いする姿を見たのは、すごく誇らしい気分になったし、とてもうれしかった」と感慨深そうに話す。
現地ではARによるオリジナルのアニメーションを見ることもできる。
「もちろん見に行きたい!絶対に行くと思う。いつになるかはまだわからないけど、必ず行くつもりだよ」
シーズンオフに東松山市の箭弓稲荷神社で熱心に写真を撮っている大柄な男性がいたら、それはヌートバーかもしれない。
野球やスポーツをがんばっている少年少女たちが、新たな”聖地”となったマンホールもお参りすることもあるだろう。神社という場所も相まって、さらにご利益がありそうだ。
「子供たちも見にきてくれるのかな。神社に僕のマンホールができるなんて、考えてみるとすごいことだよね。とってもクレイジーだ」と笑うその表情には、家族と故郷への深い愛着がにじんでいた。